2月8日(火) 本日の授業風景 ・ その3
- 公開日
- 2011/02/08
- 更新日
- 2011/02/08
校長より
2年生・国語の授業の様子です。 担当は、張元先生です。
小説 「 走れメロス 」( 太宰 治 ) を学習しています。
今日は、登場人物 ( 主にメロス ) の描写や情景描写から、登場人物の心理状態や人物像を推察してプリントにまとめる取り組みをしていました。
班ごとに話し合いながら作業を進めています。
「 推察 」 ですから、その作業には想像力を働かせなければなりません。
しかし、中には 「( メロスが ) 語勢を強くした 」 という人物描写から 「( メロスは ) わがまま 」 → 「 一人っ子 」 → 「 平和主義者 」 などと想像力を働かせすぎてしまう?人もいました。
想像力が豊かなのは大いにけっこうですが、張元先生からは 「『 想像 』 と 『 妄想 』 は違いますよ 」 という注意も与えられていました。
優れた小説では、登場人物の心理描写や人物像を表現するのにストレートな表現は用いません。 しかし、だからこそ逆に、この小説の最初の一文 「 メロスは激怒した。」 のような単刀直入な表現を時折用いると、それが読者に強烈なインパクトを与えることもできます。
そして、対照的にこの小説の最後の一文 「 勇者は、ひどく赤面した。」 … 。 私が、この小説の中で最も好きな一文です。 その理由は、この一文が 「 メロス 」 だけでなく、この小説の作者である太宰 治の心情をも表しているのではないかと思えるからなのです。
さて、この一文には、太宰治のどんな心情が込められていると思いますか?
校長 武田幸雄