【苫小牧港まつり②】5月に手を合わせた場所で――墓前に舞う生徒たち
- 公開日
- 2026/08/12
- 更新日
- 2026/08/09
千人同心、苫小牧市勇払中学校との交流
勇払町内を進んだパレードは、やがて本校の生徒たちにとって忘れることのできない場所へとたどり着きました。
八王子千人同心ゆかりのお墓です。
今年5月の北海道修学旅行で、生徒たちはこの場所を訪れました。
八王子から遠く離れた蝦夷地へ渡り、この地の警備や開拓にあたった先人たち。故郷や家族を遠く離れ、厳しい環境の中で生きた人々に思いを寄せながら、生徒たちは静かに墓前で手を合わせました。
それから、わずか約3か月。
同じ生徒たちが、再び同じ場所に立ちました。
しかし、この日の姿は5月とは違います。
勇払千人隊の衣装を身にまとい、地域の皆様とともに、今度は墓前で踊りを披露しました。
5月には、静かに手を合わせた場所。
8月には、その同じ場所で踊っている。
目の前の光景を見ていると、200年以上という時間が一瞬につながったようにも感じられました。
かつて八王子からこの地へ渡った人々がいました。その歴史を学ぶため、200年以上の時を越えて八王子の中学生が勇払を訪れました。そして今、その子どもたちが地域の方々と肩を並べ、先人たちが眠る場所で舞っています。
歴史とは、年号や出来事を覚えることだけではないのかもしれません。
その土地に立ち、そこに生きた人々に思いを寄せ、その思いを次の世代へつないでいくこと。
この日の生徒たちの姿は、まさに「生きた歴史」の中にいるようでした。
パレード終了後は勇払公民館へ戻り、昼食をとりながら勇払中学校の生徒たちと交流しました。
5月に出会った仲間との再会です。
笑顔で言葉を交わす姿を見ていると、八王子と苫小牧を結んでいるものは、もはや歴史だけではありません。
「また会えた」。
その喜びこそが、これからの両地域を結んでいく新しい力なのだと思います。
5月に始まった修学旅行の学びは、この日、生徒たち自身が受け継ぐ物語へと変わりました。
そして午後、その物語は苫小牧のまちの中心へと続いていきます。