学校日記

3月6日(金)簡単に言語化できない子どもの困り感に寄り添う(HSC、専門的な助言に基づく選択)

公開日
2026/03/06
更新日
2026/02/13

学校長より

近年、「HSC(Highly Sensitive Child)」という言葉を耳にすることが増えてきました。HSCとは、生まれつき感受性が強く、音や光、人の感情などの刺激を深く受け取りやすい気質をもつ子どものことを指します。これは病気や障害ではなく、一人一人がもっている“気質”の一つです。周囲の変化によく気づき、思いやりがあり、物事を丁寧に考えられるという大きな強みもあります。


一方で、教室のざわめきや人間関係の緊張感など、日常の刺激が積み重なることで強い疲労や不安を感じやすいという側面もあります。不登校の背景はさまざまであり、「何%がHSC」と断定できるものではありませんが、こうした繊細さが一因となっている場合もあります。特に難しいのは、本人がその困り感をうまく言葉にできないことです。「なんとなくつらい」「理由は分からないけれど行けない」という状態は、怠けや甘えではなく、心身からのサインであることも少なくありません。


対応として大切なのは、無理に登校を促すことではなく、まず安心を回復することです。医師や心理士等の専門家への相談や、特別支援教室の活用によって、自分の感じ方の特徴を知り、ものの見方や受け止め方を少しずつ整えていくことで、教室が苦痛でなくなる可能性もあります。


校内別室指導は、大人と落ち着いて対話ができるという点で安心の場になります。しかし、学力の積み上げや集団でのコミュニケーション力の向上までを十分に担保できるとは限りません。そのため、意図的な休養や刺激の少ない環境での学びも視野に入れながら、その子に合った居場所を探ることが大切です。例えば、八王子市には少人数で配慮の行き届いた教育環境を整えている高尾山学園のような選択肢もあります。


大切なのは、「元の教室に戻すこと」をゴールにするのではなく、その子が安心して学び続けられる環境を整えることです。繊細さは弱さではなく、大切な個性です。その個性が生きる道を、学校とご家庭で共に探していきたいと考えています。