松姫ものがたり その2
- 公開日
- 2021/05/26
- 更新日
- 2021/05/26
恩方の歴史と暮らし
それは今からおよそ450年前のことです。
甲斐(かい)の大しょう武田信玄公(たけだしんげんこう)が
越後(えちご)の上杉謙信(うえすぎけんしん)と
川中島(かわなかじま)というところで戦っていた時のことです。
パカッ パカッ パカッ
丘のふもとから砂けむりをあげて 早馬(はやうま)が駆(か)け上がってきました。
家来 「おやかたさま、おめでとうございます。姫さまがお生まれです」
信玄 「おおっ、姫が生まれたとな 姫の名は松姫(まつひめ)としようぞ 松は栄えるめでたい木じゃ」
と白い紙に「松姫」と書いて 奥方さまのところに届けさせました。
それを見た赤ちゃんは
「ころ ころ ころろ」と笑いました。
やがて戦(いくさ)を終えて帰ってきた信玄公は
「おお、おお、可愛い姫じゃ」
宝物のように大事に抱きかかえました。
【原文ママ、( )はふりがな】