修了式校長講話(概要)
先日1枚のお礼の手紙が中山中学校に届きました。差出人は陸前高田市立小友中学校でした。まずは原文をそのまま、ご紹介いたします。
(2つ前の「学校日記の最新記事」で紹介済みのため、省略いたします。) 小友中学校は今月2日、八王子市青少年対策中山地区委員会の篠原会長が被災地を訪問された際に皆さん方全員のメッセージカードをお送りした陸前高田市の6つの中学校の内の1つの学校です。小友中学校は震災当日も海岸線から約3キロ離れていますが、津波は校舎2階にまで達したそうです。お隣の小友小学校も被害を受けましたが、先にボランティアや自衛隊の方々が校庭の瓦礫を取り除き使用できるようにしてくださったので、今は小学校に間借りをして授業を受けています。去年5月の体育祭も雨の中、開会式で生徒代表が「町の復興のため、地域の人たちに元気になってもらうために頑張ります」と宣誓した、全校生徒36人の中学校です。復興の最中、何でそこまでして体育祭をやるのでしょうか。この答えは3年生として卒業した応援団長の「地域の人たちに元気を伝えるため」という言葉が象徴的だと思います。 20日(火曜日)に調布の味の素スタジアムで行われた第3回中学生東京駅伝。本校からも4人の2年生が力走しました。特に男子の3位から一気にトップへ躍り出た選手の姿は元マラソンランナーの瀬古さんや増田さんも絶賛する走りっぷりで私はもちろん八王子市応援団でも大評判でした。 昨日、高嶺小学校の卒業式に行ってきました。一人ひとりの中学校への夢や希望は、どれもこれも素敵で、校長として是非この中山中で叶えてあげたいものばかりでした。その中で、ある一人の女の子の言葉が今も私の頭から離れません。「私は、これまで保護者の方はもちろん地域の方々や先生方に支えられて、こんなに大きくなりました。中学生になったら、今度は私が保護者の方や地域の方々、先生方を支えていけるような、そんな人になりたいです。」というものです。 これらは一体、何がそうさせるのでしょうか。小友中の生徒も中山中のランナーも高嶺小の児童も、何で、こんな大きな力を持っているのだろうと私には不思議でなりません。でも、その答えを教えてくれた方がいました。高嶺小の森田校長先生です。「それは星野校長先生、心のエネルギーだよ。」と語ってくれました。家族も家も親友も部活の道具も無くした被災地の中学生やどこの市区町村の代表選手だって頑張っている中で、そして小学生でさえも大人を支えようと頑張っている元気の源、それは確かに「心のエネルギー」なのかもしれません。 もちろん、ここにいる1年生や2年生の皆さんも被災地の中学生へメッセージという「心のエネルギー」を発揮してくれました。是非2年生・3年生になっても「心のエネルギー」を見せて欲しい。来年度は「心のエネルギー」で一杯になる日本であり、東京都であり、八王子市であり、中山中でありたいと思います。 私も、この春休み、心のエネルギーを充電して、4月からは、このエネルギーを発揮できるような生き方をしていきたいと思います。 陸前高田市の中学校から感謝のお手紙が着きました。
これは八王子市青少年対策中山地区委員会の篠原会長が今月2日、被災地を訪問された際に陸前高田市の6つの中学校へ、本校生徒全員のメッセージカードを持って行っていただいたことへの「お礼の手紙」です。以下に原文をそのまま、ご紹介いたします。
早春の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 早いもので、3月11日の東日本大震災津波被害から1年が経ちました。被災した学校も、多くの方々のご尽力によって学習環境が改善され、間借り校舎ではありますが、普通の教育活動ができるようになってきています。 過日は子どもたちへの励ましとして、心をこめて書かれたメッセージカードを送っていただきまして、誠にありがとうございます。 いただいたカードは廊下に掲示し、生徒に紹介させていただいております。 子どもたちも職員も、皆様をはじめ全国の方々が心を寄せて下さることに勇気付けられ、感謝の気持ちを持って、前向きに一所懸命学校生活を過ごしております。 お寄せいただきましたご厚情に対し、心より厚く御礼申し上げますとともに、皆様方のご健康、ご多幸をお祈りいたします。 平成24年3月吉日 陸前高田市立小友中学校 校 長 加 藤 清 卒業式式辞(要旨)
長く厳しかった冬もようやく影を潜め、入れ替わりに春の足音が少しずつではありますが近づいてまいりました。
