特別支援教育についてNO7○こだわりを伸ばせば、科学者や研究者等に適しています。現在も大学や専門分野で活躍している人も大勢いいます。 ○ADHDに見られる衝動性は、判断力の速さで、企業のトップの人で必要とされています。発想も素晴らしいので、企業家も大勢、成功しています。 では具体的にみなさんが知っている有名人にはどんな人がいるのでしょうか?調べてみましたので、紹介します。 「スティーブ・ジョブズ」…Apple社の創始者です。Ipad,、iPodなどで世界に大ヒットを記録しました。彼は、アスペルガーと言われています。 「ビル・ゲイツ」…Windows、Word、Excelなどマイクロソフトの創始者です。この人もアスペルガーだそうです。 「トーマス・エジソン」…注意欠陥多動性障害だとか、アスペルガーだとか、色々な説があります。沢山の生活に役に立つ13000もの発明をした発明王です。一つのことに対して興味・関心を追究することが好きだったようで、その能力が発揮されたのでしょう。 「アインシュタイン」…3歳まで言葉を覚えなかったそうです。失語症(ディスレクシア)で、文字などが反転したり、鏡文字のような字を書いたりしたそうです。自閉症かアスペルガーという説もあります。学者肌なので、アスペルガー症候群の傾向が強いと思われます。 「黒柳徹子」…日本でも有名なタレントです。本人が計算障害、読書障害であることを告白しています。 「ケネディ大統領」…アメリカの元大統領です。注意欠陥多動性障害(ADHD)だったそうです。経営者や企業家は注意欠陥多動性障害(ADHD)の気がある人が多いようです。 「トムクルーズ」…文字を読むのが苦手で、読字障害、失語障害であると自分で公表しています。今や世界的俳優ですが台本を読むのが苦手で、台本は読み上げてもらったものを録音して覚えるという方法で乗り越えています。自身の経験を活かして学習障害の支援も積極的にしています。 「ウォルト・ディズニー」…ディズニーの生みの親です。この人も失語障害だそうです。 その他に「レオナルド・ダ・ヴィンチ、坂本竜馬、長嶋茂雄、さかなくんなど…本当に大勢います」 こういった人達も発達障害では?と言われています。立派な人たちばかりです。発達障害でも能力を活かせば、成功することができるのです。誰もが自分のもっている自分の能力・才能の芽を伸ばし、良さを発揮させて、これからの良き未来を担う社会人になるように一人一人の良さを引き出し、伸ばす教育活動を行いたいものです。 特別支援教育についてNO6○学習障害(LD) 基本的には知的発達に遅れがないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態のことをいいます。また、LDのうち、読み書きが困難な場合(状態)をディスレクシアと言います。 具体例…・マス目の中に文字が書けない。・文字がゆがんで読めない。・整理整頓が苦手。・ヘンとツクリが反対になる。・左右が理解できない等。 ○注意欠陥多動性障害(ADHD) 年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、又は衝動性・多動性を特徴とする障がいです。対処療法として薬が処方されることがあります。 具体例…・気が散りやすい。・じっとして居られない。・順番を守れない。・過度に手足などを動かす。・話を最後まで聞くことが苦手。他人の行動をさえぎる等。 これまでに、自閉症(広汎性発達障害)、学習障害、注意欠陥多動性障害がどんな障害か確認してきましたが、その他に心理的な要因による「選択制かん黙等」があります。心理的な要因によって、特定の状況下で音声や言葉を発せず、学業等に支障がある状態です。 ★注意欠陥多動性障害については、以下の「NPO法人えじそんくらぶ」のアドレスをクイックしてください。とても分かりやすく説明が載っています。 http://www.e-club.jp/adhd/adhd_download/91.html 特別支援教育についてNO5○自閉症又はそれに類するもの(広汎性発達障害)今では大きくくくり(自閉症スペクトラム)とも言います。主に見られる特徴として、人への反応やかかわりの乏しさ、社会的関係の形成に特有の困難さが見られること、言語の発達に遅れや問題があること、興味関心が狭く特定のものにこだわることのほか、刺激への過敏性や幼児期に見れれる多動性などが挙げられます。また、それに類するものとして、知的な障害を伴わない高機能自閉症、言語や知的に課題のないアスペルガー症候群があります。自閉症スペクトラムという言い方は、その症状が軽いものから重いものまで全てを含む言い方です。 夏休みの後期水泳指導始まるさて、今のところ、この夏休み中に大きな事故や怪我の報告が入っていないことは、とても嬉しことです。石川町や小宮町の夏祭りにも行きましたが、子供たちが元気にあいさつしてくれたり、声をかけてくれたり、御囃子や盆踊り等を披露したりしているまばゆい姿は、夏休みの大きな思い出となりました。9月2日(月)の2学期の始業式にはまた、大きく成長した子供たちに会えることを楽しみにしています。 