10月9日(金)「変えられること」に力を注ぐという考え方~子どもの自己調整力を育てるために~
- 公開日
- 2026/10/09
- 更新日
- 2026/10/07
学校長より
子どもから「○○さんが悪口を言った」「先生が分かってくれない」「思うようにいかなかった」といった相談を受けることがありませんか。
そんな時、私たちは何とか相手を変えたり、起きてしまった出来事を元に戻したりしたくなります。しかし、実際には、他人の気持ちや言動、過ぎてしまった出来事は、自分の力だけでは変えることができません。
一方で、自分の考え方や行動、これからの努力は、自分の力で少しずつ変えていくことができます。
例えば、友達に嫌なことを言われた時、「相手に謝らせる」ことは自分では決められません。しかし、「信頼できる大人に相談する」「距離を取る」「気持ちを切り替える」といった行動は、自分で選ぶことができます。
テストで思うような点数が取れなかった時も、結果そのものは変えられません。しかし、「どこで間違えたのかを振り返る」「次は毎日10分復習する」といった行動は、今日から始めることができます。
このように、変えられないことを考え続けるよりも、変えられることに力を注ぐことが、前向きに生きる力につながります。
子どもの気持ちは簡単には切り変わりません。ですので、まずは、「嫌だったね」「悔しかったね」と、その気持ちを十分に受け止めることが大切です。その上で、「今の状況で、自分にできることは何だろう?」と一緒に考えてあげることで、子どもは少しずつ、自分で行動を選び、自分の心を整える力を身に付けていきます。
社会に出れば、自分の思い通りにならない出来事は数多くあります。そのたびに相手や環境を変えようとするのではなく、自分が変えられる部分に目を向け、できることを一つずつ積み重ねる力こそが、困難を乗り越える「しなやかさ」になります。
私たち大人も、子どもの前で「変えられないこと」を嘆くのではなく、「今できることは何だろう」と考える姿を見せていきたいものです。小学校と中学校の間のこの積み重ねが、子どもたちの自己調整力や自己効力感を育て、「自分の人生は自分で切り拓いていける」という確かな自信につながっていくのだと思います。