学校日記

8月28日(金)「言う」より「任せる」へ ― 小学校6年間で育てたい力

公開日
2026/08/28
更新日
2026/08/26

学校長より

夏休みの間に目にした教育書の中で、「親の言葉は子どもに一番届きにくい」(引用:『みるみる自走する! 子育てはリアクションが9割』)という言葉が強く印象に残りました。


親は、子どものことを思うからこそ、「早くやりなさい」「こうした方がいいよ」「だから言ったでしょう」と、つい先回りして言いたくなります。


大人のこの気持ちは、家庭だけでなく学校でも同じだと感じました。

大人には経験があります。そのため、このまま進めば失敗することが見えることもあります。そこで毎回答えを教え、失敗しないよう先回りすれば、子どもは困らずに済むかもしれません。


しかしその一方で、自分で考え、決め、失敗したら立て直す経験は少なくなります。


私は、小学校の6年間は、まさにこの力を少しずつ育てていく時間だと考えています。


1年生の頃は、大人が手をかけ、一緒にやることがたくさんあります。それが学年が上がるにつれて、「どうしたらいいと思う?」「自分で決めてみよう」「うまくいかなかったら、また考えよう」と、少しずつ手を離していく。

そして6年生になる頃には、できることは自分で考え、選び、行動する。


「やってもらう子」から「自分で動ける子」へ。

小学校6年間は、そのための緩やかな移行期間なのだと思います。


大人の役割は、

必要なときには選択肢を示す。

○困っているときには支える。

○危険なときには止める。


大切なのは、子どもが自分でできることまで、大人が先に決めたり、代わりにやったりしないことです。


失敗したときも、すぐに答えを与えるのではなく、「次はどうしようか」と一緒に考える。


子どもを育てるということは、失敗をなくすことではなく、失敗しても自分で立ち上がり、次の一歩を選べる力を育てることなのだと思います。


低学年では手をかけ、中学年では考えるための声をかけ、高学年では見守る。任せることは、放っておくことではありません。子どもを信じ、必要なときには支えながら、決めることや試すことを子ども自身に委ねることです。


子どもが考え、選び、行動する時間を保障する。その積み重ねが、「自分ならできる」という自信につながっていきます。


「言うことを聞かせる」から、「自分で考えて動けるように支える」へ。


小学校を卒業するとき、大人の指示を待つのではなく、自分で考え、必要なときには助けを求めながら前に進めること。それが、家庭と学校がともに育てたい子どもの姿なのだと思います。