学校日記

6月18日(金) 2年生 「 狂言鑑賞教室 」

公開日
2010/06/18
更新日
2010/06/18

校長より

 2学年の先生もアップしてくれていましたが、2年生は午前中、八王子市民会館で行われた 「 狂言鑑賞教室 」 に行きました。

 今年の狂言教室は、昨日と今日の二日間、それぞれ午前・午後の部に分け、市内の公立中学校の2年生を対象に行われました。 たまたま私は担当校長の一人だったので、客席ではなく舞台そでから鑑賞することができ、その恩恵として ( 写真・下 ) のようなアングルでシャッターを切ることもできたのです。

 本日演じられた 「 柿山伏 」( かきやまぶし ) 「 附子 」( ぶす ) の内容については、どうぞお子さんからお聞きになってください。

 二つの演目が終わったあと、「 狂言を創作した日本人の心 」 について説明がありました。

 暴力を振るう ・ 物を壊す ・ 人を憎む、ねたむ ・ 肌を人目に触れさせる …

 こうした行為を、昔の日本人は恥ずかしい行為、失礼な行為であると考えたのだそうです。 だからこそ、狂言ではそうした行為を演じるとき、わざとリアリティーを排して面白おかしく演出しているのだとか。

 戦後間もない頃に出版された 「 菊と刀 」 という書物の中で、アメリカ人の著者であるルース・ベネディクトは 「 日本人の文化は 『 恥の文化 』 である 」 と表現しました。 この中で著者は 「 他者の目に映る自分 」 「 他者から評価される自分 」 というものを常に意識して、自分の行動を律していくのが日本人の文化であるとしています。

 その是非はともかく、下着の見えそうなミニスカートや腰パンを履いたり、電車内で化粧や食事をしたり、平気で街中にゴミを捨てたりする現代の若者には、理解しがたいことかもしれません。

 しかし、少なくとも私は 「 恥の文化 」 のほうが、「 恥知らずの文化 」 よりはよっぽどマシだと思っています。
                                      校長 武田幸雄