学校日記

創立80周年記念企画⑤ 成長する八王子、広がる恩方中学校 ― 昭和44年4月~昭和49年3月 ―

公開日
2026/10/11
更新日
2026/09/15

周年行事事業

恩方中学校の沿革

  • 昭和44年4月1日
     第7代校長 山崎久男、八王子市立川口中学校へ転任。
     第8代校長として 宮城淳二郎 着任。

  • 昭和46年3月25日
     技術科室・家庭科室の増築完成。

  • 昭和46年3月31日
     体育館落成。

  • 昭和47年2月22日
     八王子市委託研究発表会を開催。
     研究主題は「創造的能力と実践的態度を養う指導法」。

  • 昭和47年4月1日
     第8代校長 宮城淳二郎、八王子市立第三中学校へ転任。
     第9代校長として 秋山保男 着任。

  • 昭和49年1月26日
     新校舎落成。


大きくなるまち、大きくなる学校 ― 高度経済成長の中の恩方中学校

 昭和44年(1969年)から昭和49年(1974年)にかけて、日本は高度経済成長の頂点から大きな転換点へと向かっていきました。そして八王子もまた、人口の増加、大学の進出、道路や住宅地の整備などによって、その姿を急速に変えていました。


 昭和44年4月、恩方中学校では第7代校長山崎久男が八王子市立川口中学校へ転任し、第8代校長として宮城淳二郎が着任しました。この頃の八王子では人口増加が続き、昭和40年に20万人を突破した人口は、その後も急速に増えていきます。子どもの数も増加し、八王子市立小学校の児童数は昭和44年度の20,157人から昭和48年度には26,440人へ増加しました。まさに「成長する八王子」を象徴する時代でした。


 昭和45年(1970年)には大阪で日本万国博覧会が開催され、「人類の進歩と調和」をテーマに国内外から多くの人々が集まりました。家庭にはカラーテレビが普及し、自動車も身近な存在になっていきます。一方、八王子ではこの年、宮下町に杏林大学が開校しました。


 さらに昭和46年には鑓水に多摩美術大学、丹木町に創価大学が開校します。八王子が現在「学園都市」と呼ばれるようになる、その基盤が形づくられていった時代でもありました。


 恩方中学校でも教育環境の充実が進みます。昭和46年3月には技術科室・家庭科室の増築が完成し、続いて体育館が落成しました。戦後、恩方第一小学校と恩方第二小学校の校舎を借りて始まった学校が、20年余りの歳月を経て、専門的な学習を行う教室や体育館を備えた学校へと成長していったのです。


 しかし、施設を整えることだけが恩方中学校の歩みではありませんでした。


 昭和47年2月には、八王子市委託研究発表会を開催。研究主題は「創造的能力と実践的態度を養う指導法」でした。昭和30年代には放送教育や視聴覚教育の研究に取り組んだ恩方中学校。この時代にも、子どもたちが自ら考え、実際の行動へつなげていく教育を追究していたことが分かります。


 八王子のまちにも新しい動きが生まれます。昭和46年には、全国に先駆けてノーカーデーを実施。昭和47年には甲州街道で歩行者天国が始まりました。自動車社会が急速に進展する一方で、交通や環境、人にやさしいまちのあり方を考え始めていたことがうかがえます。


 そして昭和48年(1973年)、八王子と現在の恩方中学校にもつながる重要な出来事がありました。


 八王子市と北海道苫小牧市が姉妹都市の盟約を結んだのです。


 8月10日に結ばれたこの盟約は、その後の両市の交流へとつながっていきます。現在、恩方中学校が交流を続けている苫小牧市立勇払中学校とのつながりを考えると、昭和48年の姉妹都市盟約は、学校の80年の歴史を振り返る上でも大変興味深い出来事です。


 一方、日本経済には大きな転換が訪れます。同じ昭和48年、第一次石油危機、いわゆる「オイルショック」が発生しました。物価が上昇し、生活用品の買いだめが社会現象となるなど、それまで右肩上がりで成長してきた日本社会は大きな衝撃を受けました。高度経済成長の時代が終わりを迎えようとしていたのです。


 そのような社会の変化の中、恩方中学校では昭和49年1月26日に新校舎が落成しました。


 昭和22年、借りた小学校の教室から始まった恩方中学校。新校舎、特別教室、プール、体育館、そして再び新しい校舎へ――。地域と学校の発展に合わせるように、学びの環境も少しずつ充実していきました。


 この5年間を振り返ると、恩方中学校の歴史と八王子市の歴史が決して別々のものではなかったことが見えてきます。人口が増え、大学が集まり、道路や住宅が整備され、姉妹都市交流が始まっていく八王子。その中で恩方中学校も施設を充実させ、新しい教育を研究しながら成長していきました。


 そして昭和48年に始まった八王子と苫小牧とのつながりは、半世紀以上を経た現在、恩方中学校の生徒たちの交流にもつながっています。


 学校の歴史は、地域の歴史とともにある。


 昭和40年代後半の歩みは、そのことを改めて私たちに教えてくれます。


地域とともに、80年。光り続ける恩方へ。