夏のプール

 5年生が姫木平から帰ってきたその翌日(23日)から、夏のプールが始まった。今年から、地域班ではなく学年ごとに行われる。子ども達は大丈夫だろうか?
 いざ始まってみると、さっきの心配が杞憂だったことに気がつく。子どもlたちの順応力には舌を巻く。
 驚いたのは5年生。昨日まで姫木平で疲れているだろうに、男女合わせて15名ほどが参加していた。聞いてみると、「別に(疲れてないよ、平気だよ)」とあっさり一言。若さがうらやましい。
 ところで、写真は、プール後に学童に向かう子達が集まっているところです。いつもこの体育館横に集合するとのこと。自分達で並んで学童へ帰っていくのだけど、一番年上の三年生がリーダーシップを取っている。お兄さん、お姉さんだという自覚があることがすごく嬉しい。
                                  副校長
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終業式

 もう夏休みに入っているのに「終業式」というのもおかしなことですが、まだ紹介していませんでしたので遅ればせながらアップいたします。

 7月20日(火)ついにこの日を迎えました。1学期最後の日「終業式」です。子ども達は、待ちわびていたのではないでしょうか。
 体育館に全員が集合して、式が始まりました。
 校長先生から今学期のことを総括していただき、最後にいつものように「夏休みの宿題」が出されました。
  1.本を毎日読んでください
  2.外で元気よく遊んで、体を鍛えてください。
  3.家のお手伝いをしてください。
  4.怪我に注意し、事故や事件にあわないようにしてください。
 学校ではできない体験をいっぱいして、楽しい思い出をたくさん作り、9月の始業式には元気で戻ってきてください。
 この校長先生のお話の後、2年の代表児童が作文を読んでくれました。自分の考えや想いが詰まったよい作文でした。
 最後は、生活指導の先生方が、人形劇で生活指導を行い「終業式」を終えました。
 本当によい夏休みを!
                               副校長

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校長語録

校長語録
1学期の終わりと夏休み(終業式での話から)

                            校長
 おはようございます。
 この間の7月はじめの朝会で、校長先生がもう直ぐ1学期が終わ
ります。終業式まで、しっかりと自分のめあてに向かってがんばっ
てくださいって話しました。そしたら、もう今日はその終業式です。
あっという間ですね。
 梅雨が明けて、今は猛暑続きの真夏も真夏です。ニュースを観て
いると、各地で集中豪雨によるいろいろな被害が出ていました。
水の事故も次々に起きています。小さい子供から、小学生、中学生
高校生、そして大人たちが、水の事故で命を落としています。とて
も悲しいことですね。みんなも十分に気をつけてください。
 それにしても、この暑さは一体どうしたことでしょうか。なんだ
か、とんでもない気候になってきているような気がしますね。私た
ちの地球は、どうなっていくのでしょうか。心配ですね。
 さて、明日から長い夏休みに入ります。いつものように、担任の
先生からみんなの「あゆみ」を見せてもらいました。良くがんばっ
た人、少し頑張りが足りなかった人、いろいろでした。
 先生は、この「あゆみ」を見る時に、前の学年の時と少し比べて
みました。そしたら、前の学年の時にはすこし「がんばりが足りな
かった人が、新しい学年になってすごくがんばっていることがわか
りました。そんな人がたくさんいました。すごいことです。とても
感心しました。
 その人たちは、きっと「毎日、少しずつ、続けて、最後まで、目
当てをもって。」をやりきった人たちすね。すばらしいです。
 担任の先生たちは、みんなの「がんばりや良いところ」一つ一つ
丁寧にみつけて「あゆみ」を作りました。その「あゆみ」をお家の
人としっかり読んで、2学期の目当てを立ててくださいね。
 最後に、校長先生からいつものように夏休みの宿題です。
「本を毎日読んでください」。
 ゲームは毎日しなくていいですから、本は毎日読んでください。
「家にこもってないで、外で元気に体を鍛えてください」。
「お家のお手伝いをしてください」。
「事故と事件に合わないようにしてください」。
 学校ではできない活動、体験をいっぱいして、楽しい思い出をた
 くさん作り、いい夏休みにして、9月の始業式には元気に戻って
 きてください。
 
