二つの誤解
- 公開日
- 2012/07/06
- 更新日
- 2012/07/06
学校
5年生の保護者会で、勉強のことについて少しお話しました。
高校、大学へ行って困ること
秋葉台小学校 小林幹彦
中学校3年生の秋になるとどの高校を受験するか決めなければならなくなります。そこに至るまでどんな生活をしてきたかとは関係なく決めなければならなくなり、悔やむ人がいます。一方、早いうちから準備をしようと焦って小さいころから受験だけを目的とした勉強に猛進する人もいます。多くは大学受験でうまくいかなくなります。首尾よく希望大学に入学してもその後の学生生活に意欲が持てなくなるケースも多いようです。
1 勉強に対する誤解
(1)誤解1
入試に出題される問題に即座に答えられるようにすることが勉強だという誤解
(2)誤解2
知識とは別に考える力が存在するという誤解
2 学力にもいろいろある
(1)学んだ結果としての学力
(ア)ペーパーテストで測りやすい学力 (イ)ペーパーテストで測りにくい学力
(2)学ぶために必要な学力
3 入試問題にもいろいろある
(1)良問 ⇒ 入学してほしい人間の姿を考え、何とかそのような人間を選抜しようと丁寧に練ってある問題。理解の深さや広さが反映される。
(2)悪問 ⇒ 作るのも簡単、採点も簡単。断片的で一面的な知識が反映される。
4 どんな学生が欲しいか
学ぶことに意欲的、自分で課題を見つけ自分で取り組んでいく、理解力があり(聞く力、読む力)表現力がある(まとめる力、説明する力)、自己評価ができる、等々。基本的な知識・技能を十分持って講義を聞いて理解できる、論理的に考え発表できる、等々。
5 大学で困ること
問題集や塾がない、偏差値もない、何をどれだけ勉強すればよいか分からない、自己評価ができない等々。英語を読むのに時間がかかる、計算を含む説明が理解できない、地理や歴史の知識が足りず講義が聞き取れない、等々。
お伝えしたいこと
「入試問題に正解できればよい、入試に出ないことは勉強しても無駄」という考えと、「受験勉強は無駄、課題解決や体験を重視すればよい」という考えのどちらも偏りすぎだと思います。受験圧力があればこそできることもあります。深く学んでわかる面白さもあります。大切なのはバランスです。
そして、そのために必要なことは学校の授業を中心に勉強することです。