毎年、年末が近づくと日本漢字能力検定協会 ( 漢検協会 ) が、「 その年を最もよく表す漢字 」 を募集します。
今年も約16万人の人から応募があったそうですが、その中で最も多く、今年の漢字に選ばれたのが 「 新 」 でした。
民主党中心の新しい政権が誕生し、新内閣が発足しました。
新型インフルエンザが流行し、本校でも第1学年が学年閉鎖になるなどの影響を受けました。
イチロー選手が大リーグで9年連続200本安打を達成したり、ゴルフでは石川遼選手が賞金王の最年少記録を塗り替えるなど、スポーツ界でも新記録が続きました。
皆さんにはあまり馴染みがないかもしれませんが、裁判員制度や高速道路の特別割引制度など、新しい制度も始まりました。
そんなことから、今年の漢字に 「 新 」 が選ばれたようです。
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では、皆さんは、「 新 」 という字にはどのような印象を持っていますか?
今から1週間後には、新しい年、新年を迎えます。
今日は2学期の終業式です。 冬休みをはさんで新しい学期、新学期が始まります。
新型インフルエンザは別として、この 「 新 」 という字は、何かが始まる期待感や希望を感じさせてくれるような気がしませんか?
「 新 」 という字に関連して、冬休みのしおりにも書いてのですが、私は毎年新しい年を迎えた日の朝、つまり元旦に、新たな目標を必ず立てるようにしています。 きっかけは、私の誕生日はお正月なのですが、40歳を迎えたお正月に、漠然と次のように思ったことによります。
日本人男性の平均寿命は約80歳なのですが、「 自分が平均寿命の80歳まで生きるとすると、人生の後半に入ったのだなあ … 。 自分の人生も、折り返し点を過ぎたのだなあ …。」 と。
当たり前のことですが、人間は年とともに衰えていきます。 そして、衰えとともに、いろいろなことが若い頃のようにできなくなっていきます。 つまり、人生の後半は、ほうっておくと 「 引き算の人生 」 になってしまうと思いました。
そこで、「 だったら意識して 『 足し算の人生 』 にしよう 」 と考えたのです。
つまり、「 若い頃に、やりたくても、やれなかったこと 」 や 「 若い頃に挑戦して、挫折したこと 」 などを、毎年一つずつ自分につけ足していくのです。
40歳になった年から、マラソン、サーフィン、楽器演奏、日記など、それまでやってこなかったこと、やりたかったことを、自分の人生に足し算してきました。
若い頃より時間はかかっていると思いますが、できるようになったことや続けていることは、若い頃より確実に増えています。
皆さんは、まだまだ若い。
若いから、ほうっておいてもしばらくの間は 「 足し算の人生 」 だと思います。
しかし、発想を転換して、若いうちから積極的に新しいことに挑戦する習慣を身につければ、皆さんの人生は足し算どころか 「 掛け算の人生 」 になるものと思います。
もう一度、まとめて言います。
人間は、年とともに、それまで当たり前のようにできていたことでも少しずつできなくなっていきます。 つまり、ほうっておくと 「 引き算の人生 」 を生きることになるのです。
しかし、意識して少しずつ新たな挑戦をしていれば、それを 「 足し算の人生 」 に変えることもできます。 まして、それを気力・体力ともに充分な若いうちから心がければ、足し算どころか 「 掛け算の人生 」 に変えられるのです。
新しい年には、ぜひ新しい目標を立てて、新たな自分を発見できるような年にしてください。
では、冬休み中、風邪やインフルエンザに気をつけて、また元気な顔で3学期の始業式に会えるようにしましょう。
私のお話は、以上です。
校長 武田幸雄