 以上、校長先生のお話を終わります。

授業寸景 No39

授業寸景 No39

                  某月某日 第2校時 国語

 中休みに外で元気に遊んできたのだろう、子どもたちの顔が上気
して赤い。髪の毛に汗が光っている。
 さて、授業開始。開始三分で、23人。まだ教室に戻っていない
子が3人ほど。少し遅れて戻ってきた。
 板書の用意はすでにできている。
「○月○日 第三段落」          」
 日直の合図ではじめの挨拶。はーい、と元気よく返事をするのだ
が、その返事がすごく素直な感じがした。
 教科書、48ページ、「めだか」(説明文)。段落読みから入る。
 指名、音読、席順読み。「歌」の部分は全員合唱。これはおもし
ろい。きれいな声で「めだか」の合唱する。その後順に読んでいく
のだが、みんなしっかり読んでいる。第3段落から第7段落までを
読むと、次は2回目の読みに入る。音読を次から次へと繰り返す。
うーん、なるほど。はじめからこんなに読むか、読ませるか。暑さ
にも負けずにね。
 第3段落に戻って、いよいよ文章の読み取りである。第3段落を
視写する。「正確に教科書通りに書きなさい。書き終えたら読んで
もらいます」。また、ここでも音読だ。  
 指導者は、読む人を指名する。まだ視写しているもの、少し。そ
の、視写している間に音読(読みの練習)を同時並行させていくと
いうわけである。こういった場合、全員が視写を終わるまで待つと
いう方法が一般的でもあるが、この指導者は、視写と音読を同時並
行的に進めている。これも一つの学習指導方法であるが、これは子
どもたちの十分な力と指導者の豊かな指導経験なしにできるもので
はない。
 最後の一人が視写を終えるまで音読は続く。さすがに視写を早く
終える子どもたちは、音読もまた見事である。はっきりした声、言
葉、読みのスピード、抑揚、リズム、大変上手に読む。聞いている
だけで内容がはっきりわかる。視写、全員終了。
 ここからまた、全員が音読に集中する。
「では、めだかはそのようなてきから、どのようにして身をまもっ
ているのでしょうか」。
 いよいよ文章に即して読み取りを始める。板書。「第一に」、「
第二に」、「第三に」、「第四に」と、はじめの言葉を書く。この
はじめの言葉が読み取りのヒントになる。
「第一に」のところで、読み取った内容を子どもに発表させ、それ
を短くまとめさせて、板書。そのようにして「第一に」と「第二に」
を読み取ったところで、また音読。
 それから、「第三に」を読み取り、発表させて板書。そして、ま
た、音読。
 さらに「第四に」。音読、読み取り、発表、まとめ、板書、音読、
読み取り、発表、まとめ、板書、音読・・・。
 見事な授業の流れである。音読は、指名読み、グループ読み、全
員読み。音読を何処までも基本としてこの授業を組み立て、子ども
たちとともに内容を読み取っていくのである。  
 学習内容とその経過が板書に見事に現れている。板書が指導者と
子どもたちの手で作られていくよい見本である。途中で「いっせい」
という言葉が出てきたので、その意味を子どもたちに予想させ、そ
れぞれ辞典で調べさせた。このあたりの指導のタイミングも秀逸。
 この授業が音読を基本としつつ極めて立体的なものであることに
大いに感心した。

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授業寸景 No38

授業寸景 No38

                  某月某日 第2校時 国語

 体育の後で、みんな汗いっぱいという感じ、ほっぺたが赤い。楽
しそうに着替えている。教室の後ろの棚には、子どもたちの育てて
いる蚕が繭をいっぱい作っている。
 この繭を解いて糸を紡ぐのかな。そんな授業ができたらいいねえ。
織物授業なんて、面白そうだけど。さて、着替えが終わった。
 指導者の指示で子どもたちは自分のロッカーから辞典を取り出して
席に着き、授業開始の挨拶を待つ。このあたりの子どもの動き方に無
駄がない。指導者が静かな声で指示するだけなのだが、子どもたちは
粛々と動く。
 この指導者は、常に落ち着いていて、声高に指示をするわけでもな
い、説明するのでもない、静かな声と物言いで子どもたちを動かすの
だ。その指導にいつも感心させられる。
 一人一人の子どもをしっかりみているのにそれを少しも感じさせず
全体を動かし、全体を動かしながら、個々の動きをしっかり自己の視
野に入れている。指導に全く力みがなく、その指導力の高さを評価さ
れるのも当然である。
 体育で体をいっぱい動かして直ぐの国語の授業であるから、落ち着
くのに時間が少しかかるかなと思っていたが、そうではなかった。日
直の「はじめ」の挨拶で、乾いた砂に水が染み込むように静かになっ
た。見事です。
「ノートを開いてください」。「五十音」と板書。「この言葉、聞い
たことある人は? ない人は?」。 もちろんない人もいる。このと
き指導者は、「知らないことを知らないという事は、とても大切なこ
とです。」と一言。知らなかった子どもにこれ以上の励ましはない。
このようなところにも、この指導者の子どもに対する基本姿勢が現れ
ている。
 模造紙に書いた「あ・い・う・え・お」表を貼る。「あ・い・う・
え・お」が一番上に、横一列に書かれている。その下に「か・き・く
・け・こ」、「さ・し・す・せ・そ」、「た・ち・つ・て・と」、と
書き込んでいく。
 子どもたちは、それに習い自分のノートに同じように書き込んでい
く。こうして「あ・い・う・え・お」表ができた。
 この時も子どもたちの集中力はすばらしく、実に静かにノートに向
かっていた。表に書かれた字を見る、全部で50マス、つまり五十音
である。これで子どもたちは五十音表を自分の指で書く(知る)こと
ができた。
「えんぴつをおきなさい」。「あお、あか」と板書する。「辞典には、
どちらが先に出ていると思いますか」。あおです、あかです。「あお
だと思う人? あかだと思う人? あおだと思う人、理由は? あか
だと思う人、理由は?」。 それぞれ指名されて子どもたちが答える。
 その答えに指導者がさらにわかり易く補足すると、「ああ、なるほ
ど」と子どもたちの間から声が上がる。あいうえお表をたてに読んだ
子と、横に読んだ子で答えが別れたのだった。
「では、自分の辞典で調べてください」。
 問題を出す、答えを予想させる、理由を説明させる、調べさせる、
確認させる、みんなで検討させる、新しい知識を獲得させる、これは
学習の過程的構造をきちんと踏まえた授業である。
 以下、同じようにして、「さるとざる」、「バスとパス」、「がっ
しょうとがっしゅく」、「りゆうとりゅう」、「ほすとホース」。
 次々と興味をもって課題に立ち向かう子どもたち、この指導者の周
到に準備された課題の呈示で、新しい知識を次々と発見していく。
 この時の指導者と子どもたちの間には、見事な呼応の関係があった。
指導すべき学習内容は全て指導者の頭中にあり、子どもの呼ぶ声に応
じて提示されていた。指導者が呼び、子どもが応え、子どもが呼び、
指導者が応える。
 静かであるが、しかし教えるものと学ぶものとのあいだに「学習へ
の緊張感と新しい知識(経験)を得る喜び」の十分に感じられる授業
であった。



