校長雑感(ノーテレビデー)
- 公開日
- 2009/02/10
- 更新日
- 2009/02/10
校長より
2月10日(火)
私の住む豊島区では、青少年委員会が教育委員会やPTAとタイアップして「ノーテレビデー」という取り組みをしています。今回、本日〜12日の三日間で、可能な日にチャレンジしてほしいという呼びかけがありました。
「ノーテレビデー」とは文字どおり、家族とのゆとりある生活を考えるきっかけとしてテレビのスイッチを切る日を設け、家族でおしゃべりしたり、遊んだり、読書をしたり…と、「テレビ以外にできること」を見つけてみようという取り組みです。
今や、全国で似たような取り組みをしている自治体が増えているようです。
本校で実態調査をしたことはありませんが、ある統計を見てみますと半数以上の家庭で「食事中にもテレビをつけている」そうです。一方で、その多くの家庭が「子どもの集中力が低下する」「食事中にテレビに気をとられて箸が止まる」との回答もしているとか。
正直に申し上げて我が家でも、食事中にテレビがついていることは多いです。ただ、それを正当化するつもりはありませんが、時にはそのテレビの話題で家族の会話が盛り上がることがあることも事実です。逆に、テレビがないと静まりかえった食事になるというわけでもありません。見たいテレビのないときは、無理にスイッチを入れるわけでもなくテレビ以外の会話をしながら食事をします。
したがって、「ノーテレビデー」とは、テレビ依存に陥っている家庭が、改めて家族団欒の在り方を考える端緒とすべき日なのかなあと思っています。
私自身は、あまりテレビに対する執着がない(ぜひ見たいという番組が少ない)ので、ノーテレビデーは全く違和感なく受け入れられます。
では、子どもはどうかといえば、これもまた一日ぐらいテレビのスイッチを入れなかったとしても受け入れられると思います。それは、私たち親の世代が子どもだった頃、夜の娯楽といえばテレビぐらいだったのに対して、今の子どもはテレビ以外にもパソコン、携帯電話、ゲーム、音楽プレイヤーなど、一人でも余暇を楽しめるツールがたくさんあるからです。
そう考えると、「ノーテレビデー」とは単に「テレビを見ないこと」が大切なのではなく、「テレビを見る代わりに何をするのか、その時間をどう使うのか」という趣旨が大切なのだということに改めて気づかされます。
テレビを見る見ないに関係なく、家族の団欒・ふれあいの時間をどのように確保していくのかということは常に意識したいことです。
先の統計によると、「ノーテレビデー」を試みても、「パパが帰宅するとノーテレビデーは終了」という傾向もあるそうで、一番の強敵は父親なのかもしれません。別所中学校のお父様方、いかがですか?
(かくいう私自身、ノーテレビデーは大いに結構、しかし、サッカーW杯予選・日本vsオーストラリアがあるので、明日は無理だななどと勝手なことを思っています)
今のところ、八王子市でノーテレビを呼びかけてはいないようですが、この校長雑感をお読みいただいた保護者の方々、これをきっかけに家族の団欒について改めて考えていただければ幸いです。
※ ちなみに本校には「毎日がノーテレビデー」を実践している教員がおります。その教員に「それで不自由を感じたことはないのか?」と問うてみたところ、「(テレビがないということが)習慣になれば、自然にそういうものだと思うようになる」とのことでした。
校長 武田幸雄