学問のすすめ vol4 親編
最終回は保護者への資料から紹介します。
学ぶ親になる・成長する大人になる ○ 親 大人 の背中を追う から子どもは成長する ○ 大人っていいなあ、すごいなあ と思わせるのは大人の責任 ○ 自分の親が素敵で誇らしい はわが子への最大のプレゼント 1 親が 学び を理解する: 何で勉強するの? という子どもの問いに答えられますか 学ぶとは 人間が変わること 学習指導の本質は 人間が育つから学力が伸びる、学力が伸びるから人間が育つ と考えています。お子さんが本当に学んでいけば素晴らしい人間に成長する、素晴らしい人間になれれば学力が付いている。その本質を見失うと子どもは伸びません。 人のために学ぶ 今辛い勉強をするのはあなたのためよ。今勉強すれば将来が幸せになるの とお子さんに言っていませんか。学びの目的は 人のために学ぶことだと私は考えています。人のためと考える方がずっとやる気が湧いてきます。それに、自分のための勉強と考えると自分は別に伸びなくていい、どうせできないのだからと自分をあきらめることで勉強から逃げることもできます。 2 親自身が学びの先達になる:うちのお母さん(お父さん)は賢くて素敵!と言われよう! 学びで若返る 昔取った杵柄です。久しぶりでも結構覚えているものです。学び直すうちに、素直だった昔の自分を思い出すでしょう。初心に返ると若返ります。頭を使うと美しくなります。 私も勉強があるから と言って親がテレビを消そう 最大の教育は 感化 です 口うるさく言っても子どもは反発するだけ。子どもを感化できる大人になりたいものです。 子どもの 人間力 を育てる 1 自分のことは自分でさせる・家事をさせる 成績がよくても何でも親にやってもらうようではいつまでも自立できません。 □朝起こされずに自分で起きていますか□身支度は自分で準備しますか □自分から家庭で一人学習をしていますか□家事は毎日していますか 中学校・高等学校教育のポイントは 自立 だと考えています。学力を伸ばすためにも大人へと成長するためにも必要なことです。 2 思いやり や 人に対する優しさ を育てる 現実に優しくできるのは、家で汚いところでもちゃんと掃除をしているような子です。 岸本裕史 くらしは学力づくりの玉手箱 清風堂書店出版部、p.108 見返りやお礼を期待しないで他人の喜ぶことをするような子どもは、大人になってから真に立派な仕事をやれる素地をつくりつつあるのです。 岸本裕史 見える学力、見えない学力 大月書店、p.79 親自身が 思いやり や 人に対する優しさ を示しましょう。子どもの前で人の悪口を言ったり、人を批判したりするのはやめましょう。 子どもを育てる親になる エクササイズ 1 まず自分と子どもを見つめよう:まず長所を3つずつ記してみましょう 生徒のよさを発見できない教師がいます。同じように、子どものよさを見つけられない親がいます。子どもを伸ばす第一歩は、子どもの よさ を見つけることです。 ☆共通するものは遺伝です。わが家の遺伝子を大切にしましょう。 ☆自分にあってお子さんにない長所は、親が手本をみせましょう。 ☆自分になくてお子さんにある長所は、親も子どもから学びましょう。 ★自分の長所が3つない人はつくりましょう。 ★自分の3つの長所を暗記して毎日つぶやきましょう。 ★お子さんの長所を3つ書けなかったら、これから探しましょう。 ★お子さんの3つの長所を暗記して、子どもを毎日見つめましょう。 2 ホメ言葉を駆使してほめよう:一気に10個書けますか? よさが見つかったら、恥ずかしがらずにホメることです。大切なことは効果のあるホメ方、子どもの心に届くホメ方です。 ありがとう、よく気が付くね、スゴイね 。いろいろなホメ言葉を用意しましょう。 いいホメ言葉 は一生もの。できたら、心に届く とびっきりのホメ言葉 勝負のホメ言葉 を考え出してみましょう。 3 どんな 信念 をもって子どもを育てていますか?(信念だけが子どもに伝わる) 4 子育ては家庭づくり:幸せな家庭をつくろう! □休みの日は家族全員が早起き:前向きな家庭、前向きな親 □家庭の文化を高めよう:どんな本があるか、どんな番組を見ているか、どんな会話を しているか □全員が家事分担をしよう:家事は頭脳をよくする、家事は家族の在り方の基本 □食事の時間、テレビの時間などを規則正しく※夕食前学習 □食事で子どもを支えよう 参考文献:幕内秀夫 工藤公康粗食は最強の体をつくる 三笠書房、より □親が社会の窓口になろう:ニュースの解説、政治・経済のことを話す 5 親になる呪文を覚えよう ○親がお手本 ○私の子ども ○よいとこ3つ ○課題も3つ そして最後に○子どもも必死 受験生の親として まず、 高校入試は子どもが伸びるチャンスだと言うことを確認しましょう。 早く合格したいと子どもたちは考えます。親も早く合格してほしいと願います。しかし、親の気持ちの中には、子どもが苦しむ姿を見たくない、早く楽になりたいという本音が含まれています。結局、自分が苦しみたくないのです。 苦しむ中で子どもは成長します。親が楽をしたいという理由で、子どもの成長するチャンスを捨ててはなりません。 高校入試は子どもが伸びるチャンス と思って、親が入試に正面から向かい合っていかなければならないのです。 それは、親にとってはとても大変なことです。 しかし、子どもを伸ばすために、 子どもの苦しさを理解できる親 そして 子どもの苦しさを見守れる親にならなければならないと思います。 実は 口うるさい親 過干渉な親 は子どものためではなく、自分の安心のために子どもを心配しているのです。 高校入試は 子どもが成長するチャンス であると同時に親が成長するチャンスなのです。 高校の選び方 1 生徒を伸ばす高校かどうか 高校は将来へ向けて人間を成長させるところです。お子さんを伸ばしてくれる高校かどうかをよく調べることが必要です。まずは、授業と先生(スタッフ)を調査します。分かる授業をしてくれるところ、先生方の熱意があるところ、進路指導がていねいなところ、規律のある生活指導をしてくれるところ、そういう学校を選んでください。 2 共に学ぶ仲間がいる高校かどうか 学校は教師だけでなく、生徒同士で学び合い、高め合うところです。そのように生徒集団が高められているかどうかも把握しておきたいものです。そのためには生徒を見ることです。あいさつができるか、身だしなみは整っているか、言葉遣いは正しいか、顔つきがしっかりしているか。家庭教育の状況と同時にその高校の教育の成果でもあります。 3 勢いのある高校かどうか 勢いのある学校かどうかも大切なポイントです。沈滞した学校は、教育活動の質も下がってくるものです。3年間を見通して、発展しつつある高校を選びたいものです。勢いのある高校かどうかは、学校全体で新しい取組にチャレンジしているかどうかで分かります。 宣伝に騙されず直接見て判断しよう! すでに述べたように、いろいろな取組を宣伝する高校が増えています。しかし、 進学クラスの設置 や 進学補習の充実 などの謳い文句よりも、一人一人の生徒を伸ばすように全職員が一生懸命教育活動を行っているか、生徒は成長しているか、それが大切なのです。 学校案内のパンフレットだけで高校を判断してはいけません。直接学校に行って、生徒たちの姿、教職員の姿、授業や教育活動の様子を見る必要があります。 以上で4回にわたって 学問のすすめ というシリーズを掲載させていただきました。 何か少しでも役に立つ言葉があればと思い、私立高校の校長先生の言葉を活用させていただきました。いかがだったでしょうか。 |