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7月16日

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今日の給食は、ミルクパン、とりのからあげ、スパソティー、こふきいも、冷凍みかん、飲み物セレクトです。一学期の給食にご協力をいただきありがとうございました。
バランスよい食事をこころがけ、元気に夏休みを過ごしてください。二学期の給食は、9月2日よりはじまります。

授業寸景 No37

授業寸景 No37
                  某月某日 第2校時 国語

 第1校時は、バケツ稲の世話。それで少しざわついているようだ
が、さすが高学年である。「はじめます」の挨拶で、ぴたりと静か
になる。
「この前の時間の学習内容を確認してみましょう」。「和語、漢語、
外来語」と板書。
「ノートを開きなさい。和語とはどういう言葉ですか?」「漢語と
は、どういう言葉ですか?」「外来語とは、どういう言葉ですか?」
と指導者が矢継ぎ早に問う。
 指名された子どもたちは短く、正確に答えていく。指導者から何
かを問われたとき、挙手して応えようとする子が少ないのは高学年
の傾向である。
 子どもたちの答えを改めてまとめ、和語、漢語、外来語について
再度確認、説明する。
「教科書45ページを見なさい。外来語の例が載っています。みん
なで読んでみましょう」。
「英語」から、カード、テーブル、ハンカチ。ふん、ふん、なるほ
どこれは日常系。「フランス語」から、パレット、デッサン、バレ
エ。さすが芸術系。「ドイツ語から」、ビタミン、ガーゼ、ホルモ
ン。やっぱり医学系かな。「中国語」から、ギョーザ、シューマイ、
チャーハン、いわずと知れた食べ物系だ。「イタリア語」から、ピ
アノ、マカロニ、クラリネット、オペラ音楽系ね。「ポルトガル語」
から、パン、カステラ、ボタン。これは、うーんと、何系かな。
「さあ、班(4人1組)になって。これから、自分たちで調べてき
た外来語をプリントに書き込んでもらいます」。
 ここで指導者は、全員にプリントを配布する。このプリントは、
子どもたちが調べてきた言葉を記入するために教科書を拡大印刷し
たものである。「班毎に発表者を決めておきなさい。あとで、発表
してもらいます。質問は?」。なし。「時間は、10分間です」。
 一人一人が外来語辞典などを使って、調べてきた言葉を次々にプ
リントに書き込んでいく。はじめに国を特定し、その国から来た言
葉を班で話し合いながら整理して書き込むのである。さすが高学年
だ。指導者の短い指示で、後はどんどん自分たちで学習を進めてい
く。
 自学自習のできる子を育てる、それが私たちの目標でもあるだが、
この学年ですでにできつつある。地図を片手にその言葉の由来国(
出自)を探し、特定し、見つけて色を塗る。これらの作業が4人一
組で、なんら特別の指示(追加)なしでできる。立派なものだ。
 時間が来た。「やめェーい、鉛筆置いて。それでは、確認・発表
していきましょう」。
 まずは、「英語」から、「フランス語」から、「ドイツ語」から、
「中国語」からはラーメン、ワンタン。意外に少ない、何故か。「
漢字、漢語、熟語、日本語の中に入り込んでしまっているからね。」
と指導者。
 以下、延々と発表が続く。「イタリア語」から、「ポルトガル語」
から、「ヘブライ語」から、「オランダ語」から、「スペイン語」
から、「ロシア語」から、「サンスクリット語」から。
 まったくいろいろあるなあ、それにしてもよく調べてきたもので
ある。
 頃合を見計らって「机を元に戻して」と指導者、最後のまとめで
ある。「今日の勉強で、思ったこと、考えたこと、気がついたこと、
何でもいいですからノートに書いて、後で提出してください」。
 本時間の授業は、こうして終わったのでした。
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授業寸景 No36

授業寸景 No36
                  某月某日 第1校時 国語

 教室はよく整理整頓されている。教室後ろの掲示板も子どもたち
の「あさがお」の観察記録などが整然と貼られている。このあたり、
指導者の性格などがよく反映されるところである。
 さて、オルガンの伴奏入りの「はじめまーす」(全員が唱和)で、
授業開始。
「国語の教科書を開きなさい。鉛筆をだしなさい」。
 指導者が「がぎぐげごのうた」と板書。「教科書の『の、う、た』
の字の横に○をつけなさい」。
 何をするのだろうかと思い子どもの様子をのぞいて見ると、「が、
ぎ、ぐ、げ、ご」のそれぞれの文字の横に小さな○が書かれ、その
中が赤で塗られている。これは、一体、なんだろうか。
「黒板のほうを見てください。先生と一緒に読みましょう」。
 指示が簡潔で、子どもたちがスッスッと動く。指導者が一行読む、
子どもたちがその後に続いて繰り返す。目を瞑って声を出している
子などもいたりする。もうすでにこの文章を覚えているのかもしれ
ない。1年生らしく元気に声を出している。「いいねえ」、と指導
者がほめる。指導者の声は大きくて、はっきりしていて、わかりや
すい。
 このようにして、一行ずつ読んでいく。最後まで読み終わると、
指導者は、「の」の字の横の○を「赤鉛筆で塗りましょう」と指示。
 なるほど、そういうことか。音読をするたびに○に赤い色を塗っ
ていくというわけだ。すると、これまで5回以上はこの文章を全員
で音読しているということになる。
「次は教科書をもって読みます。読める人は、教科書を見なくても、
薄目を開けて読んでもいいです」。
 指導者の後に続いて、子どもたちが再び読んでいく。教科書を見
ないで読んでいる子がほとんどである。そして、「う」の字の横の
○に赤色を塗る。
 最後は自由読み。スピード、声の大きさ、なんでも自由、それで
読む。子どもたちが読み始めると、指導者は子どもたちの周りをゆ
っくりと回る。子どもたちの音読を一人ひとりチェックしているの
だ。
 読み終わるとまた○に赤色を塗る。こうして音読を繰り返す。
 音読の最後は、36ページの「けむりのきしゃ」。姿勢を正して、
先生の後に続いて読む。それから、男の子と女の子に分かれてそれ
ぞれが交互に読む。指導者がその読みをほめると、そのたびに子ど
もたちの読む声に力(リキ)が入ってくる。
 この後は、ひらがなの練習。今日は「の」の字。黒板に指導用の
「マス目小黒板」を貼る。全員で「の」の字の空書きする。あわせ
てすでに習った「め」「あ」も練習する。
 繰り返して何度も練習するのは、「定着への基本」である。ここ
でプリント配布、「の」の字を8マス練習する。最後に「の」の字
とよく似た「ぬ」の字の練習もして、オルガン伴奏入りの「おわり
まーす」。
 指導者のリードで子どもたちは元気よく学習する。指示をよく聞
き、集中して学習していた。だからこそ、子ども同士での学びあい
の学習活動がもう少しほしいところだったな。 
 
