5月10日は、本校の開校記念日です。
このことについてお話しできるのは、暦の関係で今日しかありませんので、少し先のことですがお話しさせてください。
別所中学校は1989年、この地に開校しました。 つまり今年度は創立20周年を迎えたわけです。 来年3月10日には、パルテノン多摩で行われる合唱コンクールに先立って、記念式典を行う予定です。 その他にもいくつかの取り組みがあるかと思いますが、ぜひ君たちも協力してください。
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さて、創立20周年ということは、私たちに当てはめるならば二十歳、成人になったということです。 私たちにとって成人になるということは、どういうことでしょうか。 簡単に言えば、法律的にも社会的にも一人前の大人として扱われるようになります。 さまざまな権利を得ると同時に、さまざまな責任も負わなければならなくなります。
では、学校が成人し、一人前の大人になったかどうかは、何によって確かめることができると思いますか。 いろいろありますが、中でも重要な要素として、「 その学校に伝統が根づいているかどうか 」 があると思います。
そういう点、本校は開校以来のノーチャイムをはじめ、全校生徒が盛り上がる二大行事、毎日行われる朝読書、素晴らしい校歌合唱など、いくつかの伝統がしっかり根づいています。 したがって、別所中はこの20年間で、立派に成人したと言えると思います。
しかし、今年は創立20周年という節目の年です。 この節目の年に、私は皆さんにお願いがあります。 それは、単に過去からの伝統を受け継ぐだけでなく、君たちの手で新たな伝統を築いていってほしいということです。
では、新たな伝統を築くには、どうすればよいのでしょうか。
そのためには、まず良い癖をつけて、それを良い習慣にし、さらに良い文化、良い伝統へと発展させればよいのです。
具体的な例をあげて説明しましょう。
年度当初、棟方先生から 「 君たちには素晴らしい所がたくさんあるが、まだ不十分な点もたくさんある。 そのひとつが、大きな声で 『 はい! 』 と返事ができない所だ。」 というお話しがありました。
だとしたら、逆にこの1年を、「 大きな声の 『 はい! 』 という返事が、別所中の新たな伝統となったきっかけの年 」 にしてもらいたいのです。
具体的には、まず、名前を呼ばれたり返事をしたりするときに、意識して大きな声で 「 はい! 」 と返事をする癖をつけるのです。
はじめは意識しなければ身につかない癖かもしれませんが、やがて繰り返しているうちに、自分の中の決まり事として定着してきます。 返事をするとき「はい!」と大きな声でやらないと、かえって変な感じがする… どこか気持ち悪い… などと感じるようになります。 良い癖が、良い習慣へと発展したのです。
その良い習慣を身につけた人が、一人から二人三人へ、三人四人から五人六人と増えて全体に広がると、それは学校の良い文化となります。
そして、その文化が学年や世代を超えて受け継がれるようになったとき、学校の伝統として根づくのです。
創立20周年を迎えた今年を、皆さんが別所中の新しい伝統を築くきっかけの年にしてくれるようお願いして、今日の私の話といたします。
校長 武田幸雄