学校日記

10月2日(金) 本日の授業風景 ・ その3

公開日
2009/10/02
更新日
2009/10/02

校長より

 3年生・数学(少人数)の授業の様子です。

 関数 y = ax² の利用で、身近な生活や図形の中に現れる関数について学習しています。 徐々に難易度を増してきているためか、出された問題がなかなか解けず、頭を抱えている人もいました。

 私は最近、「 博士の愛した数式 」( 小川洋子 ) という本を読みました。
 映画化もされているので、知っている人もいるかと思いますが、記憶が80分間しかもたない数学者と、そのお世話をする家政婦さんとの人間愛を描いたお話です。 年老いた数学者はタイトルのとおり、数学や数字をこよなく愛しており、その表現方法はまるでラブレターの一文のようでもあります。

 たとえば、家政婦さんの足のサイズが24だと知ると …
「 ほお、実に潔い数字だ。 4の階乗だ。」

 その家政婦さんの息子の、√ 記号のように平らな頭をなでながら …
「 君はルートだよ。 どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号、ルートだ。」

 そして、そのルート君が11歳の誕生日をむかえると …
「11 … 美しい素数だ。素数の中でも殊更に美しい素数だ。 しかも、村山 (元・阪神タイガースの投手 ) の背番号だ。 素晴らしいじゃないか、君。」

 といった感じです。

 数学の苦手な私でも、実は数学って面白いんじゃないか … もっと言ってしまえば、物語や詩、絵画や音楽といった文学・芸術とは違った意味で 「 ロマンに満ちあふれている 」 学問なのではないか、という気にさせてくれる小説です。

 今、ちょっと数学が嫌いになりかけている人、苦手意識を持ち始めている人に、お薦めの一冊です。( ただし、読むのは中間考査が終わってから!)

                                     校長 武田幸雄