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7月15日

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今日の給食は、ごはん、ふりかけ、いかのかんこくいため、野菜のにもの、さくらんぼ、牛乳です。野菜の煮物には、にんじん、ごぼう、じゃがいも、こんにゃく、いんげん、とりにくがはいっています。ふりかけは、小魚、ごま、アーモンドに味付けをしたものです。残さず食べてくれる献立です。

授業寸景 No35

授業寸景 No35
                  某月某日 第3校時 図工

 私が、図工室に行ったときは、すでにグループに分かれて棒を半
分に切る作業に入っていた。
 ギコギコギコとノコギリをうまく使い、棒を切る。万力やクラン
プ(とかいうやつ)で棒をぎりぎりと挟み、固定してノコギリで切
るのだが、見ていても危なっかしいところがない。よほど事前の指
導が行き届いているのだろう。一人しゃがみこむようにしてノコギ
リを使っていたが、即座に「座って切らないように、立って切るこ
と。」と指導が入った。指導者は、よく子どもたちの動きを見てい
る。
 物差しで棒の半分のところに印をつけている子、切った木片にヤ
スリをかけてつるつるにしている子、さて、これから何を作るのだ
ろうか。
「何を作るの?」と聞いたら、「さあ」と応える子どもたち。えっ、
子どもたちも知らんのか。えらいミステリアスな図工だねえ。
 大体の班が棒を切れたころ、指導者がそれぞれ席に着くよう指示
をだした。それに従って直ぐに席に着き集中する。
「今までは、先生の言ったとおりに切ってきましたが、これからは
自分の好きなように切ってください。例えば、こんなように(ここ
で見本を見せる。)」。
「自由に切ってどうするの?」と子どもたち。
「今から重大発表をします」。「切ったものをもとにして、自分の
好きなペットをつくるとか、なんでもオーケー、なんでもあり」。
 なんでもあり、か。すごいねえ。
 切った棒をもとに指導者がいくつか形を作ってみせる。なるほど、
そういうことだったか。納得。
 棒をもとにして、いろいろな木片をも使って、自分の好きな動物
の形にしたりするわけだ。おもしろそうだね。
「質問は?」、なし。「今日は『切る』ことに集中してね」と指導
者。
 自由に、と子どもに指示をすると、どうしていいのかわからなく
なるのが普通。
 しかし、この指導者はそういいながら、「たとえばこう」と見本
をしっかり示している。これで、「自由というものの方向」が子ど
もに理解できる。
 だから、子どもの頭の中が混乱しない。頭の中が混乱しなければ、
行動も混乱しない。これは自然なことだ。しかし、このことを忘れ
る指導者は少なくない。
「注意して欲しいこと」、「万力とクランプの使い方、ノコギリの
使い方」。「質問は?」、なし。わかりやすい指示である、質問の
出ようがない。
 さっそく作業にかかる。その様子を見ていると、子どもたちは「
ものつくり」がやっぱり好きなんだということがよくわかる。
 なによりも子どもたちの一人ひとりの表情が生き生きとしており、
友達と関わりあいながら楽しそうに作業(学習)をしている。おの
ずと自ずから学び合っているといっていい。
 ある子がノコギリを友達に渡すとき、刃のついた方を自分に向け、
柄を相手側にして渡していた。見事。
 周到なる準備と勘所をおさえた指示・指導、よい授業の条件であ
る。
 かくして一本の棒がいろんな形に切られていく。切り取った木片
たちを使ってさて、どんなものができるのだろうか。
 出来上がりが楽しみである。子どもたちの頭の中にはその出来上
がりの形が、すでにあるのだろうな。早くみたいね。

