たとえば、「 おはよう 」 という挨拶言葉は、「 お早く○○ですね 」 の 「 お早く 」 が 「 おはよう 」 になったものです。
　つまり、「 お早く起きていらっしゃいますね 」 「 お早く働いていらっしゃいますね 」 など、「 今日も朝早くから○○していらっしゃいますね 」 という、相手へのねぎらいの気持ちを込めた言葉なのです。

　「 こんにちは 」 は、「 今日はご機嫌いかがですか 」 「 今日はお元気でいらっしゃいますか 」 などの 「 今日は（こんにちは）」 が語源です。
　つまり、日中、人に会ったり、人を訪問したりしたときに、相手の健康状態やそのときの調子を気遣っている言葉なのです。

　食事をするときに使う 「 いただきます 」 と 「 ごちそうさま 」

　山の一番高いところを 「 いただき 」 というように、本来 「 いただく 」 は、自分の中で一番高いところ、つまり、頭の上にうやうやしく載せるという意味です。

　「 ちそう（ 馳走 ）」 とは、「 食事 」 という意味です。　「 ごちそうさま 」は、その 「 ちそう 」 に 「 ご（ 御 ）」 と 「さま（ 様 ）」 と、二つも尊敬の気持ちを表す言葉をつけています。

　つまり、「 いただきます 」 も 「 ごちそうさま 」 も、食事を作ってくれた人や、食材となるために命を捧げてくれた動植物に対する、感謝、尊敬の気持ちを込めた言葉なのです。

　このように挨拶には、相手への思いやり、気配り、感謝、尊敬の念が込められているから、言った側も言われた側も心穏やかになれるのだと思います。
　挨拶が、人間関係の潤滑油であると言われる、所以 （ ゆえん ） の一つではないでしょうか。　だから、人間関係が重視される社会や組織の中で、挨拶できない人が認めてもらえない、マイナス評価をされるというのは、当たり前のことなのです。

　私は、挨拶は 「 するも習慣、しないも習慣 」 だと思っています。

　挨拶が習慣として身についている人は、いつ、どんなときも、誰に対しても、自然に挨拶ができるものです。
　一方で、「 挨拶をしない人 」 は、自分から挨拶をしないことはもちろん、誰かから挨拶されても満足に返せなかったり、目をそらしてしまったりします。
　「 挨拶しない 」 ということが、習慣として身についてしまっているのです。

　お互いに気持ちの良い挨拶を心がけて、気持ちの良い人間関係を築いていきましょう。