5月12日 全校朝会「耳をすませば」
- 公開日
- 2025/05/12
- 更新日
- 2025/05/12
校長室より
皆さんおはようございます。今朝はちょっと曇り空ですが、この後今週は暑いくらいの天気が続くそうですから、帽子をかぶり、水のみをしっかりして、夏に向けて暑さに身体を慣らしていくことが大切ですね。
さて、ちょっとこの音を聴いてください。(ガビチョウの鳴き声)あ!どこかで聴いたことあるな!という人いますか?そうです。実は今の季節、南大沢小学校の周りではよく響いている音なのです。その正体は、「ガビチョウ」という変わった名前の鳥の鳴き声です。校長先生がこの間、赤石公園の先の遊歩道を歩いていたら、すぐわきの茂みの中でとても大きな音で鳴いている鳥がいて、びっくりしてちょっとその鳥について調べてみたのです。すると、もともと日本にはいなかった中国などにすんでいる鳥だということが分かりました。「ガビチョウ」なんて変わった名前だな、と思っていたら「画眉」つまり絵に描いた眉毛、という意味の漢字の読みがそのまま名前になっていたんです。確かに目の周りの模様が特徴的で、そう考えるとわかりやすいですね。美しい声で鳴き、お世話が簡単、という理由で日本にはペットとして持ち込まれ広まったのですが、困ったことにその一部が逃げ出して、今では野生化してたくさん増えてしまった、ということなのです。東京都でも特に「多摩市」「町田市」「八王子市」の境の里山によく生息する、となっているので、まさにここ南大沢はその中心、ということになりそうです。こうした外国から人間が連れてきて野生化してしまった生き物のことを「特定外来生物」といいます。近頃は「温暖化」によってこれまで日本には住めなかった暖かい地方の生き物たちの分布域が広がってきていることも原因ですが、同時にこうした生き物が増えることによって、同じ場所で暮らしていた日本に昔からいる生き物が住処や食べ物を失ってどんどん減ってしまう、という問題も起きているのです。そうか!じゃあ悪い奴だ。こらしめてやろう!と思いたくもなりますが、本当にそうでしょうか。ガビチョウは人間の手でペットとして売られるために連れてこられ、かごの中から逃げ出して必死に生きていたら、今度は迷惑だからいなくなってしまえ!と厄介者にされる。本当に「悪い奴」は誰なのだろう、と考えてしまいますね。
休み時間、校庭に出たら、ぜひ耳を澄ましてください。いろんな音が聞こえてきます。特に鳥たちは今の季節子育ての真っ最中でとても活発に活動しています。学校ではこのガビチョウの他にも、「シジュウカラ」「メジロ」、キツツキの仲間の「コゲラ」やあのシロエナガの仲間の「エナガ」なんかもよく見かけます。青くて美しい声で鳴く「イソヒヨドリ」も見られることがあります。プールにはいろんな種類の「サギ」も羽を休めに来ていますね。休み時間、耳を澄まして、ぜひ、探してみてください。