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授業寸景 No34

授業寸景 No34 
                  某月某日 第3校時 国語

 教室の後ろの掲示板には、運動会で踊るダンスの順序カードが張
られている。
 いつもながら整理整頓の行き届いたクラス経営である。
 日直が授業の始まりの挨拶をする。子どもたちはそれを静かに待
っている。指導者がさりげなくほめる。「静か」が、さらに静かに
なる。この落ち着いた雰囲気で学習が始まる。
「教科書をだしましょう。14ページ」。全員で音読。指で押さえ
ながら読む。「上手だねえ、上手だねえ。」と指導者はほめる。こ
うやってほめられると、読んでる子どもたちはとてもいい気持ちに
なるだろう。
「しりとり」と板書。しりとり、みんな、知ってるかな。知ってる、
知ってる。しりとり―りんご―ごはん、ダメ、んがつくとだめなん
だぞ。で、子どもたちは口々にやり取り、いや、しりとりを始める。
面白いねえ、適切にきっかけさえ与えてやれば、子どもたちは自分
たちでどんどん進めていく。
「それじゃ、つぎはお隣さんとやってみましょう。じゃんけんでス
タートしてね」。いよいよ楽しそうに、子どもたちは「しりとり」
をしながらことばを紡ぎだす。指導者は子どもたちの間を回りなが
ら、話しかけ、語りかけ、笑いかけて注意もし、共感する。
「はい、時間です。そこまでにしましょう。しりとりは、時間のあ
る時にお友達とやってみましょう。次は、ひらがなの勉強です」。
 ここで、プリントを配る。子どもたちは、それを受け取るとすぐ
に名前を書く。よく訓練されていることがわかる。
 配られたプリント類には、まずはじめに必ず自分の名前を書くこ
と、これは学習者としての基本中の基本の行いである。1年の段階
ですでにこれができているのはすばらしい。
 指導者、黒板右端上にひらがな用のマス目小黒板を貼る。黒板左
側にこれまで習ったひらがなのカードがすべて並べてある。「今日
勉強する字は『よ』です」。マス目小黒板に「よ」の字をゆっくり
書く。「『よ』のつくことばは?」。すかさず「よろこび」。「す
ごいねえ。」とまたほめる指導者。
「さあ、この『よ』と似ている字は?」。「はいっ」、ほとんどの
子が手を上げる。指名する。指名された子は前に出て、左側に並べ
てあるひらがなカードから一枚「ま」を選び、どこが似ているか説
明する。「『ま』ね、なるほど。よく見てるわねえ」と、またまた
ほめる。こどもたちの取り上げたカードは、「ま」のほかに「ほ」、
「は」、「け」、「さ」であった。
 次にこの「よ」の字の練習をする。まず指導者と一緒に、全員指
で空書きをする。指の動きで「よ」の字の書き方を覚えたところで、
鉛筆を持って自分のプリントに練習する。指導者はここで個別指導、
「ほめて、声かけ、教えて、注意して」。全員が書けたところで、
今度は、「よ」のつくことば集め。
 よる、ひよこ、ようふく、よこづな。全員でそれを読んで、プリ
ントに書き込む。続いて、それ以外のことばを発表させる。よいこ、
よんほん、よける、よつば、つよい、よん、よもぎ、よあけ、よっ
と。よくでてくるなあ。
 その後、プリントを持ってこさせて一人ひとりに大きな赤丸をつ
ける。うれしそうな子供たち。
 実に濃密な授業であった。

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授業寸景 No33

授業寸景 No33
                  某日某月 第4校時 国語

 授業はじめの挨拶をする。
 間髪をいれず、百人一首の暗誦である。お、百人一首か、懐かし
いね。
  秋の日の・・・、7人が立って暗誦した。
  春過ぎて・・・、8人。
  あしびきの・・・、6人。
  田子の浦に・・・、7人。
  奥山に・・・、15人。
 なかなかすばらしい。子どもたちはよく覚えている。とても感心
しました。
 次は、教科書20ページ、丸読み、班で。
 指導者は、てきぱきと指示を出す。この指示がすごく動的(ダイ
ナミック)で、見ているこちらもつられて頭と体が動いてしまうよ
うだ。
 子どもたちの読む声が、だんだんと大きくなり、揃ってくる。
 指導者は、「ベリーグー、ベリーグー、ベリーグー」を連発。そ
れを聞いて子どもたちがますますノってくる。(注 ベリーグーは、
ベリーグッドの意味です。念のため) 
 このあたりの子どもの動かし方は、見事なもの。場の状況を瞬時
に判断して、子どもの心理を揺さぶるような指示(ことば)をだす。
そこには「脅し、赦し、愛し、励まし、支え、助け、求め、責め、
笑い、のろけ、おどけ」なる技が繚乱しているかの如し。
 子どもたちとの間合いを常にはかり、どのような指導技(言)が
最も効果的か、子どもたちの間を浮遊しつつ考えているかのようで
ある。
 一般的にいって、指導者が日々の授業において「生地」を得るも
「死地」に陥るも、すべて子どもたちとの「間合い」次第であって、
この指導者は、授業の場における「間合い自在」のこの「境地」を
すでに得ているのだ。類まれなる指導者といえるだろう。 
 さて、文に即して、「ぼくのやったこと」に線を引かせる。
 子どもたちは集中して線を引く。そして指導者は線を引いたとこ
ろを次々に発表させていく。このテンポ、リズム、もたもた感がま
るでない。
 腰の痛み(この指導者の持病)を微塵も感じさせない授業での動
き、まったく隙がない。まるで武人そのものである。実にすばらし
い。
 そして、「全員起立」。ここで「ことば」を動作化させる。
 ことばを生きて働くものとするには、この動作化は、きわめて重
要な学習形態である。ピッチャーのポーズをある子に指名してやら
せてみる。「ろう石を投げる」という文章の動作化だ。
 指名された子は、なかなかかっこよく動作してみせる。期せずし
て子どもたちから拍手が。
 このようにして読み取りが進んでいく。この授業にはまったくダ
レたところがない。指導者が時間と空間を支配し、子どもたちがそ
こで頭と体を十全に働かせている。
 最後は、自分の気に入った文章を暗誦。女の子二人、すばらしい
暗誦だった。
 教えるものと学ぶものとの、見事な間合いを感じさせてくれる授
業であった。
 