本日ここに平成二十三年度第三十二回卒業式を挙行するに当たりまして、八王子市ならびに関係各位をはじめ多数のご来賓にご臨席をいただきました上に、保護者の皆様方のご参列をいただきましたことに、高い所からではございますが心より御礼申し上げます。 さて、ただいま呼名された一〇一名の三年生の皆さん。ご卒業おめでとうございます。 皆さんが、この中山中学校に入学した三年前の四月七日(火曜日)午前十時の八王子市の気温は17.2度、快晴でした。三年前の入学当時の姿に比べると、体も大きくなり、精神的にもすっかり成長しました。保護者の皆様方も皆さん方の成長ぶりを大変頼もしく思っていらっしゃることでしょう。 今から二年前、前任の竹本校長先生に呼ばれ初めて皆さん方とすれ違ったとき、直前まで都立高校生と一緒にいた私は思わず「小さい。」と声を出してしまいました。今、この式場にいる皆さんを見て今度は「大きくなったなあ。」という声を出してしまいました。 皆さん方と始めて寝食をともにしたのは移動教室でした。直前に修学旅行へ言ってきたばかりの私にとって、皆さん方の大きな声での挨拶は二年生ながら三年生を上回るしっかりしたもので、日々が清々しい思い出として三日間があっという間に過ぎ去ったのを覚えています。 次に大きな行事として記憶に残っているのが昨年の修学旅行でした。このときも前年のような、まるっきり違うコースへ行ってしまうようなことも無く、実に計画的で、しっかりした行動が取れる生徒だなあと感じました。 そして何よりも君たちの本当の力を見せ付けられたのは進路指導の場面でした。前年度、正直言って中学生なんだから「優しく面接指導をしてあげよう。」という中途半端な気持ちで取り組んだ結果、確かに都立推薦での合格率が一昨年の25%から28.6%に伸びたものの、私自身の目標だった30%を超すことはできませんでした。今年は、その反省を踏まえ、悔いの残らぬ面接指導をと考え、かなり厳しく皆さんに接してきました。マナーや内容はもちろん、姿勢や髪型、時には声の調子にまで細部にわたって、面接評定Aを奪い取るための、時に人格を否定する小姑のような指導をしてきました。きっと皆さん方には、その場から逃げたくなるような辛いものだったと思います。しかし、そんな厳しい指導にもかかわらず、皆さん方の中には二度三度ならず四度も食いついてきた人がいました。それでも不安で、前日まで質問に来た生徒もいました。その結果、私の心の目標である30%には届きませんでしたが、皆さん方一人ひとりの努力で29.7%まで持ち上げてくれました。今回、皆さん方に伝えた数値化や家族を出す手法、知っている先生を出す方法、グループ面接における積極性と協調性の手法は、今後の大学入試や社会人の面接でも必ず使える、面接官の心に残す方法です。ぜひ君たちの技として残しておいてください。 今、改めて君たちの姿を見ました。今の私の率直な感想は「大きくなったなあ。」に尽きます。それは体つきだけのことではなく、物事に対する考え方や顔の表情、一挙手一投足に成長を強く感じ取ることができるからです。今の君たちには本校の教育目標でもある知徳体の調和の取れた姿として、本当に大きく見えます。私にとって「よく勉強し、よく働き、そして、よく鍛える生徒。」とは今の君たちであると自信をもって言えます。 次に保護者の皆様、お子様のご卒業まことにおめでとうございます。心からお祝いの言葉を申し上げます。思い出はつきませんが、この三年間、本校にご理解とご協力を賜りましてまことにありがとうございました。今後のお子様の、ますますのご成長をお祈り申し上げております。 最後に卒業生の皆さん、帆を大きく張って、これからも希望の大海に向かって船出をして下さい。 皆さんの前途をお祈り申し上げまして、私の式辞といたします。 平成二十四年三月十九日 八王子市立中山中学校 校長 星野 純一郎 地域の皆様、通学路の雪掻きありがとうございます。陸上部の皆さん、校内の雪掻きありがとう。
昨日、出張からの帰り道、雪が降り頻り踝まで入るという状況の中、学校周辺では地域にお住まいの方が生徒の通学路の確保のため、汗だくで雪かきをしていただいている光景を目にしました。地域の方々には、これまでも朝早くから雪掻きをしていただきながら、余りお礼を言う機会が無く、この場をお借りして心より御礼申し上げます。おかげさまで今朝、生徒たちは怪我も無く元気に登校してきました。
一方、校内でも陸上部の人たちが通常の部活動終了後に、お客様や生徒たちが頻繁に使う通路を中心に雪掻きをしてくれました。今日も保護者の方や高校の先生が来られる予定でしたので、さぞかし喜ばれることと思います。本当にありがとう。 学校というのは、このように全体のために何かをしてくださる方がいるおかげで成り立っている部分も有ります。そういう縁の下の力持ちのような存在に私もなれれば良いなと思います。見えないところで、気が付かないところで頑張っている人が私は大好きです。日の当たる所が好きな方もいるかもしれませんが、私は静かに咲いている花の方が美しいと思います。 美しく咲いている人たちと会えた昨日、天候は最悪でしたが私にとって本当に良い1日でした。 |