大正15年の文集『白い門』 その2 童謡集以前紹介した文集の続編です。『童謡集』とあるので、みんなで歌ったのかも知れませんね。一つ取り上げてみましょう。 【原文は縦書きです】 私のゆめ N.T.女 ゆうべのゆめは やまめのゆめで とりたかったが とれなかった ふかくてふかくて とれなかった (榊原先生の一言) 『よくあることですね。やまうさぎなどの ゆめをみると なかなかそれがつかめない。おそろしいけものに おっかけられるゆめをみると なかなかにげられない。』 自然の中で育つ子どもの暮らしが分かる話ですね。ヤマメのほかにもカニやトンボ、ヘビ、カケス、栗、栃の実などが載っています。ヒガンバナを「くさりばな」、コオロギを「けさのかかあ」、薬の行商が「どくけしや」さんなど、当時使われていた言葉も登場します。 |