連日の猛暑な中、体調管理には十分注視して、規則正しい生活に徐々に戻していきましょう。 「齋藤孝教授」から学んだことまず、「心と精神は同じでしょうか?」と言う質問がありました。同じと答える人もいましたが、私は違うと思いました。齋藤先生によると「心は日々変わる。人によって違う。精神は日々変わらない。一定の価値観をもっている。」と。「今の若者は、心が大きく支配し精神は、浅く薄い、自分を支えられずに他者の評価を気にする。昔の人は、心が少しで、精神が大きかった。いわゆる儒教や仏教・武士道等の精神をもっていた。」そこから歴史を振り返り、戦後はGHQによって精神よりも心を大切にする教育を行い現在に至っている。今は、精神の話ができるいい時代になってきたと言う話をされました。 更に、今の大学生は「朝読」をしてきた世代なのに本を読まない。効果が出ていない。その訳は、読ませるだけでアウトプット(意見・感想)をさせていないから。齋藤先生性は大学生に本と新聞を読ませて、感想を書かせているそうです。本は1週間で3冊。それを元に4人グループでディスカッションをさせているそうです。「これからの学力はコミュニケーション力、人間関係力だ。」と。また、授業後は2人組で分かったことを短い時間でお互いに言わせているそうです。 (齋藤先生が進めるノート) (齋藤先生の描く人間) ・身体の習慣 ★上の画像 ★上の画像(挨拶・微笑む・規則正しいい生活) 身体の上に精神があり心がある。 また、子ども達に「なんとなく仲よくしよう」という心で話しかけてもダメで、精神(論語などでもいい)論を教える必要がある。「どう生きるべきか?」など。学校は、学力と精神を付ける所。今の子どもは伝統として受け継がれた精神がないので、心だけで判断している。身体の軸を付けるためにも腰を安定させて(立って)音読させること。また、キレやすい子には「深呼吸して、ゆっくり息を吐かせる」と落ち着く。日本人と言うなら精神をもっていて欲しい。次に例を挙げて、「坂本竜馬、勝海舟は剣(技)を磨くことによって精神が作られた。呼吸法を大切にしてきた。」今、名言・格言を毎日言わせることで、精神も自然と身に付く。人の話を聴けることが大切。「話をしている人にへそを向ける。話が終わったら拍手する」ことを徹底すること。小学校の内に新聞の社説を読めるようにすることが学校の役目です。週1回でいいから4人組で新聞の切り抜きについて発表し合う時間を作って欲しい。 以上のような話でした。私なりの解釈なので齋藤先生の言われている趣旨と違っていましたら、お許しください。先生の話された良い点は知識のままで覚えるのではなく、実践することが大切です。子どもの成長に活かせるもの、学校生活や授業に活用できるものは取り入れていくことが必要です。本校の教職員にも伝えていきます。なお、詳しくは、沢山の書物を書かれていますので、そちらをご覧ください。 校長 井上正彦 特別支援教育についてNO4さて、私なりにお話をまとめましたので、今回も箇条書きで示します。 1「発達障がい」とは、発達にアンバランスがあり自分の努力だけでは改善しない生物学的な特性をもち日常生活での著しい支障(適応障害やストレス、対人関係のトラブル)がある。 2「パステルゾーン」とは、発達に軽いアンバランスがある。(診断名が付くほどではない)20パーセントいると言われている。クラスにもいると言うこと。 3「ハンターセオリー:適材適所」とは、ADHD状態はサバンナでは障がいどころか、獲物を捕らえる才能になる。すぐに判断して行動ができる。得意なことで欠点をカバーする力を付けることができる。 4「脳科学研究からの効果的な支援」とは、「やる気スイッチを入れる」…・実力+1の課題・達成感・成功が予感できる課題(成功体験がポイント)・特性に合った運動(卓球などは個の対応なのでいい。野球ならピッチャー、キャッチャーがいい。外野は気が他に散ってしまう。)・興味のあること・ドーパミンが放出される前の行動を繰り返す(半分できたところでほめる。『半分しかできていないじゃないか』は禁物。 5「作業記憶障害」とは、指示・ルールを忘れる。時間・情報管理が苦手。話が聞けない。衝動をコントロールしにくい。板書・暗算が苦手2つ以上の内容を同時に保持できないなど。 6「存在と行動を分ける」とは、何かできないことがあってもダメ人間じゃない。発達はみんな違う。みんなをイライラさせているのはその子の行動です。存在は好きでいること。例えば、「うちの子は花粉症です」と「うちの子はアスペルガーです」は同じである。その子の存在は同じである。 7「セルフエスティーム:自尊感情」とは、自己イメージに対する周囲の評価をもとに自分自身が価値ある存在だと感じ、自分を大切にしようと思うこと。セルフエスティームを高めてあげることが大切。適切な評価を。過大評価はダメである。 