「生徒の皆さんへ」 第1学年 石川美穂

 桜が葉桜となり、少しずつ日が長くなり、春が過ぎゆくことを感じています。始業式、入学式、新しいクラスのスタート、授業、部活動の春の大会……、本来ならば、毎日息をつく暇もないほど忙しいであろうこの時期に、自宅勤務をしながらこのメッセージを書いていることが、不思議で、そして寂しく感じられます。

 さて、今日は、登校日に配布された大量の課題と向き合っているであろう皆さんへ、私が学生時代の勉強で大切にしてきて、今も役に立っていると思うことについて書きたいと思います。
 皆さんは、勉強していて知らない言葉が出てきたとき、どうしますか? 知らないままにしますか? スマートフォンで調べますか? 私は小学生の頃から、必ず辞書を引いていました。調べたい言葉がなくても、時間があれば家にあった辞書を読んでいた、なんて時期もありました。辞書を引くというと、時間がかかる、面倒くさいと思う人が多いかもしれません。しかし、辞書を引くと、その言葉の意味を知る以外にも、言葉の成り立ち、類義語、対義語、派生語といった関連する言葉、物事の成り立ちなど、様々なことを知ることができます。ひとつの言葉を調べることで、多くのことを知ることができる。すごいことだと思いませんか?
 さらに、辞書を引くことを続けていたことで身についたことがあります。それは、「自分で調べる」「時間をかけて答えを出す」「理由や原因を探す」といった「自ら学ぶ姿勢」です。人に教えてもらうだけではなく、教えられたことをもとにして自分で調べ、考え、深める、といったことができるようになったのです。中学校を卒業したら、高校、大学といった上級学校へ多くの人が進学すると思います。そのときこの「自ら学ぶ姿勢」というものがとても大切になってきます。私がそれを感じたのは、大学時代でした。
 私は文学部で、「伝承文学」という少し珍しい分野を専攻していました。「文学」とついていますが、私の通っていた大学では昔話、民謡、伝説といったものだけではなく、民俗儀礼や伝統芸能、民具などといった、いわば昔から受け継がれてきた日本文化の全てが研究対象になっていました。主な研究活動のひとつがフィールドワークといわれる実地研究です。大学2年生のときには地元で、大学3年生のときには夏休みを利用して九州から中国地方、そして近畿地方を2週間程度かけて回りました。先生が一緒ではないので、調査内容に関わる資料探し、行き先を決める、交通手段を調べる、現地での聞き取り調査、資料の収集、記録……、あらゆることを一人で行いました。大変ではありましたが、現地で多くの発見や出会いがあり、とても楽しいものでした。「自ら学ぶ姿勢」があったからこそ、楽しむことができたのだと感じています。
 今この文章を読んで、知らない言葉がありませんでしたか? 課題をやっていて、知らない言葉に出会いませんでしたか? そんなときはぜひ、辞書を引いてみてください。国語だけではなく、どんな教科でも。辞書を引くことは、「自ら学ぶ姿勢」を身につける、簡単で身近な方法のひとつです。「自ら学ぶ姿勢」が「学ぶ楽しさ」を強くしてくれるはずです。私も授業の準備をしながら、たくさん辞書を引きたいと思います。
 先の見えない不安もありますが、お互いに頑張りましょう!
 5月7日、皆さんとの笑顔での再会を願って。
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