4月27日 校長講話
- 公開日
- 2020/04/27
- 更新日
- 2020/04/27
今日の出来事
4月27日(月)
4月最後(さいご)の週(しゅう)となりました。みなさん、元気(げんき)にしています
か?
さて、日本(にほん)には、それぞれの季節(きせつ)をあらわす名前(なまえ)を付(つ)けた「二十四節気(にじゅうしせっき)」という表(あらわ)し方(かた)があります。
例(たと)えば、入学式(にゅうがくしき)のあった4月初(はじ)めを、「清明(せいめい)」といいます。これは、空(そら)が澄(す)み渡(わたり)り、すべてのものが清(きよ)らかで生き生きとしている様子(ようす)を表しています。入学式の日も、よく晴(は)れていましたね。
そして、先週(せんしゅう)の20日(はつか)ころを、「穀雨(こくう)」といいます。春のやわらかな雨(あめ)に農作物(のうさくもつ)がうるおうという意味(いみ)を表しています。20日の日は、雨が降(ふ)っていました。この雨が、作物(さくもつ)にとってとても大切(たいせつ)な雨だということがわかります。
さらに、二十四節気を5日(いつか)おきに分けて、天気(てんき)の動(うごき)きや動植物(どうしょくぶつ)の変化(へんか)を知(し)らせるのが七十二候(しちじゅうにこう)です。この考(かんが)え方からいうと、4月14日〜19日は「虹始見(にじはじめてあらわる)」という表し方をします。この時期に空気(くうき)がうるおってきて、きれいな虹(にじ)が空に見られる様子をいいます。
そこで、今日(きょう)は、虹のお話(はなし)をします。虹の色は何色(なんしょく)ですか?と聞(き)くと、みんな間違(まちが)いなく「7色(しょく)」と答(こた)えますよね。上から、赤・橙(だいだい)・黄・緑・青・藍(あい)・紫(むらさき)と並(なら)んでいて、全部(ぜんぶ)で7色。しかし、他(ほか)の国(くに)では必(かなら)ずしも7色とは限(かぎ)らないと知(し)っていましたか?
虹が7色なことは、日本(にほん)ではあたり前(まえ)ですが、アメリカやイギリスでは6色とされているそうです。日本では、青と藍を区別(くべつ)していますが、これを分(わ)けて見ていないからです。さらにドイツでは、5色と少(すく)なくなります。これは赤と橙(だいだい)が区別されていないから。南(みなみ)アジアのある部族(ぶぞく)の中では、なんと2色とされており、これは赤系(あかけい)(暖色:だんしょく)と青系(あおけい)(寒色:かんしょく)のみで分けているからだといいます。調(しら)べてみると、アフリカでは8色、インドネシアでは4色など、虹の色は国によっていろいろな表(あらわ)し方をしていることが分かります。虹そのものが場所(ばしょ)によって見え方が違(ちが)っているのではなく、人のとらえ方によって表し方が違(ちが)うのです。日本人は昔(むかし)から色に対(たい)する感性(かんせい)が豊(ゆた)かで、同(おな)じ色にも、いろいろな表現(ひょうげん)の仕方(しかた)があります。ですから、日本では微妙(びみょう)な色の重(かさ)なりを区別してとらえ、7色としているのでしょう。
さて、今、日本だけでなく世界中(せかいじゅう)の多(おお)くの人が、「きれいな虹を見たい」と思(おも)っても、なかなか外(そと)に出(で)られないという日々(ひび)が続(つづ)いています。みなさんも、学校(がっこう)が休(やす)みになったり、遊(あそ)びに行(い)けなかったり、友達(とも)に会(あ)えなかったり、我慢(がまん)する事(こと)が多いかもしれません。こんなにいい季節(きせつ)なのに、つまらないですよね。でも、みなさん一人一人(ひとりひとり)が、家(いえ)で勉強(べんきょう)を進(すす)めたり、本(ほん)を読(よ)んだり、家族(かぞく)と過(す)ごしたりすることが、みなさんやご家族(かぞく)やお友達にとって、今、一番(いちばん)大事(だいじ)だということを知(し)っています。
このことが、日本だけでなく、世界中の人が、空にかかる虹を思う存分(ぞんぶん)眺(なが)めることができる近道(ちかみち)になるということを知っているからです。
見え方は少し違っても、空はつながっていて、虹を美(うつく)しいと感(かん)じたり感動(かんどう)する気持(きも)ちは世界のどんな国でも同(おな)じでしょう。
日本中の人が、そして世界中の人が、自由(じゆう)に外出(がいしゅつ)でき、春から夏(なつ)へと移(うつ)りかわるこの季節(きせつ)の美しい空を見上(みあ)げることができる日が来(く)るまで、みなさんも健康(けんこう)に気(き)を付(つ)けて、今だからできる過(す)ごし方を考(かんが)えてみましょう。
校長 緒方 礼子