12月 学校朝礼いよいよ今日は12月1日 この一年、最後の月となりました。 今年は、先生もいろいろな体験をさせていただいて、とても印象に残る一年でした。 今日は、その中でも、ノーベル賞受賞者のことをお話ししたいと思います。 今年も3人の日本人がノーベル賞を受賞されました。皆さんもご存知の通り、ノーベル賞は、世界最高峰の名誉ある賞です。実は、今年の6月、そのノーベル物理学賞を受賞した小林 誠先生の講演を聴く 機会がありましたので、みなさんに紹介したいと思います。ノーベル賞物理学賞を受賞された方の講演ですから、さぞ難しい話かと思いましたが・・・そのとおり、大変難しい話でした。 『私は、益川博士とともに2008年、「クォークが少なくとも3世代(6種類)存在することを予言する(CP)対称性の破れの起源の発見」の研究においてノーベル物理学賞を受賞しました。私たちの予言した6種類のクォークの存在は、その後のボトムクォーク、トップクォークの発見によって実証されました。そもそも素粒子は物質の最も根源的な存在様式であり、物質の構成要素として世代ごとに2種類ずつの3世代(6種類)のクォークと同じく3世代(6種類)のレプトン(電子やニュートリノとその仲間)と、さらにはそれらの間に働く「強い力」「弱い力」「電磁的力」「重力」の4種類の力の起源を担う素粒子とで構成されます。この素粒子の法則は宇宙開闢時の宇宙をも支配しており、現在の宇宙の起源の解明に決定的な役割を果たしています。素粒子レベルでの粒子と反粒子の対称性である「C対称性」と、鏡に映した世界同士の対称性である「P対称性」を組み合わせた「CP対称性」の破れがなければ、現在の宇宙は粒子(物質)と反粒子(反物質)が同量だけ存在するはずであり、我々の住む反粒子(反物質)のない現在の宇宙は説明できないことになります。私たちは、ワインバーグ、サラム、グラショウの「弱い力」と「電磁的力」の統一理論では、CP対称性の破れは4種類(2世代)のクォークでは説明できないことを証明し(1972年)、6種類(3世代)以上のクォークの存在によるCP対称性の破れの起源を発見したのでした。』 どうですか。難しくて何を話しているのか分からないですね。 でも、その小林博士が、最後にこう言ったのです。「私は普通の子どもでした」と。 そして、自分の人生に影響を与えたのが数冊の本だったと。そう小林博士はこれを伝えたかったのです。 数冊の本との出会い、その本が人の人生も決めてしまうほどの力をもっていること。それを伝えたかったのです。小林博士に影響を与えた本はアインシュタインの本でした。そして、ちょうどその本を読んで胸をときめかせていた小林博士に、ソ連のスプートニク打ち上げのニュースが舞い込んできました。この本との出会い、そして世界を興奮の渦に巻き込んだ宇宙ロケット スプートニク号打ち上げ成功のニュース、この2つが、中学生の多感な時期だった小林博士の人生を決めることになるのです。 みなさんも、いろいろな本を読み、世の中のニュースに関心をもち、自分を高めてほしいです。 校長 福山 隆彦 |