8「セルフエスティームを高める方法」とは、・人格と行動の分離・誰も責めない「なんでできないの」ではなく「どうやったらできるかな」・成功体験(クラスでその子の役割をもたせ、活躍させる場を意図的に作る)・失敗した時がチャンス(ねぎらいの言葉かけ「頑張っているのに残念だね」)・不完全が自分を好きになる(周りの子が共感・同感し、好きになってあげること、苦手な所を共有するするとすぐに本題に入れる)×「うちの子はダメな子」は禁句。・「宿題やったら、テレビ見ようね」は○、「宿題しないと、テレビを見せない」は×。・遊びながら負ける練習も必要(囲碁や将棋等もいい) 9「深い信頼関係を築く視点」とは、・評価しないで話を聴く。・あなたの視点で話を聴く。・共通点を探して共有する。・相手の言った言葉の1部を(特に感情)繰り返す。自分が好きなものは相手も好きだと思ってはいけない。 10「クラスのいじめを撃退する」には、・イガイガ言葉の徹底排除(冗談でも「死ね」等はダメ。冗談だったらいいもダメ×。嫌なことは人によって違うことを教える。自分がいいと持っても相手は嫌がっていることがある。例えば、触られるのがいやとか、大声がいやなど。・ほんわか言葉を増やしましょう。(ありがとう、助かる、うれしいなど) 11「過敏反応」に対しては、(過敏反応:掃除機の音、叱責の声、シャワーが針が刺さるように痛がるなど)共感を繰り返すことが大切。しかし、ある時間だけは我慢させることも必要。 12「分かる指示・学習スタイル」とは、 ○視覚型…メモ、視覚化、ルールを書いておく ○聴覚型…口頭、「○○君」と呼んでから指示を出す、DVD教材、「今何をするんだったかな?」と聞く。 ○体得型…体験学習、一緒にやる ○わからない指示は聞かなくなる。(こそあど言葉は、ダメ×。「こんなところでこんな遊びをしてはダメ」は通じない。視覚障がい者の人に話すように話すこと。 ○言われたとおりに受け取るので、「どうしてちゃんと授業を受けないの?出なさい。」と言うと、教室を出てしまう。 今回も沢山のことを書いてしまいました。何かの参考にしてください。上に書いたことは、発達障がいでなくても子育てや教育に通じる多くの示唆があると思います。子どもの豊かな成長のために共に手をとり合っていきましょう。写真は「東京都立多摩桜の丘学園」の校舎です。 校長 井上正彦 特別支援教育についてNO3さて、今回は、7月19日(金)に「東京都立八王子特別支援学校」で行われた研修会に行きましたので、その時の報告を兼ねて、発達障がいに伴う対応の在り方について、まとめてみました。内容は「感覚統合の理論に基づいた支援について」です。講師は、作業療法士の松井匠先生です。以下に大切だなと思うことを箇条書きでお知らせします。何かの参考になればと思います。 1人間の行動には、「感覚」-「脳」-「運動」が関わっている。「姿勢の崩れ」や「落ち着きのなさ」等はやる気や意欲のなさではなく、脳に原因があると言われている。子どもの実態から把握することが大切である。 2常にほどよい挑戦、ちょっと頑張ればできることをさせることで、脳の発達を促す。 3自己肯定感を常に感じられる環境に居ること。 4脳や脊椎等の神経系は6〜12歳に発達する。よって、小学校の時期の教育が大切である。 5発達障がいによって発症する「感覚の過敏性」…雨が痛い。シャワーが痛い。エンジン音を嫌がる。雷や花火を怖がるなど。本人にとっては苦痛なことだと理解すること。 6ボディーイメージの3要素。「感覚」…触る、触られる時に感じる。「固有受容覚」…手足や身体の動きを感知する。(目を閉じていても動きや重さ、関節の曲り、抵抗等を感じる)「前庭覚」…姿勢の維持・調整等に関わるもの。(重心が分かる。眼球運動。交感神経と副交感神経の調整など)この3つの要素が調和よく連携しないことが発達障がいのある子どもには出やすい。 7発達障がいのある子どもには感覚統合障がいの1つである「感覚調整障がい」が出やすい。身体や環境からの感覚入力に対して低反応もしくは過剰反応を示すこと。例えば、少しの刺激でもなんでもかんでも過剰に反応し脳の中では混乱したり、反対に沢山の刺激を与えても満足しないことが起きる。 8「感覚調整への対応」…感覚過敏な場合は、・情緒の安定を図る。(教室の構造化、不安の改善、体調を整えるなど)・まずは刺激を遠ざけ、安心感を与える。低反応な場合は、・必要に応じて刺激を得られる活動に取り組む。・生活スケジュールに刺激の入力を組み込む。(勉強の前に背伸びや腕を伸ばすなど) 9検査をしないでオペをする医者はいない。〜アセスメント(実態把握)から始める〜ことが大切である。 10プロセスを重視した評価が大切。適切な課題設定。子どもの自発的な挑戦が1番大切。 11「どんなほめ方がいいのか?」 ○触覚…握手・背中をさするなど。 ○固有…ぶるぶる握手・マッサージなど。 ○前庭…身体を揺らす・高い高いなど。 ○視覚…笑顔・花丸・シールなど。 ○聴覚…ほめる言葉・拍手など。 沢山のことを学びました。私自身がまだ整理が付いていません。発達障がいを抱えた子どものために、出来るところから始めようと思います。少しは、参考になればありがたいです。また、これからも自己研鑽に努めていきます。 上の写真は、「八王子特別支援学校」の写真です。台町3−5−1にあります。 校長 井上正彦 |