授業寸景 No23
授業寸景 No23
某月某日 第3校時 算数 (教科書)P81 速さ (板書) 蒸し暑い、扇風機は回っているのだがほとんど役立たずの状態。 先が思いやられるわ。 「100メートルを何秒で走ったか」。(前時の復習) 線分図で距離と時間を対比的に示し(板書)、「この図から、何 がわかったのか?」と指導者が問う。 秒速、と子供たちが答える。すかさず「秒速というのは?」と指 導者が問い返す。1秒間に何メートル進んだか、ですと再び子供た ちが答える。 「100メートルを16、53秒で走った。では、秒速は?」。 100メートル÷16、53秒=6、04メートル/秒 「これは、1秒ごとにほぼ6メートル進むということであり、10 0メートル進んだ時に16、53秒かかったということだな。」と 確認する。 「これは、あり得るか」とたたみかけるように問い、「実際は、ス タートして加速がつき、そして、疲れてくるから、6、04メート ル/秒は、平均ということだ」とダメ押しの説明。 「では、同じ距離ではない場合、どうなるのか」と新たに問う。 50メートル 40メートル 30メートル 「速さをどう比べるか、誰が速いのか、何を求めればいいのか考え てみよう」。 「だれが一番速いか?距離も違う、タイムも違う、どうやって速さ を比べるのか」。 「外に出て、実際にタイムを測定してそれぞれの速さを比べてみよ う」。 秒速で比べればいい、1秒あたりで何メートル進むかで比べれば わかると子供たち。子供たちは既にわかっているのだ、賢い子供た ちだねえ。さすがに昨年度学力調査で好成績を取っただけのことは ある。 運動場に出て、それぞれ実走実測することになった。しかし、こ の蒸し暑さだから、全力疾走はなし、「早足」で測定することに。 要は、50、40、30メートルでの移動測定タイムが違えればい いのだ。全力疾走して、暑さでぶっ倒れても困るしな。 測定して再び教室に戻る。子供たちは暑いので下敷きでパタパタ 扇いで涼を取るのだが、気休めにしか過ぎない。見ているこちらも すでに蒸し暑くてたまらないのだからね。 「自分の記録をノートに取り、秒速を計算してください。」と指示。 「計算機の必要な人は取りにきなさい」。簡単にこれだけ言うだけ で、子供たちは自分で計算を始め、秒速を導き出す。計算機を使う (キーを叩く)姿が、これが今様で面白い。 片手うち、両手うち、乱れうち、見事なものだ。日ごろどれほど ゲームで指先を鍛えているか、これを見れば一目瞭然である。 指名して、測定値を発表させ、秒速を求めさせて、それを板書す る。 50メートル―26、25秒−1、9メートル/秒 40メートル―10、13秒−3、9メートル/秒 30メートル― 7、5秒 −4、0メートル/秒 わかった、誰が一番速いか。「距離が違っていても1秒当たりで 比べれば速さがわかる。」と指導者は「念押し、重ね押し」して、 この授業を締めたのでした。 大型絵本
今日7月7日は、大型絵本の日です。
2時間目の終わりの10:00から、先ず2年生が楽しみました。その後の10:20からの中休みに、そのほかの学年が集まって話を聞くことができました。 今回はちょっと変わって、紙芝居でしたよ。タイトルは、「たなばた」と「うみにしずんだおに」の2本立てでした。もちろんいつものように超満員。2年のあるクラスが、学級便りに感想を書いていましたので、ご紹介します。 副校長 柏木会との昼食今日は、学校に対するお気づきの点や今後の計画、さらにはそれぞれのプライベートなことまでざっくばらんに語って、親睦を深めることができました。 私は、この学校に副校長として赴任してきたのは、平成20年の12月1日のことでした。1年と8ヶ月目に入りました。柏木会、保護者、地域の方々等たくさんの方に支えられての1年8ヶ月です。個人的にも、もちろん学校としても大変感謝しております。これからもどうかよろしくお願いいたします。 副校長 7月7日7月6日校長語録
校長語録
