自然のアルバム324 テングチョウ☆立春を過ぎたある日、あたたかな陽だまりで日なたぼっこをしているようでした。このチョウは、てんぐのハナのように顔が長いのでこの名前がつきました。チョウの仲間では原始的なチョウのようです。 ☆成虫で冬をこします。冬でもあたたかいと日なたで体温をあたためています。6〜7月ころに成虫になり、年一化です。早く飛べるのは、とがった羽に関係があるようです。また、羽の大きさと胸の筋肉の強さなど、いろいろな理由があるようです。 ☆このテングチョウは夏にはあまり見かけません。それは、羽化してすぐに夏眠といって、活動しないでねてばかりいるからです。秋になるとまた姿を見せ、寒くなるとまた冬眠をするチョウです。 自然のアルバム323 シミ☆うわー!気持ちわるい!と思う人は見なくてもいいですよ。この虫は、今の昆虫のご先祖(せんぞ)様のようなもので、大昔から生きている昆虫です。ふつう昆虫は羽をもっていますが、この仲間には羽がありません。 ☆ふつう昆虫は幼虫と成虫の形がずいぶんとちがっていますが、このシミの仲間は、卵から生まれ、そのままずうっと同じです。こういう虫を無変態昆虫といいます。 ☆幼虫から成虫になるときに、大きな変化があり、それを変態(へんたい)といいますが、このシミは変態しません。トンボやバッタなどはさなぎの時がなく不完全変態といい、チョウやハチなどさなぎになってから成虫になるものを完全変態といいます。 自然のアルバム322 ハラビロカマキリ☆見たりさわったり直接体験し、ひかくすることが「科学」の第一歩です。上と左がハラビロカマキリのたまごです。右下がコカマキリです。それぞれ比較するとそのちがいに気づきます。 ☆見ると、ハバビロカマキリの方が、すこしふとっちょのようです。また、これは写真ではわかりませんが、さわってみると、ハバビロカマキリの方がずっとかたい感じです。なぜ、あまり見かけないたまごなのでしょう。 ☆それは、もともと生きている数が少ないからでしょうか。それとも人間にはわかりにくい場所にたまごをうむからでしょうか。はっきりとわかりません。成虫は前ばねの中央に白いマークがあるので、見るとすぐにそのちがいがわかります。といっても今は冬なので無理ですね。 自然のアルバム321 緑の葉☆北風ふく寒い日でも、こんなに緑色をした葉があるんですね。これはヒメオドリコソウとハコベです。冬晴れの陽を浴びながら、じっと春を待っているのでしょう。 ☆枯れ葉色の世界に、一点の緑の光彩が目に飛び込んできて、驚き、感動、感嘆、などなど自然の世界は、いろいろなものを与えてくれます。その姿にとても嬉しい気持ちになります。 ☆目で見ているだけではつまらないので、そっと手にとってみました。なんと瑞々しい(みずみずしい)ことでしょう。その感触をみなさんもぜひ楽しんでみてください。 自然のアルバム320 スギその2☆昔からスギはあったのですが、花粉症はそれほど社会問題とまではなりませんでした。それは、スギの植林がある程度計画的になされ、調和があったからでしょう。しかし、戦後木材の増産のためにあちこちにスギが植えられ、それが管理されず荒れてきました。 ☆スギは、世界中で日本にしかない木であることを知っている人は少ないようです。大昔、いろいろな木を使って生活していた日本人の祖先は、たてにさけやすく加工しやすいスギを大事にしました。 ☆弥生式文化の登呂遺跡からは、スギで作った田げたや、スギのかこい板などがたくさんでてきたそうです。花粉症できらわれものになったスギは、日本の文化を支えたとても大切な木だったのです。 |