3月19日(木)小中学校の存在意義(令和8年度の学校経営の根幹となる考えについて)
- 公開日
- 2026/03/19
- 更新日
- 2026/03/18
学校長より
子ども一人一人を「船」に例えると、家庭は安心して戻り、整えることのできる「港」や「ドック」のような存在です。そして、小学校・中学校は、波の穏やかな「内海(湾内)」にあたります。ここで子どもたちは、外海に出る前に必要な力を、段階的に身に付けていきます。本校では、この「内海としての学校」の役割を、令和8年度の学校経営の根幹として位置付けてまいります。
義務教育段階で最も大切にしたいのは、「自分の船を自分で整え、進めていく力」を育てることです。日々の生活の中で、「疲れている」「少し不安だ」といった自分の心身の状態に気付き、無理をしすぎないように調整したり、必要に応じて周囲に助けを求めたりする力は、これからの社会を生きる上で不可欠です。学校では、学習面だけでなく、こうした自己調整の力を、発達段階に応じて丁寧に育んでいきます。
また、学校は小さな社会です。しかし、その限られた人間関係の中で、必ずしも気の合う友達が見付かるとは限りません。本校では、「誰とでも仲良くすること」を一律に求めるのではなく、「仲間の中で適切な距離感を学ぶこと」を重視します。気の合う友達と関わることも、一人で過ごす時間を選ぶことも、いずれも子どもにとって大切な学びです。多様な人との関わりの中で、自分にとって心地よい距離感を見いだしていく経験を支えていきます。
その一方で、同じ学級で学ぶ「仲間」として、共有すべき大切な目標があります。それは、「いつでもどこでも誰とでも、適切な距離感で協力できる人になること」です。価値観や考え方の違いがあっても、相手を尊重しながら共に学び、活動する力がなければ、集団の中で安心して過ごすことはできません。学習活動や係活動、行事等を通して、この力を着実に育てていきます。
家庭という港で十分に休み、整えられた船は、安心して内海を進むことができます。そして内海での経験の積み重ねが、やがて外海へと出ていく力につながります。子どもたちが自分らしく航海していけるよう、学校と家庭がそれぞれの役割を果たしながら、共に子どもを支えていくことが何より重要です。
令和8年度、本校は「内海としての学校」の役割を明確にし、子ども一人一人が安心して挑戦し、失敗から学び、少しずつ自立へと向かうことのできる環境づくりを進めてまいります。保護者の皆様と歩調を合わせながら、子どもたちの確かな成長を支えていきたいと考えております。