9月3日(木)これからの日本の学校教育の方向性― 山田小の家庭学習の取組ともつながっています ―
- 公開日
- 2026/09/03
- 更新日
- 2026/09/03
学校長より
8月31日、国の教育課程企画特別部会から、次の学習指導要領に向けた「審議まとめ(素案)」が示されました。
まだ検討途中の内容ではありますが、これからの学校教育が、子供たちにどのような力を育てていこうとしているのか、その方向性がかなり明確に見えてきました。
その中で大切にされていることの一つが、基礎・基本をしっかり身に付けた上で、学んだことを自分で使えるようにすることです。
漢字や計算、基本的な知識などの基礎を確実に身に付けることは、これからも変わらず大切です。
その上で、「覚えた」「できた」で終わるのではなく、学んだことを使って考えたり、説明したり、別の場面に生かしたりするところまで、スパイラル的に学びを深めていくことが、これまで以上に重視されています。
これからは、「知っている」だけでなく、「使える」ことまでを大切にする学びになっていくということです。
もう一つ、これから特に大切になるのが、自分の学びを自分で調整する力です。
「自分はどこまで分かっているのかな」
「今日は何を勉強しようかな」
「このやり方でうまくいかないなら、少し変えてみようかな」
このように、自分の学習の様子を振り返りながら、必要に応じて学び方を変えていく力です。
こうした力は、ある日突然身に付くものではありません。小学校6年間を通して、大人に支えてもらいながら、少しずつ経験を重ねていくことで育っていきます。
この考え方は、現在、本校が進めている家庭学習の方向性とも、とてもよく重なっています。
学校は、家庭学習を、最初からすべて子供と保護者に任せるものとは考えていません。
低学年では、学習の習慣や基本的な学び方を身に付ける。
中学年では、少しずつ見通しをもって学ぶ。
高学年では、自分に必要な学習を考えて取り組む。
このように、学年が上がるにつれて、「決められたことに取り組む学習」から、「自分で考えて進める学習」へと少しずつ移っていくことを大切に、学校もおすすめの課題やテストの予定を提示したり、自主学習への助言を行ったりします。(写真3は5年生教室掲示のポスター)
家庭学習を、単に「家でやる宿題」として捉えるのではなく、自分で学びを進める力を育てる機会の一つとして考えていく。これは、8月31日に示されたこれからの教育の方向性に沿ったものです。
また、これからの子供たちは、インターネットや生成AIなど、多くの情報に囲まれて生活していくことになります。
だからこそ、情報を集めるだけでなく、
「これは本当に正しいのかな」
「どこに根拠があるのかな」
「ほかの情報と比べるとどうかな」
と、自分で確かめ、判断する力も必要になります。
AIについても、単に「使う」「使わない」ではなく、その便利さと限界を知り、目的に合わせて上手に使う力を育てていくことが求められています。
さらに、子供自身の「なぜだろう」「もっと知りたい」という気持ちを出発点に、調べたり、試したり、友達と考えたりする探究的な学びも、引き続き大切にされます。
ただし、これからの授業が、すべてこうした学習に変わるわけではありません。
先生からしっかり教わることが必要な場面もあります。繰り返し練習することが大切な学習もあります。一人でじっくり考えること、友達と話し合うこと、実際に見たり触れたりすること、デジタルを活用することにも、それぞれのよさがあります。
大切なのは、「何をしっかり教えるのか」「どこから子供に任せ、考えさせてていくのか」を、子供の成長に合わせて考えていくことです。
山田小学校が家庭学習を段階的に考えているのも、そのためです。
低学年では「手をかける」。
中学年では「声をかける」。
高学年では「目をかける」。
子供の成長に合わせて、大人が少しずつ手を離していく。その中で子供は少しずつ、自分で考え、自分で決め、自分で学ぶ力を身に付けていきます。
8月31日に示された今回の資料から見えてくるのは、ただ「教えてもらう」だけではなく、将来、自分で学び続けることのできる子供を育てていこうという方向性です。
必要な基礎・基本は、学校が責任をもってしっかり教える。その上で、子供自身が考えたり、選んだり、試行錯誤したりする経験を、6年間をかけて少しずつ増やしていく。
山田小の家庭学習の取組も、こうしたこれからの教育の方向性とよくつながっています。
学校での学びと家庭での学びをつなぎながら、子供たちが中学校、そしてその先でも、自分で考え、自分で学び続ける力を身に付けていけるよう、学習指導要領の改訂完了を待つのではなく、今から動いていきたいと考えています。
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