特別支援教育についてNO3さて、今回は、7月19日(金)に「東京都立八王子特別支援学校」で行われた研修会に行きましたので、その時の報告を兼ねて、発達障がいに伴う対応の在り方について、まとめてみました。内容は「感覚統合の理論に基づいた支援について」です。講師は、作業療法士の松井匠先生です。以下に大切だなと思うことを箇条書きでお知らせします。何かの参考になればと思います。 1人間の行動には、「感覚」-「脳」-「運動」が関わっている。「姿勢の崩れ」や「落ち着きのなさ」等はやる気や意欲のなさではなく、脳に原因があると言われている。子どもの実態から把握することが大切である。 2常にほどよい挑戦、ちょっと頑張ればできることをさせることで、脳の発達を促す。 3自己肯定感を常に感じられる環境に居ること。 4脳や脊椎等の神経系は6〜12歳に発達する。よって、小学校の時期の教育が大切である。 5発達障がいによって発症する「感覚の過敏性」…雨が痛い。シャワーが痛い。エンジン音を嫌がる。雷や花火を怖がるなど。本人にとっては苦痛なことだと理解すること。 6ボディーイメージの3要素。「感覚」…触る、触られる時に感じる。「固有受容覚」…手足や身体の動きを感知する。(目を閉じていても動きや重さ、関節の曲り、抵抗等を感じる)「前庭覚」…姿勢の維持・調整等に関わるもの。(重心が分かる。眼球運動。交感神経と副交感神経の調整など)この3つの要素が調和よく連携しないことが発達障がいのある子どもには出やすい。 7発達障がいのある子どもには感覚統合障がいの1つである「感覚調整障がい」が出やすい。身体や環境からの感覚入力に対して低反応もしくは過剰反応を示すこと。例えば、少しの刺激でもなんでもかんでも過剰に反応し脳の中では混乱したり、反対に沢山の刺激を与えても満足しないことが起きる。 8「感覚調整への対応」…感覚過敏な場合は、・情緒の安定を図る。(教室の構造化、不安の改善、体調を整えるなど)・まずは刺激を遠ざけ、安心感を与える。低反応な場合は、・必要に応じて刺激を得られる活動に取り組む。・生活スケジュールに刺激の入力を組み込む。(勉強の前に背伸びや腕を伸ばすなど) 9検査をしないでオペをする医者はいない。〜アセスメント(実態把握)から始める〜ことが大切である。 10プロセスを重視した評価が大切。適切な課題設定。子どもの自発的な挑戦が1番大切。 11「どんなほめ方がいいのか?」 ○触覚…握手・背中をさするなど。 ○固有…ぶるぶる握手・マッサージなど。 ○前庭…身体を揺らす・高い高いなど。 ○視覚…笑顔・花丸・シールなど。 ○聴覚…ほめる言葉・拍手など。 沢山のことを学びました。私自身がまだ整理が付いていません。発達障がいを抱えた子どものために、出来るところから始めようと思います。少しは、参考になればありがたいです。また、これからも自己研鑽に努めていきます。 上の写真は、「八王子特別支援学校」の写真です。台町3−5−1にあります。 校長 井上正彦 |