「言葉(ことば)を習う」(朝会の話から) もう7月に入って五日もたちました。早いですね。今は梅雨の 真っ最中ですが、時々晴れるそのときは、もう真夏の暑さです。 ムシムシ暑さにカンカン暑さ、それらに負けないように、みんな でしっかり体を鍛えましょう。 後2週間で1学期も終わりです。自分の、1学期のめあて達成 に向けてしっかりがんばっていることと思います。 前回の朝会の時、先生は「いじめにつながること」として、こ んな話をしました。 ・ 心を傷つけるな。 ・ 体を傷つけるな。 ・ 知らんフリをするな。 覚えていますか。これはみんな「いじめ」につながることだか ら、絶対に「してはいけない」ことだと話しました。 「心を傷つけるな」ということは、「言葉遣いに気をつけなさ い」ということです。 「体を傷つけるな」ということは、「暴力を振るってはいけな い」ということです。 「知らんフリをするな」ということは、「問題は、みんなで話 し合って解決しなさい」ということです。 もうわかっていることだと思いますが。 でも、「乱暴な言葉、ひどい言葉、相手を傷つける言葉遣い」 をする人が、残念ながらまだいるという話を聞きました。これは いけないですね。 友達には「優しい言葉遣い」、先生や大人には「丁寧な言葉遣 い」をするのが、学校での「言葉のルール」です。まずは、この 「ルール」をしっかり身につけてください。 この「言葉のルール」を身につけるには、「国語の勉強をしっ かりすること」、「本をたくさん読むこと」、「スポーツ・武道 ・その他などを習うこと」、そして、「地域の行事などを習う( 参加する)こと」が大事です。 なぜかというと、それらを通じて言葉の使い方(言葉遣い)を しっかりと習うことができるからです。 言葉遣いは、「言葉を習うことから、スポーツ・武道・その他 を習うことから、地域の活動などを習う(参加する)ことから」 自然に身についていきます。 この地域には「いろいろなスポーツクラブ・その他」がありま すし、近くの「南大沢警察署」でも柔道教室や剣道教室もあると 聞いています。地域の行事にはクリーンデーなどの活動もありま す。 これらに習えば、友達とともに「体を鍛え、ココロを鍛え、頭 を鍛え、言葉を鍛え、言葉の使い方(言葉遣い)」をしっかり習 うことができるでしょう。 さあ。後2週間、「自分のめあて」の達成とともに「自分の言 葉遣い」をもう一度見直して、夏休みを迎えてください。 授業寸景 No22
授業寸景 No22
某月某日 第2校時 算数 まずは、「人口密度(板書)」を求める、教科書問題の答え合わ せである。 全国(主な都道府県)の人口密度を、計算機を使用して求める。 スタートは、北海道から。(全国一周、人口密度の旅だね。) 56628562(人)÷83453(平方キロメートル)=6 7,8 四捨五入して=68人/1平方キロメートル。さすがに、少ないね。 このようにして、次は青森、新潟、、、と進んでいく。扱う数字 が大きいので、計算機なしではちと大変だ。(この問題は、すでに 宿題になっていたようである。) 指導者は、丁寧に一つ一つ子供たちに問いかけ、答えさせ、それ を板書にまとめていく。粛々・淡々とね。答えあわせだから、爆発 的な動きがないのも仕方がないところだ。 その時、子供が急に「ゴキブリみたいな虫がいる」と叫んだ。そ の途端である、子供たちが動いたのは。それはもう、見事な動きの 早さであった。「ゴキブリ問題解決の動きの速さ」ではあるのだが、 「算数の問題解決での速さ」であれば尚良かったのだがな。 人口密度を求める問題であるから、静かであるのは当然のことで はあっても、もう少し元気が欲しいところである。 どんどん進んで、大阪までやってきた。(問題対象都道府県は全 国13箇所)。 そして、いよいよ鹿児島、梅雨明け近い沖縄。これで全問解答だ。 ここで、これまで計算で求めてきた数字「人口密度」ということ ばの使い方を探る。 「1平方キロメートル当たりの人数が多い場合、『人口密度』は『 なんといえば、どういえば』いいのかな」。 