6月19日(金)幸せは「成功体験の数」よりも、「ものの見方」に左右されるのだろう
- 公開日
- 2026/06/19
- 更新日
- 2026/06/14
学校長より
子どもたちを見ていると、「成功体験は大切だな」と感じる場面がたくさんあります。
できなかったことができるようになった時。友達や先生から認められた時。そうした経験は、その子の自信や意欲につながっていくように思います。
一方で、年齢を重ねるにつれて、「成功したから幸せになる」とは限らないのではないかとも感じるようになりました。
世界の幸福度調査を見ると、日本は経済的には豊かな国でありながら、幸福度は必ずしも高いとは言えません。反対に、日本より経済的に恵まれていない国でも、高い幸福感を示している場合があります。
もちろん単純な比較はできません。しかし、「豊かさ」や「成功」だけでは説明できない何かがあるような気がします。
学校でも似たようなことがあります。
同じテストで80点を取った二人の子がいたとして、一人は「20点も間違えた」と落ち込みます。もう一人は「前より10点上がった」と喜びます。
また、係活動を頑張った子が、「褒められなかった」と残念に感じることもあれば、「前よりできることが増えた」と成長を実感することもあります。
現実は同じでも、受け止め方によって気持ちは大きく変わります。
ただし、これは「見方を変えればいいんだよ」と伝えればいいという簡単なことではありません。
私自身も、仕事で失敗した時にすぐ前向きになれるわけではありません。落ち込むこともありますし、他の学校(仲間なのに…)と比べてしまうこともあります。
子どもたちも同じだと思います。
不安な時は不安ですし、悔しい時は悔しい。それは自然なことです。
だから、「そんなふうに考えればいい」と簡単には言えません。
それでも時間がたつと、
「あの経験があったから今があるのかもしれない」
と思えることがあります。
幸福度の研究では、人とのつながりや、自分で選んでいるという感覚、物事の捉え方などが幸福感と深く関係していると言われています。
私は、この結果に納得するものがあります。
人生は思いどおりにならないことの方が多いからです。
だからこそ、幸せになるためには成功体験を積み重ねることも大切ですが、それ以上に、今の自分や今の状況との付き合い方を学んでいくことが大切なのではないでしょうか。
ないものを見れば、不足はいくらでも見つかります。
一方で、あるものを見ようとしても、なかなか見つからない日があります。
人間はもともと危険や不足に目が向きやすい生き物だと言われています。
だから、「あるものを見る」ということは、実は大人にとっても難しいことなのかもしれません。
子どもたちにも、そして私たち大人にも必要なのは、「もっと成功しよう」と励ますことだけではなく、「今あるものにも目を向けてみようか」と一緒に考える時間なのではないか。
最近、そんなことを考えています。保護者の皆様はいかがですか。