学校日記

6月11日(木)人間がとる言動の背景の捉え方(原因論と目的論)

公開日
2026/06/11
更新日
2026/06/06

学校長より

人間の言動について考えるとき、「原因論」と「目的論」という二つの見方があります。


原因論とは、「なぜそうなったのか」という過去の原因や背景に注目する考え方です。例えば、発表をためらう子がいたとき、「以前に失敗して恥ずかしい思いをした経験があるからかもしれない」と考えます。仲間とのトラブルであれば、「自分の気持ちを言葉で伝える経験が十分ではなかったのかもしれない」と捉えることもできます。原因論は、子どもの困り感や背景を理解する上で大切な視点です。


一方、目的論は、「その行動によって何を得ようとしているのか」という現在の目的に注目します。発表をしないのは、「失敗して恥ずかしい思いをしたくない」という目的があるのかもしれません。仲間を強い言葉で動かそうとするのは、「自分の思い通りにしたい」「注目してほしい」という目的があるのかもしれません。


学校では、この2つを対立する考え方として捉えるのではなく、どちらも大切にしています。背景を理解することは必要ですが、「過去に原因があるから仕方がない」で終わってしまうと、子どもの成長につながりません。また、目的だけに注目して背景への配慮を欠いてしまうことも望ましくありません。


大切なのは、子どもの背景を理解した上で、「これからどうするか」に目を向けることです。例えば、発表が苦手な子には、まず少人数で話す機会を設けるなど、成功体験を積める環境を整えます。仲間との関わり方に課題がある子には、相手に伝わる言葉や行動を一緒に考えていきます。


学校では、子どもを責めたり、過去の原因探しをしたりするのではなく、子ども自身がよりよい選択をできるよう支援していきます。保護者の皆様とも、「なぜそうなったのか」と「これからどうするか」の両方の視点を共有しながら、子どもたちの成長を支えていきたいと考えています。