1学期の朝礼で、毎日繰り返される基本的生活習慣 「 あ じ み こ し 」 を、しっかり身につけてもらいたいというお話をしました。
あいさつ ・ 時間 ・ 身だしなみ ・ 言葉遣い ・ 姿勢 の頭文字をとって 「 あ じ み こ し 」 と表現しているわけですが、順番から言えば 「 あいさつ 」 からお話しするべきところを、今、その中で私が一番気になっているもの … 言い方を変えれば、今君たちに一番欠けていると思われるものからお話しさせてください。
それは、「 あ じ み こ し 」 の 「 し 」、姿勢です。
「 姿勢 」 は、その時の、その人の心の状態と、密接なつながりがあります。 人がある時にとっている姿勢は、その時の心の状態が現れているといってもよいでしょう。
そして、それは同時に、人は一つの姿勢を意識的にとることで、心の状態をある程度コントロールできるということでもあります。
例えば、柔道や剣道、相撲など、日本の武道が姿勢を重んじているのは、単に礼儀作法というだけでなく、意識して姿勢を整えることで集中力を高め、ケガを防止するためでもあるのです。
私はよく、「 人の話は、目と耳と心で聴きなさい。」 と言います。
「 心 」 … ちゃんと相手の話を聞こうという気持ちがあれば、
「 目 」 … 顔は自然と話している人を見るようになり、
「 耳 」 … 話の内容はすんなりと耳に入って理解も深まる。
という意味です。
このことを先ほどお話ししたことに当てはめれば、逆に何となく話を聞く気になれないときでも、とりあえずしっかり相手を見て、耳を傾けていれば、自然に集中力も高まってくるものなのです。
つまり、姿勢を整えることから入って、心をコントロールするということです。
さまざまな授業を回って見ていると、授業中、机に突っ伏している人がいます。 椅子を斜めに倒してふんぞり返るように座っている人がいます。 体を横に向けて椅子に座っている人がいます。
その一方で、背筋を伸ばしてまっすぐ先生の方を見ている人もいます。
両者の集中力の差は、歴然としています。 そして、歴然とした集中力の差は、そのまま理解力の差に結びつくのです。 だからこそ、授業を受けるとき、人の話を聞くときなど、意識して正しい姿勢をとるように心がけなければならないのです。
一日の中には、集中しなければいけない場面、ある程度の緊張感を求められる場面があります。 一方で、リラックスしていい場面、むしろリラックスした方がいい場面もあります。
そんな、さまざまな場面で、その時々にふさわしい姿勢のとれる人、さらには意識して一つの姿勢をつくることで、自分の心をコントロールできる人になってください。