9月8日 全校朝会 講話
- 公開日
- 2025/09/08
- 更新日
- 2025/09/08
校長室より
みなさん、おはようございます。今朝は、自然についての話を二つ、お話します。
まずは一つ目。校長先生は先週の木曜日と金曜日、5年生と一緒に静岡県の清水区、というところに移動教室に行ってきました。多くの人が知っているように、先週末は台風15号が九州から本州に沿うように東に進み、日本中に大雨を振らせました。この移動教室に向けて、1学期から準備を重ねてきた5年生は、海での活動を含め、1日目は予定をすべて行うことができたのですが、二日目は台風が接近する中、大雨や霧が立ち込め、いくつか予定を中止せざるを得ませんでした。今回滞在していた静岡県では、台風の影響で竜巻も発生し大きな被害が出てしまいました。被害に遭われた方の一日も早い復興をお祈りします。そして改めて、自然の力の凄さを感じました。5年生の移動教室は、台風の動きを確認しながら、早めに行動することで何とか安全に学校まで戻ってくることができたのですが、その裏には、6年生が送ってくれたテルテル坊主のご利益があったに違いありません。お陰で安全に楽しい学習をしてくることができました。6年生の皆さん、本当にありがとう。
さて、台風の被害は恐ろしい。洪水や高波、農作物への影響も多く報告されています。しかし、一方で台風には自然界にとって良い面もあるのだそうです。何だかわかりますか?一つ目は、雨が降って夏の水不足を解消してくれる、ということですね。それから二つ目、これは意外なことですが、台風が大風を吹かせて暴れまわることで、海の水がかき回されて、深いところの冷たい水が上がってきて、生き物たちの生活環境を良くしたり、地球の温暖化を緩めたりする、という効果もあるのだそうです。校長先生も初めて知りました。
次の自然のお話は、宇宙についてです。昨日、大きな満月を見た人いますか?そして、夜中まで起きて、珍しい天体ショーを見た人もいるのではないでしょうか。実は、今朝早く、9月8日の早朝には皆既月食(かいきげっしょく)があったのです。夜空に浮かぶとっても明るくて、まんまるな月。それが今日の早朝、少しずつ暗くなって、赤っぽい色に変わったんです。これを「皆既月食」といいます。どうしてそんなことが起きるのか?これは、太陽、地球、月がちょうど一直線に並んだ時、地球の影が月にうつり、地球が太陽の光をさえぎってしまうために月に光が当たらなくなるんです。これが「月食(げっしょく)」。中でも月が全部、地球の影に入る現象のことを「皆既月食」と呼びます。今回の皆既月食は3年ぶりに日本で見ることができたという、珍しい現象です。太陽と、地球と、月が丁度一直線に並ぶ、ということはなかなか起きないんですね。でも…なんで赤く見えるのでしょうか?陰になったら真っ暗に消えてしまいそうなのに。これは、太陽の光のうち、赤っぽい光だけが地球の大気を通りぬけて月に届くからなのです。つまり、地球の“影”の中で、地球の“空気”を通った光が月を照らしている。私たちの地球の空気が、月を赤くしていたんです。でも、そんなことを知らなかった昔の人は、月が赤くなるなんて、何か恐ろしいことが起きるに違いない、不吉だ、と怖がって記録にも残していたそうです。1000年以上前の書物にも記録が残っています。科学を追求すること、自然の原理を知ることは、大切なんですね。その意味では、「かいきげっしょく」とは、あんな難しい字よりも、月が赤い怪しい色に変わる「怪奇月色」の方がぴったり来ていると思いました。今回の月食は真夜中の現象だったので、なかなか観察するのは大変です。数年に一度、天気の良い条件が重なると、こうして観察することができます。今回見られなかった人も、ぜひ次回(来年の3月3日)、チャレンジしてください。校長先生がスマートフォンで撮影した画像、見てください。それから、プロのカメラマンが撮影した画像。すごい迫力ですね。今回見られなかった人、今日も月を見てください。今夜も満月に近い月が出ますが、その月のすぐ近くに輝く星があります。それは、あの輪っかのある星「土星」なんですよ。望遠鏡があったら、輪っかも見えるそうです。
台風がやってくることも、月が欠けたり、赤くなったりすることも、この地球の内側や周辺で起きている、自然のふしぎです。こうしたことをきっかけに、「どうしてだろう?」「なんでだろう?」って思ったことを、ぜひ調べてみてください。何か発見したら、校長先生にも教えてください。今朝は「自然の不思議」に関する二つのお話をしました。今週も暑いですが、夏もあと少し?元気に乗り切っていきましょう。