10月1日(木)過去(事実)は「定数」、過去の価値づけは「変数」
- 公開日
- 2026/10/01
- 更新日
- 2026/10/01
学校長より
私たちは、過去の出来事をビデオのようにそのまま保存し、必要なときに再生しているわけではないと言われています。記憶は、思い出すたびに、そのときの気持ちや、その後の経験などの影響を受けながら、少しずつ再構成されることがあります。
だからこそ、子どもが失敗したとき、その出来事をその後どう振り返るかがとても大切だと思います。
例えば、運動会当日に転んでしまった子がいたとします。
「あのとき転んで、恥ずかしかった」
その記憶だけが強く残れば、「運動会=嫌な思い出」になってしまうかもしれません。
でも、大人が、
「転んだけれど、すぐ立ち上がったね」
「最後まで走ったね」
「友達が応援してくれていたね」
と一緒に振り返ったらどうでしょう。
転んだという事実は変わりません。
それでも、
「失敗した最悪の経験」から、
「失敗したけれど、最後までやり切った経験」へと、その出来事の「見え方」や「意味」は、少しずつ変わっていくかもしれません。
「つらかったね」
「悔しかったね」
まず、その気持ちをそのまま受け止める。その上で、
「でも、その中でできたことがあったね」
「助けてくれた人がいたね」
「次に生かせそうなことはあるかな」
と、別の角度からも一緒に眺めてみるのです。
子どもたちは、これからたくさん失敗します。友達とうまくいかないことも、頑張ったのに結果が出ないこともあるでしょう。
私たち大人にできることは、子どもの人生から失敗をなくすことではありません。
過去(≒事実・定数)は変えられないですが、過去の見え方(≒事実の意義・変数)は変えていけます。
つらかった出来事さえも、いつか「自分を支えてくれる経験」として捉え直していく力を育てること。そのために、子どもと一緒に「出来事を振り返る時間」を大切にしてほしいと思います。
★学校だより10月号の巻頭言は、この投稿と運動会(10月17日)の保護者や地域の皆様の意識のもち方とを関連づけたものとなっています。本投稿と合わせて、山田小学校の児童にかかわることのある大人の皆様にぜひご一読いただきたく存じます。