6月17日(水)アンリトンルール(共同主観的現実)の相違によるトラブルの事例
- 公開日
- 2026/06/17
- 更新日
- 2026/06/16
学校長より
「アンリトンルール(unwrritten rule)」という言葉を聞いたことがありますか。
○プロ野球で点差が広がった試合では盗塁はしない
○サッカーでフェアプレーにより試合を中断させてくれた相手には、プレー再開時にボールを渡す
など、ルールブックには書かれていないが皆が概ね共通に認識しているいわゆる「暗黙のルール」です。
小学生の生活内にもたくさんあるアンリトンルールを数例お伝えいたします。
① サッカーの試合での「強い当たり」
サッカーの試合中、Aさんはボールを奪おうとして体をぶつけました。
Aさんにとっては「ルール内のプレー」であり、「本気で戦っているだけ」という感覚です。
しかし、相手のBさんは、「わざと強く当たられた」「嫌がらせをされた」と感じました。
○客観的事実
* Aさんが体をぶつけた
○主観的現実
* Aさん:「普通のプレー」
* Bさん:「攻撃された」
ここで大切なのが、アンリトンルール(相手がどう感じるかを意識する考え方)です。
「悪気はなかった」だけではなく、「相手はどう受け取ったか」を考えることで、トラブルは小さくできます。
② 教室での“いじり”と笑い
休み時間、Cさんが友達に向かって「また忘れ物?ほんとドジだなー!」と笑いながら言いました。
周囲も笑っていたため、Cさんは「仲良し同士の冗談」だと思っています。
しかし言われたDさんは、
* 恥ずかしかった
* みんなの前で傷ついた
* バカにされた気がした
と感じていました。
○客観的事実
* Cさんが言葉をかけた
* 周囲が笑った
○主観的現実
* Cさん:「楽しいコミュニケーション」
* Dさん:「傷つく言葉」
学校では、この“笑っているからOK”というズレがよく起こります。
共同主観的現実とは、「みんなが同じように感じていると思い込むこと」です。
しかし実際には、同じ出来事でも感じ方は人それぞれです。
だからこそ、「自分は平気」ではなく、「相手はどう感じるだろう」を考える力が大切になります。
③ SNSグループでの既読スルー
友達グループのLINEで、Eさんがメッセージを送りました。しかし他のメンバーは忙しく、すぐには返信しませんでした。
Eさんは、
* 無視された
* 仲間外れにされた
* 嫌われた
と感じ、不安になりました。
一方、他のメンバーは
* 習い事中だった
* 後で返そうと思っていた
* 特に深い意味はなかった
という状況でした。
○客観的事実
* メッセージに返信がなかった
○主観的現実
* Eさん:「仲間外れ」
* 他の人:「単に返信できなかった」
SNSでは表情や声が見えないため、人は自分の不安を“事実”だと思いやすくなります。
ここでも、「自分が見えている世界=相手の世界」ではないことを理解することが大切です。
【共通していること】
どの事例にも共通するのは、
* 客観的事実は一つ
* 受け取り方(主観的現実)は複数ある
という点です。
そして、人はつい「自分の感じ方が普通」と思い込みます。
しかし、実際には、年齢・経験・性格・立場によって、同じ出来事でも意味が変わります。
だからこそ、スポーツでも学校でも社会でも、
* 相手の感じ方を想像する
* 「自分は悪気がなかった」で終わらせない
* 対話で確認する
ことが、トラブル予防につながります。
関連HP投稿 ○5月13日(水)①客観的事実と②③(共同)主観的現実を意識できる子を育む(客観的事実は一つ、主観的現実、共同主観的現実は人の数)