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授業寸景 No32

授業寸景 No32
                  某月某日 第2校時 国語

「毎日の学習」の答えあわせ。
 元気でそれでいて静かに。終わると健康観察。
 指導者が一人ひとりの子どもの名を呼び、顔色・様子を見ながら
健康状態を確認する。名前を呼ばれると、ハイと元気に返事をする。
その返事を聞いてその子どもの様子を判断するのである。子どもの
健康観察は、教師の「大事な仕事」だ。
 運動会の練習の直後なのに、子どもたちは落ち着いている。気持
ちの切り替えがしっかりできているのだね。健康観察の後、日直が
「勉強をはじめます」と大きな声で挨拶。
 まずは、大型絵本の読み聞かせである。「999ひきのきょうだ
いのおひっこし」。
「はじまり、はじまり」。指導者が読み始めると、子どもたちの集
中力がさらに上がる。所々、子どもたちの「呟き」が聞こえ、話の
内容に没入しているのがわかる。なんといっても指導者の「読み」
がすばらしい。聞いているこちらも引き込まれていく。
 声が大きくなったりささやき声になったり、テンポ、リズムが内
容に応じて自在に変化する。さすが読書指導のスペシャリストであ
る。
 読み終わると、子どもたちの間から盛んな拍手。いいねえ。
 次は、「部首カルタを出しなさい」。なるほど、カルタをしなが
ら部首を覚えていくのか。
 まだれ   はい、はい、はい。
 にんべん  ハイ、ハイ、ハイ。  
 おんなへん ハイ、ハイ、はい、はい。
 このようにして、楽しみながら漢字の部首を覚えていく。2年生
では、このように学習内容をゲーム化して学習させると、子どもた
ちは楽しみながら覚え、また学習集中力を自然に高めていく。
 次に、「4点セット(本、ノート、鉛筆、下敷き)を出しなさい」。
 詩を暗誦する。「つくしだれのこ」を全員で暗誦。このとき、期
せずして子どもたちから手拍子が出た。面白い子どもたちだねえ。
指導者と子どもたちの関係がよくわかる。
「ひっこしてきたみさ」と書いたカードを黒板に貼る。B段落の6と
7。ここでは、様子を読み取ることが学習のねらい。
 基本通り、音読から入る。全員で読む、「北(側)」と「南(側)」
で読む。
 次いで、「わかったこと、気づいたこと、思ったこと」を教科書
に書き込ませていく。このあたり、指導者の指示が徹底し、子ども
たちはどんどん指示通り「書き込み」を行っていく。学習の仕方が
よく身についている。
 頃合いを見計らって、子どもたちに発表させる。この、頃合いの
見計らいが実に絶妙である。早すぎず遅すぎず、見事なもの。子ど
もたちは、積極的に発言し、それを受けてまた子どもたちが反応す
る。
 子どもたちの発言を適切に選び、板書する指導者。この板書もわ
かりやすく、丁寧。学習の道筋がはっきりわかる。指導者が「むく
むく」の意味を問う、子どもたちが即座に「先生のアタマ」と答え
る。思わず笑ってしまいました。
 よく読み、よく書き、よく発表するクラスである。指導者のこと
ばかけも見事。
 あっという間の1時間でした。
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7月14日

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今日の給食は、夏野菜カレー、はるさめサラダ、冷凍みかん、牛乳です。夏野菜のカレーライスの中には、にんじん、たまねぎ、なす、じゃがいも、いんげん、にんにく、しょうが、りんごがはいったカレーです。今日も良く食べていました。

7月13日

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今日の給食は、あじのかばやきどん、みそしる、野菜のピリカラいため、牛乳です。給食の残りを調べていたら、今日も残さず食べたよ、おいしかったよ。と声をかけてくれました。うれしい一言ですね。

授業寸景 No31

授業寸景 No31

                  某月某日 第5校時 国語

 単元名「消しゴムころりん」。
 各自、立って音読(1−3の場面)。読み終えたものから座って
いく。読みの遅い子が3人。指導者はその子らの傍に行き、支援読
み。細やかな配慮である。
 そして、内容の振り返り。一問一答で内容を全体で確認する。こ
れが初任者?って感じ。見事なものだ。
 今日の学習は、4の場面。
「ゆきひろと目を合わせた時のさおりの気持ちを想像しながら読む」
と丁寧にゆっくりと板書。
 指導者がこれを書く間、子どもたちは静かに待っている。結構長
い文章だから、これくらい間をとると少しざわついたりするものだ
けれど、それがない。見ていて感心した。学習への構えがしっかり
と身についているとみた。 
 4の場面を範読。読む声の大きさ、ことばの明確さ、テンポ、申
し分なし。
 範読する場合は、一度目は本を見せないで聞かせる、二度目は本
を見させて聞かせる。三度目は子どもたちにもささやき読みをさせ
ながら、などの工夫をするとなおいいね。
 範読の後は、各自で音読。懸命に音読する子どもたち、なかなか
いい。
 次に、さおりの気持ちのわかるところに線を引きなさいと指示。
子どもたちは、それぞれ黙読しながら鉛筆を持って線を引く。
 この「線を引かせる」ことであるが、3年生あたりまでは「線を
引く」時くらい、すべて定規を使わせるようにしたい。子どもたち
の手指をもっと働かせ、神経をより繊細にさせるために。指導者は、
当然定規を使って引くこと。フリーハンドで線・図を書くのは、も
っと高学年になってからでも遅くはない。手指を鍛えることは、頭
脳を鍛えることでもある。ココロしたい。
 そして、それぞれが「線を引いた」ところを「班」で話し合う。
なかなかテンポ良く授業を進めていく。
 ところで、子どもたちを「班にして学習させる」場合は、その理
由と目的をしっかりと指導者が把持しておくことが大切だ。形ばか
り班にしても学習効果が上がるとはかぎらないのだからね。
 また、全体学習、個人学習、グループ学習の「必然と連関」を常
に考えておくこと。一般的には、授業は、「全体で学習(つたえあ
う、考えあう)する段階―個人学習(考える)・グループで学習(
考えあう)する段階―全体で学習(きたえあう)する段階」という
過程をたどる。
 言い換えると、「知る(つたえあう)―わかる(わかりあう)―
できる(きたえあう)」、これが学習過程の基本構造。これをしっ
かと踏まえて日々の授業を構想することが大事。
 さて、このあとの展開、「線を引いたところを話し合う、発表す
る、ワークシートに記入する」は、時間の配分が足りず、十分に子
どもたちを活動させることができなかったように思う。それが少し
残念だった。
 いずれにしても初任者とは思えない指導振り(物腰に落ち着きと
若々しさ、明確な指示・発問、適切な言葉遣いと対話応答)で、随
所にキレがあった。
 立派に立派。
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授業寸景 No30

