10月13日(火)【第7回/全7回】その子の未来から、みんなで成長を考える
- 公開日
- 2026/10/13
- 更新日
- 2026/09/21
学校長より
― 学校だけでなく、子どもを支えるさまざまな場所とともに ―
全7回にわたり、子どもの学びの場と支援についてお伝えしてきました。
最後に、それぞれの役割を整理します。
通常の学級
発達段階に応じた負荷を経験しながら、予測困難な社会や不測の出来事にも対応する「たくましさ」を育てる。
特別支援教室(うぐいす教室)
社会性、コミュニケーション、感情のコントロール、自己調整などの困り感への対処方法を学び、通常の学級で実践し、振り返ることを繰り返す。
特別支援学級・特別支援学校
個に応じた負荷となるよう学習・生活環境を整え、成功体験を積み重ねながら、自己肯定感やその子のよさを育てる。
近隣校への転校・進学
人間関係や環境を変え、新しい場所で再スタートする。
高尾山学園への転校・進学
環境を変えて再スタートするとともに、自分に必要なところまで立ち戻り、学習や人との関わりを学び直す。
校内別室
現在の困り感を丁寧に見立てながら、その子が次の学びの場へ進むための準備をする。
今回の連載では、主に学校の中の教育環境や、学校を変えるという選択肢についてお伝えしてきました。
しかし、子どもの成長を支える場所は、それだけではありません。
例えば、給食センター、教育センター、はちビバなどの公的な機関も、子どもが人や社会と関わり、さまざまな経験をする場所として考えることができます。
また、フリースクールや放課後等デイサービスなどの民間の機関が、その子にとって大切な学びや経験の場となる場合もあります。
学校に毎日いることだけを「学び」と考えるのではなく、「どこで、誰と、何を経験することが、その子の成長につながるのか」という視点で考えることが大切だと思います。
学校で見せる姿と、家庭で見せる姿は同じとは限りません。
学校では頑張っている子が、家庭に帰ると疲れ切っていることもあります。
反対に、学校ではなかなか力を発揮できなくても、家庭や学校以外の場所では、生き生きと活動していることもあります。
だからこそ、一つの場所で見えている姿だけで、その子を判断しないことが大切です。
学校での様子。
家庭での様子。
学校以外の場所での様子。
それぞれを持ち寄ることで、その子の「困っていること」だけでなく、「できること」「好きなこと」「力を発揮できる環境」も見えてきます。
通常の学級、うぐいす教室、特別支援学級・特別支援学校、他校、校内別室、公的機関、民間機関。
これらは、どこが「上」で、どこが「下」というものではありません。
また、一つだけを選び、ほかを使ってはいけないというものでもありません。
その子の状況によっては、学校を中心にしながら、複数の場所や人とつながることが成長につながることもあります。
大切なのは、「今、この子を困らせないために何をするか」だけではなく、「この子が将来、自分らしく社会の中で生きていくために、今どのような環境で、どのような経験をすることが必要なのか」を考えることです。
そして、近未来・将来像は、一度決めたら変えられないものではありません。
子どもは成長します。困り感も変わります。できることも増えます。必要な支援も変わります。
だからこそ、お子さん本人を中心に、保護者、学校、スクールカウンセラー、そして必要に応じて公的機関や民間機関などが、それぞれの場所で見えているお子さんの姿を共有することが大切です。
それぞれが見えているお子さんの姿を持ち寄りながら、「この子の次の一歩は何だろう」と一緒に考えていく。
山田小学校では、保護者の皆様やお子さんに関わる方々とつながりながら、子どもたち一人一人の成長をともに考えていきたいと思います。