校長雑感(ケータイ依存症)
- 公開日
- 2009/02/27
- 更新日
- 2009/02/27
校長より
2月27日(金)
今週はぐずついた寒い日が続きましたが、ついに今日は雪になってしまいました。
さて、新聞報道等でご存じかと思いますが、文部科学省の行った「子どもの携帯電話等の利用に関する調査結果」が発表されました。 調査対象は、小6・中2・高2の児童・生徒です。
その中から、特に私が気になったデータを、対象を中2に特化して紹介します。
1.携帯電話を「よく使う」場面は「自分の部屋に一人でいるとき」が62%で最多
2.同上「食事中」の使用は「よく使う」「時々使う」を併せると約25%
3.同上「入浴中」の使用は「よく使う」「時々使う」を併せると約10%
4.一日のメールの送受信件数が「50件以上」は、約20%
5.同上「30件以上」にまで範囲を広げると、約33%
6.同上「30件以上」と回答した生徒の約25%が「午前0時以降に就寝」
ちなみに、メールの送受信件数が30件未満に減少すると、「午前0時以降に就寝する」生徒の割合も約13%と半減。 携帯電話を持っていない生徒では約10%と、さらに減少
7.携帯電話について家庭のルールは、約30%の生徒が「特に決めていない」
8.フィルタリングなどの接続制限は、約54%が「していない(解除した)」
9.携帯電話によるトラブル経験は「チェーンメールを送られた」が約60%で最多
10.その一方で、「自分に送られてきたチェーンメールを転送すること」について「いけない」と回答したのは、
情報モラル学習等を経験した生徒で、約63%
情報モラル学習等を経験していない生徒では、約47%
以上、特に気になったデータでした。
本日の読売新聞社説では、早速この調査結果に対する考察を論じています。
私なりにその社説のキーワードは、「親」であると読み取りました。 曰く、
「子どもに携帯電話を持たせる前に、親も携帯電話を取り巻く環境をよく勉強することが必要」
「親の態度が子どもに大きな影響を与える」
「まず親が実態を知り、携帯に絡む危険性や注意点を説明して、日ごろから子どもが携帯を使う様子に気を配ることが大切」
「気になるのは、親子の認識に大きなズレがあること」
「フィルタリング自体を知らない親がまだ2割以上いた。プロフを知らない親も約4割にのぼる。」
「親には、子どもに安易な妥協をせず話し合う姿勢も求められる。本当に携帯が必要か。どういう機能のものにするのか。使用する時間や場所を決め、ルールを破ったときのペナルティーも設けたい。」 等々。
「親」といえば、私は最近よく見かけるこんな光景も気になります。
●公園で子どもを遊ばせながら、自分はベンチに座ったままずっと携帯に夢中になっている母親
●レストランで子どもが食事をしている傍らで、それぞれが無言で携帯に夢中になっている夫婦
こうした若い親世代に育てられた子どもは、すでに「先天的ケータイ依存症」になっているのではないか? だから、やがてその子が成長したとき、彼らは「あれば便利な暮らしのツール(道具)」ではなく、もはや「なくてはならない体のパーツ(一部)」として携帯を扱うのではないか? …という心配が、私の杞憂であることを祈ります。
校長 武田幸雄
※ 文部科学省の調査結果は下記URLでご覧になれます。
参考までに、配布文書の中に「概要版のポイント」のみ登録しておきました。
http://www.mext.go.jp/