多い、大きい、重い、でかい、ひろい、何だろう? 高い、と子供が応える。「その通り、『人口密度は高い(低い)』、 というように使うのす」。「覚えておきましょう」と指導者。 では、次の問題です。(以下、板書)。子供たちはノートに視写。 「芋を掘りました。(まだ、とれてないよ、と子供たち。実は、学 校の畑で芋を作っているのだ。)(「おいも、どれくらい取れるか、 楽しみだね」と負けずに指導者。) 1平方メートルの畑からは、43,2キログラム。 9平方メートルの畑からは、62,1キログラム取れた。 どちらの畑が良く取れたといえるでしょうか。全員で読んで見ま しょう。」と一斉音読。 「解くとき、嫌だなあ(めんどう)と思うなポイントは?」と指導 者が問うと、子供たちは「畑の広さが違うところ」だと応える。 なるほど、取れた量を比べるには、畑の大きさを揃えなければな らないからね。子供たちは、1平方メートル辺りの取れ高で比べる とよいと結論した。 そこで、指導者は、タイル図を板書した。その図に既定の数値を 記入すれば、1平方辺りの取れ高が視覚的に立式できるようになっ ている。 指名された子供が二人、前に出て数値を記入、立式、そして、説 明。 43、2÷6=7、2キログラム/1平方メートル 62、1÷9=6、9キログラム/1平方メートル これで、どちらの畑が良く取れたか良くわかっただろう。「嫌」 を超えた子供たち。 この勉強を基にして、自分たちの育てている芋畑の収穫量を増や してもらいたいね。 授業寸景 No21
授業寸景 No21
某月某日 第2校時 理科 班になって「ちょうの卵(幼虫)」の観察である。 パックに入れて育成中の「ちょうの卵」をルーペで見る。小さく て、見つけるのが大変だが、これが実に楽しそうである。その「た まご」と、なりたての「幼虫」。手にルーペを持って、わあ、わあ、 きゃあ、きゃあとそれらを探す子供たち。 中には「物差し」でもって、その大きさを測ろうとする子もいる。 測れるかな。私も思わず顔を近づけてその姿をみたが、さすがに小 さい。 「大きさはどれくらい?」「色は?」「何匹(個)いる?」と指導 者が問う。 「オレンジ色」「黄色」「4匹いる」「1匹(個)」とか、子供た ちは口々に応える。 先生用の「やつ」を班に回してさらに観察させる。「2班さんの には、大きい幼虫がいます。見せてもらいなさい」。自分の班で育 成中のものだけではなく、他の班のそれや先生用の「それ」をみせ て、観察をより深めていく。 その「違い・異なり」を見せ、感じさせることは、子供たちを科 学の世界へ導く第一歩でもある。 「一度、座ってください」。声を大きくしないで、「小さい声」で 指示を出し、子供たちの「聞き耳」を立たせる。「小さな声で静か に話す」、これは子供たちの「耳の働き」を良くさせる有効な方法 (高等技術)である。 観察が終わったところで、葉の根元に巻いてあるティッシュに水 を含ませるように指示。なるほど、葉が枯れないようにするわけだ。 そして、それらを再び後ろの棚に戻させた。 「次は、カイコの世話(観察)をします」。あくまでも「小さな 声で静かに伝える」。 まだまだ幼さの残るこの学年の、子供たちへの指導で、この落ち 着き、さすがである。 観察時間を設定した後、記録カードを配布。「気づいたこと、わ かったこと、思ったことなどをいろいろと書いて、ファイルの中に 溜め込んでいきます。」と説明。子供たちはそれを聞いた後、廊下 に並べてある自分たちのカイコの入った紙箱を取りに行く。紙箱を 開けるとそこには桑の葉とともに極小のカイコが・・・。きゃあー、 気持ち悪いとか叫びながら、ルーペでその姿をのぞく子供たち。取 替え用の桑の葉は、すでに教卓に用意してあるので、子供たちはそ れぞれ取りに行き、葉を入れ替えていく。 子供たちのこの動きの中に「短く・小さく・静かに指示をだす」 技の浸透が見て取れる。見事な技である。指導者はゆっくりと班の 間を回り、子供たちの観察の様子を見、共感しつつ何かを気づかせ る。