おはようございます。
新年度の学校生活がスタートして、間もなく2週間になります。
この間、各学年の廊下や教室をまわってみると、皆さんの書いた自己紹介カードが目にとまります。 そして、その多くにこれからの1年間の目標や抱負、決意といったものが書かれています。
そんな皆さんに、目標を達成する上でのアドバイスをしましょう。 目標を達成することを、頂上を目指して山登りすることにたとえてお話しします。
まず、山の頂上は、そこからうんと離れた場所か、逆にうんと近づいた場所からでなければ見えない、ということです。
山の麓 ( ふもと ) にいると、これから自分の目指す頂上を見ることができます。 それは、山頂がまだまだ遠くにあるからです。
しかし、いざ山を登り始めると、生い茂る木々や山自体の地形にさえぎられて、山頂は徐々に見えにくくなってきます。 そして、山頂に近づけば近づくほど、勾配はきつくなり、足も疲れ、ゴールの見えない中、あとどれぐらい登らなければならないのかという不安で、気持ちも滅入ってきます。
それでも、いつか必ずたどり着けると信じて歩き続けていれば、ある時、突然視界が開けたその先に、いつの間にか近づいていた山頂が再び見えるのです。
そうなれば、もう山頂にたどり着いたも同然です。 目の前に迫った目的地に、気持ちも前向きになり、足の疲れも忘れて一気に登り切ることができるでしょう。
皆さんは、今目標を立てたばかり。 登山で言えば、まだ山の麓にいるようなものです。
しかし、これからいよいよ山頂に向かって山を登り始める … つまり、目標達成に向けて具体的な努力をし始めると、さまざまな困難や試練を味わうことになります。
目標に向かって努力しているはずなのに、なかなかゴールが見えてこない …
こんなに苦労しても、もしかしたらゴールまでたどり着けないのではないか …
そんな思いに駆られたときは、それは自分が確実にゴールに近づいているからなのだと思ってください。 今、この苦しい時を我慢して乗り切れば、必ず視界は開ける。 そして、そのときはいよいよ目標達成が間近に迫ったときなのだと信じてください。
もうひとつ、「 つま先は、前に 」 という言葉も覚えておいてください。
一歩前に進めば、一歩ぶん山頂に近づく … 。
そう信じていても、やはりゴールの見えない中を歩き続けていれば、もと来た道を戻りたくなることもあります。 転んでケガをしたり、いよいよ疲れ切って一歩も進めなくなることだってあるでしょう。
そんなときは無理をせず、立ち止まって休めばいいのです。 しかし、休みながらも 「 つま先は、前に 」 という意識だけは持ち続けてください。
立ち止まって後ろを振り向いても、休みながら下をうつむいても、つま先さえ前を向けておけば、いつかまた疲れが癒えたとき、歩き出そうという気になれるものです。 そして、つま先さえ前を向けておけば、再び歩き出したとき、進むべき方向は決して間違えないのです。
「 すでに自分の足で山を登り始めた者には、必ずしも山頂は見えない 」 ということ、そして、「 つま先は、前に 」 という言葉を忘れず、自分で登ると決めた山頂を目指してください。