学校記事

令和8年度入学式辞

公開日
2026/07/06
更新日
2026/07/06

校長室から

令和8年度入学式
式 辞

 若葉も見え始めた桜坂の先に建つこの真白き校舎も、53回目の春を迎えました。この良き日和のもと、保護者の皆様とともに、設置者である八王子市教育委員会森田隆俊(もりた たかとし)様、ご来賓として長房小学校長 橋本 潮(はしも とうしお)様、船田小学校長 野場正道(のば まさみち)様をはじめ地域・学校関係の皆様、並びに本校学校運営協議会の皆様のご臨席を賜り、本校第53回入学式が行えますことに、校長として心から御礼申し上げます。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ようこそ長房中学校へ。155人の上級生と教職員みんなが、皆さんの入学を心から歓迎いたします。
皆さんはこの3月まで、小学校の最上級生として、下級生たちから目標とされるような立場として学校の先頭に立って頑張ってきたと聞いています。そんな皆さんが、ここで大きな階段を一段登りました。中学生として今日から着る学生服に身を包みここにいる今、どんな気持ちですか?これから皆さんが、大きな力を付け、より強くなるための新しい旅が始まります。
中学校3年間は、人間の一生の中でも、心と身体が最も大きく成長する時期です。今までいろいろな力を身に付けてきた皆さんですが、今までよりもさらに1段も2段も高いレベルのことができるようになります。それが中学生です。中学生ってすごい!そんな姿をこの後すぐにいろいろな場面で後ろにいる上級生たちが見せてくれると思います。そこで私は、皆さんもそうなれるように、中学校生活を始めるにあたって、皆さんに期待していることをお話します。
まず大前提として、命を大切にしてください。言うまでもないことなのですが、あえて言います。いま世界では戦争が起こっています。人の命があまりにも軽く扱われている様子が伝わってきます。でもそれは当たり前でも仕方のないことでもありません。自分の命も他の人の命も、大切にしましょう。皆さんには、一人一人に「使命」があります。こういう字を書きますね。(「使命」カードを示す)これからあなたの命をどう使うのか、そのための力を付けたり方向を見つけたりするのが中学校生活ですから、「使命」に向かってまずは一人一人が命を大切に大切にしていきましょう。
その上で、一つ期待していることを申します。
それは、「『勉強って楽しい!』と思えるようになってほしい」ということです。
 みなさんは今、勉強は好きですか?勉強は楽しいですか?
 えっ、いきなり勉強のこと?と思う人も多いかも知れません。「うわ~、中学は勉強かあ・・・(てんてんてん)(絶句)」なんて思っちゃたらごめんなさい。でもちょっと待ってください。
私が言う「勉強」ということばの意味をお伝えします。それは、何でも「勉強」になります、という意味です。そう、教科の勉強だけが勉強ではないのです‼ 授業だって行事だって課外活動だって、実は遊びだって、みんな勉強なんです。例えば野球が上手になるために、ボールの投げ方や捕り方、バットの持ち方や打ち方、走塁の仕方、ルールなどを、教えてもらったり人のまねをしてみたり自分でやってみたりしますよね。これ勉強ですよね。ゲームをするときも、ルールや操作の仕方を覚えたり、攻略法を調べたりしますよね。これも勉強です。こういう勉強、皆さん苦手ですか?
 なのに、学校でする教科の勉強だけが、なんだか苦手ってなる人が多いですよね。それはどうしてかというと、楽しいと感じていないからです。何のためにやっているのかよくわからないから楽しくない。それでもやりなさいって言われて「やらされている」ようだからつまらない。