このさり気ない立ち居振る舞いの中にもきらりと光るものがあ る。 子供たちの箱の中をのぞくと、いるわ、いるわ、何匹も。14匹 ほどいるそうだ。これが大きくなると(モスラの集団だ)、そりゃ、 すごいことになるな。 子供たちは、桑の葉のあっちこっちをひっくり返して、わあわあ、 きゃあきゃあ言いながら、カイコを探し出してその姿を観察してい る。指導者は、頃合を計り、カードに記録するよう促す。ひとしき り観察した後、子供たちは記録に集中し始めた。設定時間通りであ る。これもまた見事。 その後、指導者は記録紙のファイルの仕方を板書し、簡潔に説明 した。 子供たちの様子を見ていたら、指導者が私のそばに来て、黄アゲ ハの蛹(二つ)を見せてくれた。幼虫から蛹になったばかりとのこ とである、花茎(一方は網)に自ら細糸で支えてじっとその時を待 っている。なんと美しい姿であるか。 子供の記録用紙には、カイコの姿、葉の形などとともに、オスか メスかわからないと書いてあった。 なるほど、ほんとに小さすぎてわからんな。 テレビ朝会で
今朝、小雨ながら雨が落ちてきたので、急遽校庭での全校朝会をテレビ朝会に切り替えました。すぐに対応してくれる高学年の、放送委員会さん、いつもありがとう。
テレビ朝会で校長先生がおっしゃいました。 「心を傷つけるな、体を傷つけるな、知らんフリをするな」そう、6月の最初の朝会でおっしゃったことです。これらはすべて、「いじめ」につながるので絶対にしてはいけないのです。 今日はこれに加えて、言葉遣いの話がありました。「友達には優しい言葉遣い」、「先生や大人には、丁寧な言葉遣い」、それが「言葉のルール」だとおっしゃいました。 この7月、「自分の言葉遣い」をもう一度見直してみましょう。 副校長 PS 7月の生活目標は、「ろうかをしずかにあるこう」です。 クリーンデー
7月3日(土)クリーンデーが行われました。
毎回参加して思うこと。 「たくさんの方々が参加してくれてありがたいなぁ」、ということ。別にの点だけを取り上げて言うことではないのだけれど、きっとこの世の中は、様々な人々の善意で支えられていることがたくさんあるのだろう、と実感できる。 もうひとつ。「ごみはどうしてこんなにもたくさん落ちているのだろう」。それぞれが拾ったごみは、最終的に中郷公園に集められる。その量を見れば誰もが驚く。 拾うのも、捨てるのも私たち人間なのだと思うと、なんだかおかしくもあり切ない。子ども達には、自分のふるさとを大切にできる人になってもらいたい。 暑い中、ごみを拾ってくれた子どもたちに、カキ氷が振舞われた。暑さを忘れられるひと時だった。 副校長 授業寸景 No20
授業寸景 No20
某月某日 第2校時 生活科 子供たちの机の上にはプリント、「1、2年 学校たんけん」と書 いてある。 板書(その中の部分を抜書き) ぼくは( )です。 すきな( )は、( )です。 よろしくおねがいします。 ( )の中は、自分で書き込むのである。自己紹介の時にいう文 句(セリフ)の基本形を作っているようである。 プリントには「6月9日(水) はんかいぎ 2時目」の文字も書 かれている。 内容を読んでみると、学校たんけんのやり方などが書かれていて、 どうやら、近々、1・2年合同の学校探検をするみたいである。今日 は、そのための準備をしているのだね。そして指導者は、下記の1、 2、3を板書。4、5が空白でここは子供たちが話し合って書き込む ところである。 1、なかよく。2、はしらない。3、大声をださない。4、( )。 5、( )。 指導者が、4と5は「班で話し合って決めてもらいます」というと、 子供たちは直ぐに班体制になる。ここからは、班での学習(話し合い) が中心。 子供たちの様子を見ていると、結構活発に話し合っている。指導者 は、それぞれの班にアドバイスをしながら、学習姿勢を正したりいろ いろ注意や指導をしていく。さすがにさすが、きめが細かい。 ある班は、次のように書いていた。 (一人でこうどうしない)、(かってにもどらない)。なるほど、良 く考えてる。