8月6日(木)子どものスマホを「子どもだけの問題」にしない(夏休みの保護者のTODO)
- 公開日
- 2026/08/06
- 更新日
- 2026/08/06
学校長より
スマートフォンは、とても便利な道具です。一方で、動画、ゲーム、SNS、メッセージなど、子どもが長い時間使いたくなるものが一台の中に集まっています。
だからこそ、小学生に「自分で気を付けて使いなさい」と任せるだけではなく、自分で管理できるようになるまで、大人が一緒に関わっていくことが大切だと考えます。
今、こうした考え方は世界的にも広がっています。オーストラリアでは16歳未満のSNS利用に年齢制限が導入され、日本でも政府の有識者会議で、子どものSNS利用について「一律の年齢制限」を今後の検討課題とする方向が報じられています。
もしかすると今の子どもたちの世代は、後々「SNS制限が足りなかった世代」と呼ばれるのかもしれません。
年齢制限を設ければすべて解決するわけではありません。しかし、こうした動きの背景には、成長途中にある子どもに、スマホやSNSの管理をすべて任せることの難しさがあります。
こども家庭庁の令和7年度調査でも、子どもがスマートフォンを利用している保護者の85.8%が、何らかの方法で子どものネット利用を管理していると回答しています。
具体的には、フィルタリングを利用する、年齢に合ったアプリやサービスを使わせる、利用してよい時間や場所を決める、といった取組です。
つまり、子どもにスマホを持たせることと、管理まで子どもだけに任せることは別の話です。
学校では、ネット上のトラブルや個人情報、SNSの使い方などについて指導することができます。
しかし、
「夜、何時まで使っているのか」
「寝室に持ち込んでいるのか」
「どんなアプリを使っているのか」
「誰とつながっているのか」
「課金できる状態になっていないか」
といった日常の使用状況までは、学校で管理することはできません。
ここには、学校と家庭それぞれの役割があります。
学校は「使い方を教える」「保護者に情報提供をする」。
家庭は「使う環境をつくる」。
そこで、ぜひ一度、ご家庭で次の5つをお子さんと確認してみてください。
① 時間 何時まで使う?
② 場所 寝室には持ち込む?
③ 相手 知らない人とつながってよい?
④ お金 アプリの購入や課金はどうする?
⑤ 相談 困ったことが起きたら誰に相談する?
そして、定期的に「親子スマホ点検日」をつくってみてください。
問題が起きてから「スマホを見せなさい」と確認するのではなく、何も起きていない時から、「最近どう?」「困っていることはない?」と一緒に確認する習慣をつくるのです。
ただし、目指したいのは、大人がずっと管理し続けることではありません。
小学生のうちは大人が関わりながら、子どもの成長に応じて本人に任せる部分を少しずつ増やしていく。そして、やがて保護者の手を離れた時に、
「自分で自分のスマホの使い方を決められる人」に育てる。
これが最終的な目標です。
「青少年インターネット環境整備法」でも、保護者には、子どものインターネット利用状況を適切に把握し、フィルタリングなどを利用するとともに、子どもがインターネットを適切に活用する力を身に付けられるよう努めることが求められています。
禁止するだけでも、子どもに任せきるのでもありません。
子どもが自分で管理できるようになるために、今、大人が関わる。
スマホを持たせることは、管理まで子どもに任せることではありません。
「持たせてから」が、保護者の大切な役割の始まりです。
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【根拠・参考資料】
○ こども家庭庁「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」
子どもがスマートフォンを利用する青少年の保護者の85.8%が、何らかの方法でネット利用を管理。主な取組は「フィルタリング」49.2%、「年齢に合ったサービスやアプリ」42.1%、「利用してよい時間や場所を決める」38.4%など。
○ 「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(青少年インターネット環境整備法)
保護者にも、子どものインターネット利用状況を適切に把握し、安全な利用環境を整えることなどが求められています。
○ こども家庭庁「青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画(第6次)」
子ども自身の力を育てるとともに、保護者、学校、事業者、地域などが連携して安全な利用環境をつくることを重視しています。
○ 読売新聞オンライン「子どものSNS保護策、『一律の年齢制限』議論へ…有識者会議の中間報告に盛り込む方針」
日本でも、子どものSNS利用について年齢制限を含む保護策を検討していく動きが報じられています。
○ 参考記事:ダイヤモンド・オンライン「中高生のほとんどが『スマホ見すぎて後悔』。夏休みに実践したい『本当に効いたスマホ対策』とは?」
本人の意志だけに頼るのではなく、スマホを使う環境そのものを工夫するという視点を考える参考資料。
○ オーストラリア政府・eSafety Commissioner
16歳未満の子どもについて、対象となるSNSサービスのアカウント保有を制限する制度を実施。