松姫ものがたり その3
- 公開日
- 2021/06/21
- 更新日
- 2021/06/21
恩方の歴史と暮らし
松姫さまは、すくすくと育ちました…。
五才になったとき信玄公は、恵林寺(えりんじ)の快川和尚(かいせんおしょう)という偉(えら)いお坊さまに
「姫に正しい“人の道”を教えてください。」
とお願いしました。
ある日、五郎お兄さまのお城をたずねたときのことです。
お城は桜が満開(まんかい)で、村の人たちもお花見を楽しんでいました。
「どろぼー」「まてー」
小さな女の子でした。手には松姫の手まりがありました。
みんなが女の子をせめると
【松姫】「手まりはさっき私がこの子にあげたのよ。」
松姫さまのあたたかい思いやりがわかった女の子は
「ごめんなさい、ごめんなさい。」
涙を流しながらあやまりました。