5月27日(水)
学校は今、授業での練習はもちろん、朝練習や放課後練習など、体育大会一色になりつつあります。 それを象徴するかのように、この学校HPも体育大会関連の記事が多く掲載されるようになりました。
しかし、だからといって、通常の授業がおろそかになっている…、体育大会練習で疲れ切って勉強は上の空……などということは一切ありません。
授業は授業、体育大会は体育大会と、けじめをつけています。
写真は、3年生の社会 ( 公民 ) の授業です。
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本日は、「 国際連合・軍縮への努力 」 を学習していました。
一昨日、北朝鮮が核実験を実施したという衝撃的なニュースが伝わったばかりです。 偶然とはいえ、きわめてタイムリーな学習内容に、生徒たちも真剣な眼差しで取り組んでいました。
私も、授業の説明を聞いて改めて知ったのですが、
1963年・部分的核実験禁止条約
1968年・核拡散防止条約
1987年・中距離核戦力全廃条約
1996年・包括的核実験禁止条約 ( 未発効 )
…等々、この半世紀足らずの間に、核軍縮に向けたさまざまな条約が結ばれたり、話し合いが行われたりしてきたにもかかわらず、国際社会は今回の核実験を止めることができませんでした。
その事実を、授業の中で生徒たちはどのように受け止め、何を考えたのでしょうか。
いうまでもなく、わが国は世界で唯一の核被爆国です。 そのことは、私たちが核兵器の悲惨さ・むごたらしさ・愚かさを最もよく知る国民であることを意味しています。
この私でさえ、親類縁者に被爆者がいるわけではありませんが、高校の修学旅行で長崎を訪れたときに目の当たりにした被爆資料の数々や、それをきっかけに読んだ 「 黒い雨 」( 井伏鱒二 ) 「 原爆詩集(にんげんをかえせ)」( 峠 三吉 ) といった原爆関連の文学作品の記憶 ( というより、衝撃 ) は、今も鮮明に残っています。
文学作品に限らず、少年期に漫画週刊誌で読んだ 「 はだしのゲン 」( 中沢啓治 ) も忘れられない作品ですし、中年になってから読んだ 「 沈黙の艦隊 」( かわぐちかいじ ) という漫画も、核と平和についていろいろと考えさせらる作品でした。
また、アニメ映画の名作 「 風の谷のナウシカ 」( 宮崎 駿 ) に出てきた 『 巨神兵 』 は、核兵器の象徴であると思っています。
このように、身近なところで 「 核兵器の悲惨さ・むごたらしさ・愚かさ 」 に触れることのできる私たちが、身近なところで 「 核兵器の脅威 」 にさらされていなければならないというのは、皮肉というにはあまりに厳しい現実です。
本校の3年生が今日の授業で見せていたような真剣な眼差しで、国際社会が一致団結して問題解決を図ってくれるよう願ってやみません。
校長 武田幸雄