2年生といえども集団行動の原則(おかしもの約束だ) を弁えている。指導者は「いくつも書いて、その中からいいものを二 つ選びなさい」とアドバイス。 ところで、この指導者の教室は、整理整頓が行き届き、いつも気持 ちがいい。学習環境としては極めて良質で、落ち着いた雰囲気を保っ ていて、ならばいい考えも自ずと湧出してこようというもの。 さて、こどもたちは(一年生をおいていかない、一年生をいじめな い、話を聞く)など、涙が出てきそうな優しいことばを書き込んでい く。 話し合いがどんどん活発化し、やがて「コーフン状態」みたいにな ってきた。そこで指導者は、頃合を計って「チュウイ!」と呼びかけ ると、こどもたちが「イチ、二」と答えて再び集中する(静かになる)。 なるほどね、低学年の場合、こうやって気を引き締めるのか。 「席を戻しなさい」、「では、発表してください」と指導者が短く指 示をだし、子供たちに発表させる。 その後、「はんかいぎ」の手順を全員で確認させる。「はじめのこ とば、じこしょうかい、がっこうたんけんのせつめい、がっこうたん けんのやくそくをきめる、(じかんがあったら、しりとりなどをする)、 おわりのことば」。 ひとつの班を前に呼び出し、この「班会議」の手順を実演させる。 このようにして会議の手順を覚えさせていくのだ。 「お芝居っぽくやるのよ」と指導者。 この手順をそれぞれの班で練習する。子供たちは楽しそうに実演し ている。2年生でも指導の仕方でここまで話し合いができるのかと大 いに感心した。ちょうどここで終わりのチャイム。 「チュウイ!」「イチ、二」で、静かになったところで「これで2時 間目の授業を終わります」と日直さんが締めくくる。 授業寸景 No19
授業寸景 No19
某月某日 第4校時 こくご 学校からのお手紙を配布して、さあ、ひらがなのお勉強です。 「や」と「れ」のひらがな練習プリントがすでに配られている。 1号車・2号車は、「れ」のつくことば(もの)を考えてくださ い。 3号車・4号車は、「や」のつくことば(もの)を考えてくださ い。 まずは「れ」から。「れ」のつくことば、ものを集める。 「れ」の正方形小黒板を貼る。 「ですをつけて、大きな声で発表してください」と指導者。 れんげです、れんしゅうです、ふしれはちです、れんこんです、 れもんです、れえずんです。 子供たち、結構いろいろなことばを知ってるだねえ。活発にこと ばが出てくる。 次は、「や」。 やぎです、こやぎです、やまがたけんです、やりです、やどかり です。 指導者は、子供たちの発表に一つ一つ反応し、それを板書してい く。一度として反応することを忘れたことがない、見事なものであ る。発表する子供だけでなく、あちこちから子供の声が、呟きが聞 こえてくる。それらに対して瞬時同時に反応し応えていく。 「一対一」、「一対多」の対話応答を授業の中で、同時進行でや れる優れた指導者は、そんなに多くはいない。この指導者はこれが できる。 高学年においても低学年においても、少しもかわることなくそれ ができるのである。多に対応しつつ、授業の展開を確実に進めてい く、そこにいつも感心させられる。 今度は、全員で板書に書かれたことばを大きな声で読む。「せん せいはよみません、みんながよむのですよ。」とここで「突き放し」。 これがまたいい、子供を変に甘えさせない、頼らせない。見習い たい指導技術である。 ことばを集めたら、つぎは、正しい書き方の練習だ。「れ」。正 方形小黒板を活用する。この小黒板は4つの部屋に分かれていて、 それぞれに番号が振られている。 「1の部屋から3の部屋へ」というように指導する。それを見本 にひらがな練習プリントに一筆一筆ごとゆっくりとなぞらせ、書か せて、運筆を手指に覚えさせていく。時間のかかることであるが、 それをしっかりやらせる。 指導の定石とおり、全体指導の後は個別指導である。この個別指 導が、これぞ低学年指導というものであった。一人も残さず全員を しっかり見て周り、丁寧に指導をし、ことばを交わし、ほめて、直 して、丸をつける。 