先生たちは楽しいと感じてもらえるよう工夫して頑張りますが、では皆さんはどうしたら良いのでしょうか。それは、「自分の頭で考えるくせをつけること」です。まずは、勉強したことを使ってみましょう。何かを学習したら、それを使って考えてみる癖をつけることです。使わないことは学んでもどんどん忘れていきます。でも使えば忘れません、忘れないどころか、もっと強くなります。野球ではどうですか?ボールの打ち方のコツを習ったら、やってみることです。やってみて打てたら、それをどんどん練習で繰り返せば、もっともっとうまくなりますよね。でもそこには、自分で打てるようになりたいっていう気持ちがないとダメなんですね。教科の勉強でも、自分で分かりたいっていう気持ちがないとダメなんです。そのためにはいつも自分の中に「問い」をもつことと失敗を恐れずやってみようとするチャレンジ精神が大事なのです。ぜひいつも自分の中に何か「?(クエスチョン)」をもつようにしましょう。そしてその「?」(クエスチョン)、つまり「問い」に向かって飛び込んでいく行くことをためらってはいけません。そのときに役立つのが他の人との関係です。他の人から教わったりヒントをもらったりすることが沢山あります。他の人のことを尊重することで、皆さんの学びはもっともっと深いものになるでしょう。
つまりこれらは、教科の勉強でもその他の勉強でも全く同じようにやってみるということなのです。学校での教科などの学びも、部活動や習い事などの学びも、何も考えずに誰かにやらされるのではなく、「自分の頭で考える」「習ったことを使ってみる」。そんなことを意識して過ごしてほしいと思っています。こうすることによって、皆さんが中学校時代に身に付けられる力は、「やらされている」のと比べて何倍にも大きくなること間違いありません。そしていつも自分で考えて答えを出せるよう、たくさんの本を読み、一生学び続けることができる基礎をつくっていきましょう。
そして自分の立てた「問い」に向かって、「失敗を恐れずやってみる」。やってみないことには本当の力は付かないということでもあります。授業・部活や地域での活動・日常の生活の中で、「これってどうやるんだろう」、「ちょっとやってみたいな」、ということを見つけやってみましょう。また、今までやったことがないいろいろな経験を積んで、心を鍛えましょう。長房中学校では、皆さんが自分を鍛え伸ばすことのできる場面をたくさん用意しています。どうか失敗を恐れず思い切りチャレンジしてみてください。人間が本当に成長するのは、本気でチャレンジして成功したときと、本気でチャレンジして失敗したときの両方です。どちらも成長するのですが、あくまでも本気でやって自分が体で感じ取ったものしか本当の成長にはつながらないのです。この会場の右上左上ギャラリーの壁を見てください。体育大会や合唱コンクールで皆さんの先輩たちが作ったスローガンです。これも中学生として大きな挑戦の証です。そして本当に驚くような成長の姿を見せてくれました。一人一人でも、みんなででも、皆さんの挑戦を期待しています。
最後に、「人を尊重すること」です。皆さんが入学したこの長房中学校は、創立50周年を越えました。皆さんは53回目の新入生です。ここまで1世紀の半分という長い歴史があり、今までに8千人を超える人がこの学校を卒業して社会で活躍しています。「強く・正しく・美しく」という校訓のもとに、みんなでこれから新しい半世紀の歴史を作っていくのです。そこでまず大切になるのは、皆さん自身で良い集団をつくっていくことです。ここに集まった72名の新入生の皆さんは、一人一人が誰一人として欠くことのない、かけがえのない存在です。一人一人が気の遠くなるような数々の偶然の結果、ここに集まっているのです。そんなお互いを尊重すること。人の存在を否定しないこと。そのことを今ここで、改めて深く心に念じてほしいと思います。
 保護者の皆様 本日はお子様のご入学、心よりお祝い申し上げます。保育園や幼稚園・小学校といろいろな人との関わりの中で成長し、今、中学生の装いをしたお子様の姿に、子育ての感慨もひとしおのことと存じます。中学校の3年間は人生における激動の時代とも言えます。お手元の冊子にある本校の校訓の三つめにある「美しく」は、子育てや教育に携わる私たちの美意識や美徳についても問うているものと考えます。人としての美しさを示せるよう、私たち長房中学校教職員は、保護者の皆様と手を携えてお子様の成長に力を尽くしてまいる所存です。何か気になることがありましたらいつでもご相談ください。
 結びに、本日ご参加のすべての皆様の一層のご健勝をお祈りいたしますとともに、平和な社会の下で学校教育が行える当たり前の日常の有難さに感謝しつつ、私の式辞といたします。

令和八年四月八日              八王子市立長房中学校 校長 上田 太