学校便り(校長編)
- 公開日
- 2009/05/11
- 更新日
- 2009/05/11
校長より
平成21年5月1日号柏木小学校便り(校長編)
校長 高濱 俊光
5月の風は子供と共に
過ぐる晴れた日、子供たちと一緒に遠足(1,2,3,4年)やら、自然体験(5、6年)、社会科見学(6年)やら行ってきました。4月23日27日28日、30日と続いての引率ですから、結構疲れましてね、でも子供たちと出かけていくのは実に楽しいものです。4日とも快晴なんて、さすがにさすが、やっぱりハレは遅れてやってくるものですねえ。
引率に行きますとね、教師はあれやこれや(事故がないか、事件にあわないか、トラブルがないか、あれはないか、これはないか)と心配ばかりしているわけですが、そのココロを知ってか知らずか、おそらく知らんでしょうが、子供たちは実に楽しそうです。教室とは違う顔をいっぱい見せてくれますね。リュックにはお弁当とお菓子と家庭の愛情とかがいっぱい詰まっているに違いありません(6年の社会科見学だけは、給食の後、午後見学でしたが)。
それに、空は晴れだし広いし青いし大きいし。気分の悪いはずがありませんよね。人間のアタマってやつは、外界をそれなりに反映しますからね、子供でも大人でも。
日ごろの生活の鬱憤や家庭での生活そのものをこの時とばかり、思い切り晴らそう、表そうとする子もいないわけではありませんが、概ね、こういう時はみんなどういうわけかいい子に見えますねえ。妙に愛おしくなってきます。
子供にも私たちにもココロに少しだけ、「学校から離れて」「教室から離れて」「教科書から離れて」というゆとり(もちろん心配事はあるにしても)があるからでしょうか。
それにしても、校外体験学習(一応、このことばでひと括りにしておきます)に出かけることは実にしんどいことではありますが、学習面もさることながら、それによって子供たちとの距離(間−あいだ)がぐんと近くなりますし、より親しく(わかるように)なりますね。
私たち教師との間でさえこうなのですから、子供同士だってそうに違いありません。校外学習・行事の教育的意義ってやつですよね。一緒に行動し、一緒に学び、一緒にお弁当を食べ、一緒に遊び、一緒に帰ってくる、ただこれだけのことながらこの体験で教えるものと学ぶものとの間(関係)、学ぶもの同士の間(関係)が、変わっていくのですね。だから「教育とは関係をつくる関係である。」と言うのです、私は。
これは、テスト勉強をいくらやってもつくれない「間」(関係)です。この自己と自己ならざるもの(他者・世界)との間を成長の過程に順じてどうつくっていくか、このことこそ、人間が人間として人間らしく生きていく上で極めて大切なことのように思うのですが、さて、保護者の皆さんはどうお考えでしょうか。
風薫る5月、風は吹いても風邪(新型インフル)ひくな、じっと祈るばかりです。