※ 写真は、一昨日 学校に咲いていたキバナコスモス & 蝶々です。
65回目の終戦記念日 ( 終戦の日 ) を迎えました。
では、終戦記念日とは、そもそも何を意味する日なのでしょうか?
「 日本が連合国に降伏した日 ( 戦争に負けた日 )」
「 それによって、太平洋戦争が終わった日 」 …
65年前の今日、天皇みずからの声で、戦争を終えることを国民に伝えるラジオ放送が流されました。 いわゆる、玉音放送 ( ぎょくおんほうそう ) です。
この放送を聞くことで、日本は組織的な戦闘行為・抵抗をやめました。
したがって、その意味からすれば先の回答はどちらも正解です。
しかし、私は、ただそれだけでこの8月15日という日をとらえるのは、少し解釈が浅すぎないかという気がします。
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単に 「 戦争が終わった日 」 ということであれば、それは必ずしも8月15日に限りません。 事実、皆さんが学んでいる歴史の教科書では 「 戦争が終わった日 」 を8月15日にしていますが、教科書によっては9月2日としているものもあります。
日本が正式に降伏文書に調印した日 ( 『 ポツダム宣言 』 という、日本に降伏を勧める文書に署名した日 ) が、9月2日だからです。
むしろ国際的には ( 戦勝国や日本の支配から解放された国では ) こちらを終戦記念日としている傾向があります。
戦争の終わった日は8月15日なのか、9月2日なのか … 。 その解釈は、諸説あってよいとおもいます。
しかし、8月15日については、9月2日にはない特別な意義づけがあります。
その代表的なものが、わが国の政府が行った1982年(昭和57)の閣議決定 ( 総理大臣を中心とした国務大臣による会議での決定 ) です。
この閣議決定で、「 8月15日を、戦没者を追悼し平和を祈念する日とする 」 ことが定められました。 つまり、この日を 「 太平洋戦争で亡くなられた方々を追悼するとともに、戦争の悲惨さを忘れず平和を祈念する日 」 としたのです。
このように8月15日は、わが国にとっては単に 「 戦争が終わった日 」 ではないのです。
戦争体験のない私たちが、日常的に反戦と平和への強い意志をもって生活を送ることはまずないでしょう。 放っておけば、記憶を風化させてしまう … 。
だからこそ、意識して 「 戦争の忌まわしい記憶をよみがえらせ、それを後世に伝え、永遠の平和を誓う日 」 を設ける必要があるのです。
私は、その日が 「 8月15日 」 だと思っています。
例年、広島に原爆が投下された8月6日から今日に至る10日間を中心に、8月前半は戦争関連の特別番組がテレビで放映されています。 その中の一つぐらいは家族そろって視聴し、共に戦争について考えてみても良いのではないでしょうか。
8月15日前後はちょうどお盆休みで、家族で共有できる時間のとりやすい時期でもあります。 そう考えると、私は日本人にとっての終戦記念日は9月2日ではなく、やはり8月15日がふさわしいのではないかと思うのです。
校長 武田幸雄