9月14日 全校朝会「世界地図が変わる?」
- 公開日
- 2026/09/17
- 更新日
- 2026/09/17
校長室より
みなさんおはようございます。すっかり涼しい毎日になりました。このまま秋に突入してくれるといいのですが、そうもいかないかもしれません。外遊びをするときは、必ず帽子をかぶりましょう。
さて、今朝は地図のお話です。これは何だかわかりますか?そう、世界地図ですね。メルカトル図法という方法によって描かれた世界の地図です。それではこちらの地図は?同じ世界地図ですが、いつもの見慣れたものとは少し違いますね。この二つを見比べて、何か気付くことありますか?隣近所で相談してください。そう、特にこの黄色で示しているグリーンランドの大きさを見比べるとよく分かるのですが、メルカトル図法の地図は、グリーンランドが大きい。はっきり言ってアフリカ大陸と同じくらいの大きさですね。ところが、実際のアフリカ大陸の広さはグリーンランドの14倍と言われています。
ここで、世界地図の成り立ちについて少し調べてみましょう。みんなよく知っているように、この地球はボールのような「球形」をしています。しかし地図に表すためには、立体を平面に置き換えなくてはなりません。ミカンの皮むきを想像するとよく分かりますね。球形のものを平らにするとお星さまのような形になります。でも、これでは地図の一番の目的、国々の位置関係や距離、方角が分かりにくいですね。海は途中で切れてしまうし。そこで昔々、今から400年以上前のメルカトールという学者は、船の航海に使える平面の世界地図として、地球を縦横の格子の線で区切り、それを平行する線に引き伸ばした地図を考え出したのです。これはとても便利でした。実際にはAからBまでの最短距離は直線ではなく、曲線になるのですが、国々の位置関係が一目でわかった。そこでこのメルカトールさんが考えた地図は世界中で定着します。ところが、この地図には問題があったのです。地球をベルトのように二つに分ける赤道から離れれば離れるほど、地図が実際の大きさよりも引き伸ばされてしまうのです。だから、このように、北極の近くや南極の近くは、巨大な大陸がいくつも並ぶことになってしまうのです。船で航海するときには、このような寒い場所にはあまり行かないので問題はなかったのですが、今は車も飛行機も、ロケットもある時代。地球が丸いことはみんな知っています。さて、皆さんも考えてみてください。世の中にこのメルカトル図法の世界地図しかなかったら、どんなことが、どんな不公平が生まれますか?・・・うん、赤道近くの国々は、みんな他よりもずっと小さい、と思われてしまうのです。実際の大きさとは関係なく。それから、地図には上下もありますが、何だかしたよりも上にある方が偉く感じてしまう。実際には丸い地球なのだから上も下もないはずなのに、この地図でそう思わせてしまう、ということが起きるのです。丸い地球はどこも平等、それなのに地図によってあたかもえらい国とそうでない国のような印象をもたれてしまうのはおかしい、ということで、この9月4日、国連総会という世界中の国々の代表が集う会議の場で、これまで広く使われてきた「メルカトル図法」ではなく、新しく2018年に開発された「イコールアース図法」(地球は平等図法)による世界地図を使っていこう、という決議案が世界164か国の賛成を得て決まったのです。
このように、当たり前だと思っていたことも、ちょっと見方や立場を変えると、まったく意味が変わってしまう、ということが世の中にはたくさんあります。ぜひ、みなさんも「当たり前」を疑い、いろんな人の立場に立って物事を考えられるようになってください。教室の友達との会話でも、いろんな気づきがあるはずです。