学校日記

5月13日(水)①客観的事実と②③(共同)主観的現実を意識できる子を育む(客観的事実は一つ、主観的現実、共同主観的現実は人の数)

公開日
2026/05/13
更新日
2026/05/09

学校長より

子ども同士でのトラブルを解決する際、状況を「3つの現実」に分けて整理すると、感情的な対立を整理しやすくなります。


まず、一つ目は「客観的事実」です。これはカメラで撮影できるような、誰の目にも明らかな物理的出来事です。「A君がB君の肩を押した」「筆箱が床に落ちた」といった事象がこれに当たります。ここには善悪の判断は含まれません。


二つ目は、一人ひとりの心の中にある「主観的現実」です。同じ「肩を押された」という客観的事実に対しても、受け取り方は一人ずつ異なります。A君は「ふざけて触れただけ(楽しさ)」と思っていたかもしれませんし、B君は「攻撃された(恐怖や怒り)」と感じたかもしれません。主観的現実はその子の感情に直結しており、他人からは否定できないその子だけの真実です。


そして三つ目が、トラブルを解き明かす鍵となる「共同主観的現実」です。これは、子どもたちの集団の中で共有されている「約束事」や「空気」のことです。例えば、「この遊びでは体当たりしてもいい」「貸したものはすぐ返す」といった、目に見えないルールです。

トラブルの多くは、この「共同主観的現実」が崩れたときに起こります。一方が「これは遊びのルール内だ」と信じ、もう一方が「そんなの卑怯だ」と別のルールを信じているとき、客観的事実は一つでも、衝突は避けられません。

われわれ大人として大切なのは、課題のあった客観的事実(何が起きたか)を正すだけでなく、それぞれの主観的現実(どう感じたか)を認め、その上で「次からはどういうルール(共同主観的現実)で遊ぶか」を子どもと一緒に作り直すことです。


自分の主観的現実・他者の主観的現実・共同主観的現実の三つの相違を意識することは、他者理解力、コミュニケーション能力、自己指導能力の向上につながります。学校、とりわけ公立小学校は、大人に見守られながらこの学習ができる貴重な場所、機会だと思います。


「目に見えないルールを共有して協力する」という経験は、将来、お金や法律といった社会の仕組みを扱うための大切な練習になります。トラブルを、社会性を育む貴重なレッスンと捉えて向き合えると、ある程度のトラブルは歓迎できることになります。


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