子供たちは指導者に見てもらいたくてうずうずしている。「でき た、できた、できた、できた」の声があちこちから指導者の耳に届 くのだが、いわば聖徳太子的指導でそれをこなす。いやあ、見事。 そして、次の「や」の練習。同じようにして練習していく。「や だといってもダメ、一日にふたつはべんきょうしなくっちゃ、ね」、 これは指導者のシャレである。子供たちにわかったかな。 指導者の丁寧な文字指導、1年生子供たちの少し飽きかけた心を ぐいっと引っ張っていく。この根底には子供たち一人ひとりへの指 導の手を絶対抜かない指導者の姿勢信念があると思われる。 さて、次は音読集。見事な音読を期待したが、ああ無常にもチャ イム。残念無念。 保護者会の後は・・
今年も保護者会の後に、たくさんの保護者の皆さんがお掃除をしてくださいました。いつもの掃除では、とても手が出ない扇風機や教室の窓も、しっかりきれいにしていただきました。
私も、2年の扇風機を掃除してみたのですが、これがなかなかに難しい。反対側で同じ扇風機を掃除してくださっていた保護者の方のほうが、あっという間に終わってさらにきれい。悔しいたらありゃしない。やっぱり主婦には勝てません。 それから、見てください。今年はなんと新兵器の登場でした。長い柄の先に、スポンジがついていて高い窓ガラスもらくらくお掃除できます。4年の小谷田先生も笑顔でお手伝いです。 企画して呼びかけてくださった柏木会の方々、お掃除に参加してくださった保護者の方々、本当にありがとうございました。 副校長 お久しぶり
一年生のプール。ちょっと驚いた人がいたのではないでしょうか。
木曜日のプールに、なんとあすなろ保育園の園長さん達がいらっしゃいました。今度柏木小学校のプールをお借りしたいと、下見にいらっしゃったのです。 目ざとく藤原延長先生を見つけた子ども達は、「あーっ!」と歓声を上げます。 懐かしい保育園の先生達に、柏木小学校で立派に成長した姿を見せられたかな? 副校長 柏っ子集会
7月1日、今日から7月。あと3週間もいけば、楽しい夏休みです。
さて、今朝は、集会がありました。今日の集会は、縦割り班で行った柏っ子集会です。 各班の先頭に、水がたっぷり入ったバケツが置かれています。そして、その3〜4メートル先には、空のペットボトルが。 そうです、バケツから水をすくって、空のペットボトルに入れていくのです。1・2年生は、コップを使うことが許されています。でも、3年生以上は、手のひらですくって水を運ぶのです。 スタートの合図とともに、一斉にペットボトルめがけて走っていきます。そして、みんなが「あっ・・」とちょっと驚きの声を上げます。ペットボトルの中には、加瀬先生が用意した食紅が入っているのです。水を入れると鮮やかな青と緑が現れます。ちょっとしたサプライズ。 高学年が、よく低学年のお世話をしてくれて、楽しい集会となりました。 副校長 7月2日7月1日校長語録7月
校長語録7月
1 教育計画 7月は、1学期「つたえ、つたえあう」指導過程の最終月です。 教科指導上(知識、経験)の「つたえ」、生活指導上(基本的生活 習慣)の「つたえ」、学校・学級生活上(社会性・集団性)の「つ たえ」、4月から7月までの間の「つたえ、つたえあう」過程での 「指導の成果(基礎・基本のつたえー習得)」を検証する。教育目 標、教育課程、経営計画、自己申告書に立ち返り、指導の実態に成 果を重ね合わせてそのズレを把握理解し、次の段階(2学期―わか る、わかりあう段階)に進んでいただきたいと思います。 2 あゆみ(評価) 子供たち一人ひとりの「取り組みの過程」と「取り組んだ結果」 を吟味・分析し、評価する。子供の「良さと課題」を的確・明確・ 正確に評価し、教育専門家としてふさわしい表現(力)でその熱い 思いをつたえる。 しかし、教育を大方「数字と言葉」で表現できる(しよう)と考 えるのは少々過ぎたる思いが致します。経験は限りがありませんが、 言葉には限りがあります。