校長雑感(ある新聞記事に思う)
- 公開日
- 2009/03/11
- 更新日
- 2009/03/11
校長より
3月11日(水)
昨日の読売新聞に 《 服装などで不合格・神田高前校長処分 》 という見出しの記事が載っていました。 詳細は下記をクリック
↓
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090309-OYT1T00877.htm
昨年10月に報道されたこの事件は、「 神奈川県立神田高校の入試で校長らが、服装の乱れなどを理由に、本来は合格圏に入っていた受験生を不合格にした 」というもので、まだご記憶に新しいのではないでしょうか。
記事にもあるように、在校生や保護者からは前校長を支持する意見が多く、前校長を擁護するために約3400名分の署名も集められ、教育委員会に寄せられたメールや電話の大半も同様の内容だったとか。 さらに、報道機関やインターネット上でのアンケートでも、前校長への同情論をはじめ 「 服装や態度が悪くて不合格になるのは当然 」「 受験にふさわしい服装をするのは当たり前 」 といった意見が多かったそうです。
心情とは別に私の個人的な見解ですが、この前校長は処分されてもやむを得ないと考えます。 なぜならば、公表している選考基準はあくまでも 「 学力調査・面接・調査書による総合評価 」 だからです。
といって私は、茶髪や化粧、ミニスカート、腰パンなどで受験に臨むことを認めるわけでもありません。 むしろ言語道断だとさえ思っています。
だからこそ、そうした服装の乱れや態度不良を 「 裏基準 」 ではなく厳格な選考基準として明記したうえで、堂々と(?)不合格にすればよいのです。
それともうひとつ気になったのは、前校長のとった措置に対して賛否両論あるにせよ、その両論とも 「 どういう態度で受験に臨むべきか 」「 受験生の茶髪や化粧は是か非か 」 という視点からの意見に偏っている点です。 こうした議論が個々の価値観で論じられ始めると、やがて 「 中学生らしさとは? 」とか「 個性とは? 」 といった、相反する意見を持つ者同士が絶対に歩み寄れない議論に陥ります。
私は常々何人かの高等学校長に対し、これも個人的見解として次のように助言(?)しています。
「 もし茶髪や化粧、だらしない態度の受験生がいたら、ひとこと 『 あなたの中学校では、そういう服装や態度を認めているのですか? 』『 先生から注意を受けたことはないのですか? 』 と聞けばいい。
そのうえで本人が 『 認められていない 』『 注意も受ける 』と答えたのであれば、『 では、あなたは決められた集団のルールを守れない、先生の指導にも従えないということですから、本校に入学させるわけにはいきません。』 と伝えて不合格にすればいいのですよ。」
校長 武田幸雄