5月7日(金) 本日の授業風景 ・ その3
- 公開日
- 2010/05/07
- 更新日
- 2010/05/07
校長より
2年生・技術の授業の様子です。
木材や金属は種類によって性質や用途が異なることなどを、プリントにまとめていました。 今後の実習の基礎知識になる大切な学習です。
今日の授業内容と関連のある四字熟語に 「 適材適所 」( てきざいてきしょ ) があります。 「 その人の能力や特性にふさわしい仕事や地位につける 」 といった意味です。
しかし、語源は、日本の伝統工法で建築物を造る際、その特長によって木材を使い分けていたことにあります。
そして、この 「 適材適所 」 を最もよく体現してきた人たちが 「 宮大工 」 と呼ばれる方たちでしょう。 寺社などの建造や、国宝・重要文化財の建築物の修復技術を持つ大工さんのことです。
その宮大工の代表格とも言える方に、法隆寺の解体修理や薬師寺の再建などで知られ、NHKの 「 プロジェクトX 」 でも取り上げられた西岡常一さんがいらっしゃいます。 残念ながら15年ほど前にお亡くなりになってしまいましたが、西岡さんの次の言葉は、まさに 「 適材適所 」 を象徴する言葉と言えるでしょう。
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木にはそれぞれクセがあり、一本一本違います。
産地によって、また同じ山でも斜面によって変わります。
まっすぐ伸びる木もあれば、ねじれる木もあります。
材質も、堅い、粘りがあるなどさまざまです。 木も人間と同じ生き物です。
今の時代、何でも規格を決めて、それに合わせようとする。 合わないものは切り捨ててしまう。 人間の扱いも同じだと思います。 法隆寺が千年の歴史を保っているのも、みなクセ木を使って建築しているからです。
建物は良い木ばかりでは建ちません。
北側で育った 「 アテ 」 というどうしようもない木があります。
しかし、日当たりの悪い場所に使うと、何百年も我慢する良い木になります。
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西岡常一さんに興味を持った人は、ぜひ 「 木に学べ 」( 小学館 ) といった書物を読んだり、「 プロジェクトX 」 のDVD 「 薬師寺金堂 〜 1300年前の技術に挑む 」 を見てみたりするとよいでしょう。
校長 武田幸雄