学校日記

5月14日(木)変数にフォーカスできる子に【自分の課題(変数)と相手の課題(定数)】

公開日
2026/05/14
更新日
2026/05/01

学校長より

育児書や教育書、経営書などの土台として扱われることが多い「アドラー心理学」では、「課題の分離」という考え方が大切にされています。これは、「その出来事の結果を最終的に引き受けるのは誰か」という視点で、どこまでが自分の課題で、どこからが相手の課題かを見極めるものです。


分かりやすい基準は、「自分でコントロールできるかどうか」です。自分の課題とは、自分の行動や選択など、自分で変えることができるもの。一方、相手の課題とは、相手の気持ちや評価、行動のように、自分では変えられないものです。言い換えると、自分の課題は状況に応じて変えられる「変数」、相手の課題は自分の意思では動かせない「定数」と捉えることができます。変数に力を注ぐことで現実は前に進みますが、定数を無理に動かそうとすると、苦しさや対立が生まれやすくなります。


例えば、子どもが宿題をやるかどうかは、最終的に困るのは子ども自身であり、行動を決めるのも子どもです。したがって「宿題をやる・やらない」は子どもの課題です。保護者は学習環境を整えたり声をかけたりすることはできますが、「やらせる」ことまで背負うと、本来子どもが担うべき課題に踏み込むことになります。


具体的には、次のように整理できます。

・宿題をするかどうか

 → 子どもの課題(自分で行動を変えられる=変数)/環境づくりは保護者の課題


・テストの結果

 → 点数は子どもの課題(努力の積み重ね)/学習機会の提供は保護者の課題


・友達にどう思われるか

 → どう関わるかは子どもの課題/相手の気持ちは相手の課題(変えられない=定数)


・朝きちんと起きるか

 → 起きるのは子どもの課題(行動の選択)/生活リズムの支援は保護者の課題


・習い事を続けるかやめるか

 → 最終的な選択は子どもの課題(意思決定)/助言や情報提供は保護者の課題


もちろん、これは突き放すということではありません。「困ったときは一緒に考えるよ」と寄り添いながらも、「最終的に決めるのはあなた」という線引きを大切にすることが重要です。自分が変えられることに力を注ぐ姿勢が、子どもの自立や主体性を育て、よりよい人間関係にもつながっていきます。


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