言葉にして尽くせぬところに教育はまた 在り、指導力の発揮できる場もそこにまたあるのではと思います。 成績数値・業績数値、いずれも目安(現象―大切)ではありますが、 しかし、そこをしっかりとおさえて、その子にとって「唯一無二の 言葉」を紡ぎだす、これが教師の所見(表現)ということになるの ではないでしょうか。だからこそ、同じ文章の所見はありえません。 3 服務研修 服務事故防止への意識向上は、教育者(公務員、職業人、社会人) としての責任。 4 学校公開 学校公開(6月16日、19日)、ご苦労様でした。 学校公開は、いうならば教育の「行為的説明」です。学校はその 教育活動を常に公開する立場にあります。公開以上に雄弁なるもの はありません。曰く、「百聞は一見にしかず」、です。公開は、学 校を鍛え、私たち教員を、そして子供たちを鍛えてくれるものです。 またそれだけでなく、「見るもの」をも当然に鍛えることになりま す。真を見るには真を見るだけの力を必要とし、真を見せるには真 を見せるだけの力が必要になります。 だからこそ、公開はお互いを「きたえあう(教育目標)」ことに なるのだと思うのです。 次年度は、学校公開、授業参観、行事公開を土曜日(年間10回) に移行することになります。(学校を地域に開くこと、授業―学習 時間を確保すること) 5 その他 ・OJT(教育力・人材育成・組織力の向上) ・学校評価(外部評価と内部評価の第1回実施 ・公開、評価項目の統一・共通化) ・緑のカーテン(温暖化防止、環境教育) ・健康管理他(労働力・生命力の維持) 授業寸景 No18
授業寸景 No18
某日某月 第2校時 家庭科 玉結び、玉止め(板書) 子供たちの机の上には、裁縫用具一式(自分自身の小学校時代の 家庭科の授業を思い出して、なんだか、懐かしい)。 指導者は、テンポ良く「玉止め、玉結び」の説明(形、方法、目 的)をする。説明はよどみがなく、さすがと思わせる。指導者と子 供たちのやり取りは、低学年とは違うスピード感がある。 一通りの説明が終わると、次に教科書を開かせ、視覚での理解を 加えていく。つまり、耳で聞かせて目で見させて、手指を使わせて、 学び取らせる寸法である。感覚から認識へ、認識から実践へ。学習 過程の基本を踏まえた指導となっている。 裁縫は、細かい仕事(作業)である。手指の先の神経を働かせな ければ、なかなかうまくいかない。糸を針の穴に通すこと然り、紙 を撚り糸を撚ること然り、糸を結ぶこと然り。だから、集中しなけ ればできることもできないし、できないことは更にできないのであ る。(再び、私自身の昔の記憶がよみがえる。) 「糸が針(の穴)から抜けないようにするにはどうするか」と指導 者が問う。 「同じ長さにしておくと抜けにくい、結ぶと抜けない」と子供たち。 指導者は、それに応じて針の穴と糸を大きく板書する。針は白、 糸は赤。当然、わかりやすい。 「だれか、結んだ人はいますか?」と指導者。女の子数名の手が挙 がる。この女の子たちが、この後、この時間の先生になる。玉止め、 玉結びの先生ってわけである。たしかその時、男の子の手は挙がっ てなかったね。(私も、確かできなかった) 「二本の糸を結ぶことを二本取りといいます」。 「一本の糸を結ぶことを一本取りといいます」。 説明の後は、班毎になり玉結びの練習だ。できる女の子からやり 方を教えてもらう男の子、できそうでできない。何度もやり直し、 何度も教える女の子、なんだか微笑ましい。その間に、指導者は自 分のところへ班毎に呼び、玉結びのやり方を個別で、かつ丁寧に指 導する。 「できた人は、何回も練習してください」と指導者が指示をだすと、 子供たちは「何秒でできるか、やってみようぜ。」と早速ゲーム化 する。なるほどね、いまどきの子は、何でもゲーム化するんだ。 一通り説明を終えると全体を集中させ、玉結びのやり方を再確認 する。この当たりにも指導者の経験の豊かさが現れている。全体学 習から個別・グループ学習へ、個別・グループ学習から全体学習へ の「上がり下がり、横広がり」がきちんと学習過程化されているの である。 