授業寸景 No30

                   某月某日 第4校時 国語

 学習のめあて、学習課題を模造紙(拡大プリント)に印刷、それを
黒板に掲示。これは、わかりやすくていい。本時の学習の全体を視覚
ではっきりと捉えることができた。
 この、はじめの段階で、この時間の授業の成否がほぼ決定される。
 課題を全員で読む。すでに子どもたちには読む「構え」ができてい
る。それに加えて、指示を出す指導者のことばが明確毅然としていて、
聞いていて心地よい。教師2年目とは思えぬほどである。
 4学年担任2度目の余裕が感じられる。
 第一段落の内容を確認する。指名すると、立って子どもが答える。
この応答もよい。細かい部分をあらかじめ準備した「絵カード」など
をつかって視覚に訴えていく。なかなかうまいものだ。
 指導者と子どもたちのやり取りも活発、メリハリがあっていい。子
どもの発言をうまく引き出して、それを指導者がまとめていく。
 続いて第2段落に入る、読む。どのような内容か、再び児童に問う、
そして指名する。一言でいうと「自転車にまつわる四季の思い出」と
いうところかな。
 ここで、指導者は、四季それぞれの「ぼく」の思い出や場面の様子
がわかる「ことばや文章」を書き抜くように指示。「季節」がわかる
『ことば・ところ』、「ぼく」のしていることがよくわかる『ことば・
文章』に注目させる。
 そして、それをプリント(配布済み)に記述させる。時間は10分、
ぴしゃりという。子どもたちは集中して書く。
 このとき指導者は机間巡視しながら指示を出していたが、これはあ
まりいい方法とはいえない。
 全員に問いかけたり指示を出したりするときは、タイミングが大事。
子どもたちが何かに集中しているときは、頭上通貨の指示や問いかけ
はできるだけ避けたほうがいい。
 子どもたちの「頭脳と体」が動き始めているときに、追加の指示や
発問を補足的に次々と出していくのは、そもそも授業準備の段階での
詰めが甘いということだろう。状況の変化に対応するといえば聞こえ
はいいが、要するに状況把握が不十分であるということだ。優れた指
導者は、常に子どもの「先の先まで」読んでいるものだ。
 さて、子どもとのやり取りを通して、ことばと文章を読み取る。こ
とばを追求しながら子どもに問い、答えさせ、それをプリントに書き
込ませていくのである。
 春のところ、夏のところ、秋のところ、冬のところ。
 それぞれの枠内に鍵となる「ことば・文」が書き込まれ、書き込ま
れた「ことば・文」を通してその段落の内容が次第に鮮明になってい
く。
 ノートにそのプリントを張るように指示をして、授業終了。
 教師2年目にしては、なかなかいい授業だった。これは、お世辞で
はない。


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授業寸景 No29

授業寸景 No29

                  某月某日 第3校時 国語

 朝練の反省。6年生としての心構えをしっかと説く。子どもたち
の反応がとてもよい。
 宿題の提出、班長の役どころ、学習・学級のきまりが定着してい
る。てきぱきと物事が進んでいく。
 社会のプリントに書き込まれた内容を発表する国語の授業。
 チェックカードを配布。それを使って評価しあう。発表(話す)
―聞く―評価(考える)―話し合い(きたえる)の構造をもつ授業
である。これが「わかりあう授業」のひとつの形でもある。
 さすがにチェックカードはよく考えられている。
「伝える、わかる、きたえる」の大項目、そして、伝えるは「声の
大きさ」と「演技力(表現)」、わかるは「内容」と「テーマ(主
張)」分化されて5段階評価され、それらをまとめて「総合点」を
記入するようになっている。
 そして、きたえるは「ここがよかった」と「もっとこうすればい
い」に分けられていて、どちらも文章記述となっている。
 ええ、もちろん観察している私もチェックカードいただき、一人
の評価者となりました。
 発表会「古墳を作ったのは、だれ?」
 指導者はよく透る声で、まず、全体で発表者を確認する。そして
「発表者は、発表の準備、記録者は、記録の準備をしなさい。」と
続ける。指導者が冗談を入れながら(雰囲気を和らげる)言い終わ
ると、子どもたちはいよいよ動き出す。
 発表者(二人一組、二人の会話応答を通して自分たちの主張を述
べる)は前に。みんなの顔が上がったら発表をはじめる。
 以下は、私のチェックカードから。(子どもたちの評価はもっと
厳しくて鋭くて温かい)
 1番ペア 声の大きさ4点、演技力4点、内容4点、テーマ4点、
総合16点。
 話すテンポがよかった。会話応答では、もう少し間を取るほうが
よい。
 2番ペア 声の大きさ4点、演技力3点、内容3点、テーマ3点、
総合13点。
 自分の考えを入れたのはよい。会話がぎこちなかった。練習不足
かな。
 3番ペア 声の大きさ4点、演技力5点、内容5点、テーマ5点、
総合19点。
 独り言が効果的、説明がわかりやすい。声の小さいところがあっ
た。
 4番ペア 声の大きさ4点、演技力5点、内容4点、テーマ5点、
総合18点。 
 表現力はいうことなし。気持ちがよく伝わった。もっと生々しさ
が欲しい。
 5番ペア 声の大きさ4点、演技力4点、内容4点、テーマ3点、
総合15点。
 独自性がある、セリフが面白い。テーマの訴えが弱い。自分たち
が笑ってる。
 このような評価を子どもたち同士でどんどんさせて、子どもたち
の持つ力を鍛えていくのである。
 指導者は、机間巡視しながら抜かりなく初手の批評者を選んでお
き、さも偶然かのように指名し、「よかったところだけ」をまず指
摘させていく。
「よさから入る」、ここがこの指導者の優れたところである。大い
に学ぶべきところである。

