先週行われた体育大会の挨拶で 「 夢にときめけ! 明日にきらめけ!」 というフレーズを使いました。 これは、TVドラマ 「 ROOKIES 」 から借用したものであると、予行のときにお話ししました。
実は、この 「 ROOKIES 」 は原作が漫画なのだそうですが、私は漫画を読んだことはありません。 昨年TVドラマを見て感動し、先日は映画化されたものも見に行ってきました。
知らない人のために簡単にあらすじを話しますと、二子多摩川学園高校という学校に、川藤幸一という先生が着任します。 川藤先生は、野球は全くの素人なのですが、不良の集まっている野球部の顧問になります。 熱血教師の川藤先生は、高校野球を通して夢を持つことの大切さを教え、不良生徒たちも徐々に心を開き、ともに甲子園を目指すというお話しです。
ひとつだけ誤解のないように言っておきますが、私は単に不良を美化したり、暴力行為を肯定したりしているだけの漫画やドラマは大っ嫌いです。
「 ROOKIES 」 にも不良や暴力シーンが少し出てきますが、あくまで 「 夢を持つことの大切さ 」 や 「 川藤先生と生徒との師弟愛 」 「 生徒同士の友情 」 をテーマにしています。
そして、物語の展開もさることながら登場人物の台詞も、最近はあまり見かけなくなった、いわゆる 「 ベタな 」青春ドラマであり、私はむしろ懐かしい思いでこのドラマを見ていました。
そんな中で、先の 「 夢にときめけ! 明日にきらめけ! 」 以外で、ぜひ皆さんに紹介したい川藤先生の言葉があります。 それは、次の言葉です。
「 生まれ変わることは簡単だ。 己を見つめ直す勇気さえ持てればいい。」
聞くところによると、「 ROOKIES 」 というタイトルには、二つの意味がこめられているのだそうです。
ひとつは、甲子園を目指している川藤先生をはじめ野球部員が、野球の初心者であるという意味です。 「 ROOKIE ( ルーキー )」 という英語は 「 新人 ・ 初心者 」 という意味なので、これは文字どおりの意味と言えるでしょう。
もうひとつは、不良だった野球部員が甲子園という夢を持つことで立ち直ったように、誰でもその気になりさえすれば一からやり直せる、 いつでも新人として新たなスタートラインに立てる、という意味です。 先の 「 生まれ変わることは簡単だ。 己を見つめ直す勇気さえ持てればいい。」 という川藤先生の台詞は、こちらの意味を表しているように思います。
さて、皆さんはどうでしょうか?
皆さんは、現在の自分に満足していますか?
勉強や生活面で、うまくいっていますか?
満足していない、うまくいっていないという人たちは、「 では、どうすればよいのか。」 を考えて、改善のための行動をとっていますか?
満足できない原因、うまくいかない原因は、どこにあると考えていますか?
社会のせいですか? 学校のせいですか? 親のせいですか?
いずれにせよ、自分以外の誰かのせいにしていませんか?
自分以外の何かが悪いと、ふてくされたり、いじけたりしていませんか?
今の自分に満足できない原因、生活や勉強がうまくいかない原因を、自分自身に求めるのは勇気のいることです。 しかし、その勇気を持てない人は、最後まで不満の解消されない、うまくいかない日々を送ることになります。
自分に満足できないとき、何かうまくいかなかったときは、自分を見つめ直し、自分はどうあるべきなのかを考えてみてください。 それができたとき、その人はすでにひとりの新人、ひとりのルーキーとして新たなスタートラインに立っているのだと思います。
校長 武田幸雄