「何回も練習することが大切です。」とピシッと締めくくり、次に 進む。 イチゴの絵を描く指導者。(上手い) 玉結びのできている糸を使って、「玉止め・玉結び」の模様を布 絵に縫い付ける学習(作業)、ここでも「全体から個へ、個から全 体へ」の過程を崩さない。 指導者から説明を受ける、「わかる」、「やってみる」、できな い、「繰り返し」、「できる」。わかるからできるまでには、この 「繰り返し」という時「間」がある。集中力・持続力の必要なここ をどう乗り越えさせるか、指導者の腕の見せ所である。 子供たち(男の子たちも)は、この学習(作業)に少しずつ集中 し始めた。そうそう、それでよろしい。 授業寸景 No17
授業寸景 No17
某月某日 第3校時 国語 シーンと静まり返った教室、漢字学習ノートで漢字の練習だ。よ く集中している。 教室環境は大変整っていて、感じがいい。掲示物は、多くなく少 なくなく、整理されていて、それらによって集中を乱されることが ない。べたべたと学習掲示物が多すぎると気が散るし、目移りして 混乱するし、少なすぎると殺風景でこれまた味気ない場の空気をつ くる。若いこの指導者の感覚は、すでに優れた経験者のそれである。 いつもながら感心させられる。 教室の環境作りは、指導者の意識のあり方で微妙に変わってくる のであって、その環境が子供の感覚を刺激し、その刺激が脳に伝わ り、像を描かせる。その像がやがて固定され、子供たちの感性とな る。このように感性は感覚を通じてつくられる、だから、環境が大 事というのである。 ここに神経の行き届かない指導者は、ことばはきついがおそらく 指導者としては一流にはなれないだろう。 「数」と書いた小黒板が第黒板に貼られている。「数」という字の 学習である。 1、読み方 2、書き順を覚えましょう 3、画数 4、ていね いにれんしゅうしましょう 5、なぞって書きましょう 6、数を つかった文をなぞって書きましょう 7、数のつくことばを書きま しょう 8 数をつかって文をつくりましょう この順番にそって丁寧にしっかりと学習していく。指導者の「こ とば」は、はっきりとしていて短く、良く通る。子供たちはしっか りと指導者のほうを見て聞いて、向いて答える。指名されると、「 〜です。」と最後の「です」まではっきり答え、「同じです。」と 他の子供たちが応える。 指導者と子供たちとのやり取りがいい。温かくて落ち着いていて、 しかもぐぐっと集中していて、そこにはダレを許さない指導者の気 迫のようなものも感じられる。子供の発言には必ず共感して評価し、 そのままにはしない。これは素晴らしく大事なことである。 言わせっぱなし、聞きっぱなしというような対応を時折、他校の 指導者で眼にすることがあるが、それではいけない。どの子も指導 者に認めてもらいたいのである。 漢字学習ノートの学習順序に従いつつ、リズムにのって学習を進 めていく。全体指導の後は個別指導、個別指導から再び全体指導へ 戻り、そして、また個別指導へ。一人ひとりの子供に声をかけ、手 をかけ、笑いかけながら、赤ペンで手際よくノートに花丸をつけて いく。 次に学習する字は、「元」。 「数」と同じようにして、子供に「書き方を問い、詠み方を答えさ せ、指で書かせ、ノートに書かせ、練習させ、発表させ、花丸をつ けていく」。 時折、「姿勢は!」と鋭く指摘し、ぴんと背中を伸ばさせる。子 供たちから「現実」なんてことばも「元素」なんてことばも出てく る。なんと難しいことばを知っているのだろうか。この子供たちの 学習振りに1年間の成長の後がはっきりと見えた、指導者もまた。 時間が少し余ったので、残り時間は「漢字ビンゴ」。子供たちは これが大好きみたいだ。「前、弟、思う、西、東京、書く、黄色、 電気、教しつ、火曜日」、ここからそれぞれ9つ選んでビンゴ紙に 書く。 指導者が選んだ漢字を読み上げると、イエーイ、イエーイ、イエ ーイ、リーチ、リーチ、ビンゴ! 5分延長の授業だったが楽しく ていいね。 |