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授業寸景 No28

授業寸景 No28
                  某日某月 第3校時 国語

 プリント配布。
 一人読みから入る。
 学級の雰囲気は落ち着いている。3年生から4年生へ、その成長
の後が見える。
 一通り読んだところで1班さんに指名。
「自分がどういうところに気をつけて読むか、それを考えながら読
むこと」、指導者は落ち着いた声でやさしく指示をする。
 指名された子は、立ち上がって読む。
 このごろは座ったままで読ませる場合が多いように思うが、立っ
て読ませることの良さを改めて感じたものである。
 立つことで意識・気持ちが変わる、脳の働きが身体を伸ばすこと
によっていっそう刺激を受け、活発になる。声が出る、声が広がる、
声が届く、耳が立つ、聞く者の意識がその人に集中する。
 指導者が子どもたちに問う。「よかったところはどこかな、どん
なふうによかったかな」。
 子どもたちが答える。みんなに聞こえる声がよかった。気持ちが
出ていた。
 ここでNO4のプリント(本時の学習内容)を配る。名前を書い
て、ノートに貼っておこう。
「さあ、机の上は勉強がしやすいようになっているかな」。
 指導者は、要所要所でこのような言葉かけ・注意を行い、子ども
たちの学習意識を高めさせていく。子どもたちへの言葉かけのタイ
ミングは、経験で身につけるほかないものである。その経験の深さ
を感じさせる。
「NO4、誰か読んでくれますか」。
 指名する。このときも一人読みから入る。
 読んだ後、すぐに指導者は評価(共感し、誉める)する。このあ
たり、ごく自然で見事。
 誉める、これが大切ですね。いつでもどこでも指導の基本は、ま
ず誉めること。この段階では、とにかく「誉める」を惜しんではい
けない。
「やい、とかげ」と板書。
 以下、文章に即して内容を読み取っていく。
 必要に応じて文章を動作化させ、言葉の意味を問い、言葉にこだ
わり、文章を検討させ、イメージを膨らませて内容を少しずつ読み
取っていく。
 指導者の落ち着いた問いに子どもたちは落ち着いて考え、答える。
このようにして授業が自然に流れていく。
 厳しい源流から中流へ、中流からやがて大海へ、これまでの思い
がよみがえる。この学年、よくぞここまで、という思いがしてなら
ない。
 優れた指導者たちに感謝したい。


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授業寸景 No27

授業寸景 No27

                  某月某日 第1校時 国語

 朝の会、簡潔・手際よく終了。
 元気よく授業開始の挨拶をして、本時の授業に入る。
「熟語しりとり」と板書。なんだか面白そうな授業だ。児童の机の
上にはなにもない。この方が集中する。これは学習の基本、必要以
外のものを置かない。
「熟語という言葉を聴いたことがありますか」。
 二つ以上の漢字が結びついてできた言葉と子どもたちが答える。
 なかなか的確な答えだ。
「例えば、どんな?」。
 黒白、紅白、時間、親子、意見、家族、希望、包容力。
「ふーん、なるほど」。
 春夏秋冬、一石二鳥。
「そう、それは四字熟語だね」。
「こういう熟語を使ってしりとりをします」。
 全員で簡単な練習をする。「旧、友、人、格、言」などカード
化したものを使用。
 子どもたちは、ああだこうだと言葉を紡ぐ。考え合っているの
がよくわかる。知的言語ゲームというわけです。
 このように子供の興味をひきつけながら授業を進めていく。こ
れは、低学年でも高学年でも必須の導入技術である。導入よし。
「ノートを開きなさい。学習の目当てを書きなさい。丁寧に写し
なさい」。
 指示が明確・簡潔でよい。
「次の9文字を使って『しりとり熟語』を作りなさい」。「説、
解、事、行、積、料、見、代、使」。
 ここで子どもたちの頭がさらに働きだす。頭を抱えている子ど
ももいることはいる。これはなかなか難しいぞ。全員で検討する。
うまくつながらないで熟語にならないところもあるけど、ま、い
いか。
 次は、教科書101ページの漢字一覧が載っているところ。こ
この漢字を見て熟語を作る。これまで習った漢字(3,4年)を
使って。
 いいタイミングでグループ学習に入る。指導者の指示に従って、
それぞれの班で話し合いながら熟語作りに取り組む。指示を出す
テンポとタイミングがなかなかいい。
 作った熟語をそれぞれの班が発表する。最高13個、最低6個、
このとき発表された熟語の数。
 ここで、終了の時間。
 高学年らしい歯切れのよい授業であった。
 ただ、惜しむらくはこの時間に指導者が押さえておきたい熟語
のすべてをカードにして、子どもたちの考え出した熟語と比較検
討させてみるなどの活動がほしかった。それが残念、


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