松姫ものがたり その12【最終回】

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むかし信松院(しんしょういん)には「松姫さまお手植(
てう)えの松」がありました。
つらいとき、悲しいときにお願いすると力(ちから)を与えてくれました。
後に八王子に大きな火事があったとき、この松が大きく手を広げる格好(かっこう)で、火をくい止めたといわれています。

松姫さまは五十六才になった元和(げんな)二年四月十六日、座禅(ざぜん)を組まれたまま、西方浄土(さいほうじょうど)を向いてお亡くなりになりました。
西方浄土には お父さまの信玄公やお母さま、仲良しだった五郎お兄さまたちなどたくさんの御霊(みたま)がやすまっています。

松姫さまが亡くなられたとき、信松院から五色(ごしき)の雲がわきたちゆるやかにゆるやかに西に流れて行ったということです。

                        おしまい


※元和二年は西暦1616年です。
ふりがななど表記の仕方は、視聴覚室に掲示されている児童作品を元にしています。ご了承ください。ご愛読ありがとうございました。

松姫ものがたり その11

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ある日、信松院に里(さと)の娘(むすめ)が訪(たず)ねてきました。
「私は、はた織りの娘ですが、下手(へた)なのでどうか上手(じょうず)に織れる方法を教えてください」
松姫さまは、
「私も、もとは下手だったのですよ。でもこの手まりをつるしてはたを織っていたら少しずつ上手になりました。私のはた織りのお守りなのです。あなたにあげましょう」
といって娘に手まりをあげました。
娘は手まりをつるしてはたを織りました。

やがて里の家々から
「とんとんからり とんからり」
とはたを織る音が毎日聞こえてくるようになりました。
そしてこんな唄(うた)がはやったそうです。

「♪はたを織るなら とんからり 
  信松院の姫さまに 手まりをいただき とんからり
  ゆらゆらゆらり ゆらゆらり
  とんとんからり とんからり …♪」

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